共通テスト(旧センター)漢文 背景知識から見た出題の傾向と対策

ポイント

  • 共通テストorセンター試験の漢文は、内容にある程度の傾向が確認できる。
  • 特に、 政治・教訓・比喩表現・動物・自然・儒教・女性・漢詩・怪異あたりの背景知識を抑えておくと、多くの漢文が読みやすくなる。(詳しくは3や関連記事を見よう!)

1、過去15年分の共通テストorセンター試験の内容

こんにちは、本日は、共通テストorセンター試験の漢文について、過去15年分に遡り、どのような内容が出題されているのか、分析してみたいと思います💡

2006年

内容→猫がネズミを捕らえる能力については、人より勝っているように、人にもそれぞれの務めや適性があることを述べる話。

キーワード→教訓・比喩表現・動物

2007年

内容→詩の才能が抜群であった銭明経(せんめいけい)は、泥酔したまま科挙の作詩の試験を受け、眠ってしまった。周りの受験生は、 銭明経を妬んで起こさなかった。試験終了の直前に目覚めた銭明経は、とっさに素晴らしい詩を作った、という話。   

キーワード→科挙・漢詩

2008年

内容→絵画を上達するコツは、うまい人の絵画を参照することではなく、書く事物をしっかりと観察して理解することである。これと同様に、儒教の経典を学ぶ際も、細かい字句の解釈ばかりを行っている人は、本質から遠ざかってしまう、という話。

キーワード→芸術・儒教・教訓

2009年

内容→かつて、春秋時代の呉が滅んだ理由は、絶世の美女である西施ではなく、あくまで呉王の政治的・軍事的な失敗の結果であるという話。

キーワード→ 政治・女性・故事成語・教訓

2010年

内容→杜甫の詩は難解だが、中には難易度が低いものもある。登山でははじめに低い山からチャレンジするように、杜甫の詩も簡単なものから読み進めていくべきである、という話。

キーワード→ 漢詩・杜甫・比喩表現・教訓

2011年

内容→学問の方法として「遜(自分で謙虚であろうとしつつ、自分はまだまだだと認識すること)」と「敏(自分で積極的に学ぼうとしつつ、 自分はまだまだだと認識すること )」が挙げられる。そして、孔子や孔子の弟子は、この2つを実践できていた。どちらも重要ではあるが、より重要なのは「敏」である、という話。

キーワード→孔子・儒教・道徳・教訓

2012年

内容→蘇軾(そしょく)は、あらぬ罪で左遷されたが、後年復権し、都に戻った。その途中で、かつて自分を裁いた裁判官に出会うと、冥界の裁判官と蛇と牛が登場するたとえ話を用い、ユーモアを踏まえた皮肉を述べる、という話。

キーワード→政治・怪異・比喩表現・動物・左遷

2013年

内容→張耒(ちょうらい)は、とある寺に住んでいたが、その際海棠(かいどう)という美しい花を植えた。しかしその後、左遷され、寺からも離れることになってしまった。一年後、張耒はその寺の僧侶から便りで花が咲いたことを知った。そして、自分の将来は予想しづらいが、また花が見られるようになるかもしれないと、前向きに物事を考えるようになる、という話。

キーワード→左遷・自然・教訓

2014年

内容→タケノコは食べ頃になると、人に食用として重宝され、収穫されてしまうが、育ちきってしまうと食用にならず、生き残ることができる。これがまさしく「無用の用(役に立たないことがかえって良いことである)」の具体例だ、という話。

キーワード→名言名句・比喩表現

2015年

内容→とある家の老猫は、自分の子ではない二匹の子猫を我が子のように世話し、子猫も老猫によく懐いた。同じように、漢の明徳馬后(めいとくばごう)には子が居なかったが、側室の子どもを引き取り、我が子のように育てた。その子は、よく親孝行した。以上より、世の中で子どもに対する愛情や、親に対する孝行心が欠けている人は、動物にすら恥ずかしい存在だと述べた。

キーワード→動物・女性・母・儒教・親孝行

2016年

内容→荷宇(にう)は、生後10ヶ月で母を亡くしたが、物心ついた後、母のことを強く思い続けた、あるとき、夢に母が出てきて、会話することができ、その様子を絵にした。廬文昭(ろぶんしょう)がその絵を見た後、荷宇の孝行心を褒める、という話。

キーワード→儒教・親孝行・女性・母・怪異

2017年

内容→新井白石が、様々な比喩表現を用い、また江戸の昔と今を述べ、「時代が進んでいくと、物事も大きく変化する」ことを述べた文章。

キーワード→日本漢文・比喩表現

2018年

内容→寇準(こうじゅん)は、近々宰相の位になるのではと噂されていた。 寇準は、知り合いの嘉祐(かゆう)に、自分は宰相の位に就くべきかどうか、アドバイスを求めた所、説得力のある理由を述べ、就くべきではないと答えた、という話。

キーワード→政治・教訓

2019年

内容→自身を育ててくれた叔母が亡くなった杜甫が、叔母を褒め称える文章。

キーワード→杜甫・儒教・親孝行・母

2020年

内容→都での生活に疲れた謝霊運(しゃれいうん)は、田舎に家を構え、ゆったりと友人と楽しんで過ごしたいことを述べた詩。

キーワード→ 漢詩・隠者・自然

2、出題される内容には傾向がある!

ざっと見てみましたけど、「政治」「比喩表現」「動物」「女性」など、割と同じキーワードがあるケースがありますね!

その通りです。良い所に気付きました。少なくとも、複数回登場しているキーワードについては、背景知識として抑えておいて損は無いでしょう!

漢文の話には、ジャンルごとにある程度のパターンがあるため、それぞれ抑えておけば、段違いに理解しやすくなります✨

以下にまとめてあるので、興味があるものから読んでみて下さい!

なお、出典自体はマニアックなので、あらかじめ出典となりそうなものを読んでおくというのは、ほぼ不可能であることを知っておきましょう!

古文だとある程度出題される本が決まっているイメージですが、漢文はそうじゃないんですね。覚えておきます!

3、共通テストorセンターから見た知っておくべき背景知識

ここでは、共通テストorセンターを分析した結果、知っておくべきだと判断した背景知識についてお伝えします。

特に、 政治・教訓・比喩表現・動物・自然・儒教・女性・漢詩・怪異あたりを抑えておくと、広く対応できるようになると思います💡

割と多いなぁ…💦具体的には、それぞれどのようなことを知っておくと良いですか?

以下のようなことを知っておけば大丈夫です。

政治

→理想の君主・政治家としての理想の在り方や、政治の闇について知るべし。

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教訓

→「生き方について、今にも通じる良いことを述べる」というイメージを持つべし。

→比喩表現と絡めて教訓を述べる場合も多い。その場合は、何を何に例えているのか意識すべし。

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比喩表現

→漢文の大きな特徴の1つ。それぞれ何が何に例えられているのか、明確にすべし。

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動物

→怪異との関わりや、人間界の比喩として登場することがある。

→前者の場合は、動物が特殊な能力を持っている可能性を考え、後者の場合は、人間の生き方とどのように関係しているのかを意識すべし。

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儒教

→当時の漢文を書く人にとっての常識。

→特に、「親孝行をしっかりと行う」「上下関係をしっかりと守る」「道徳的に生きるためにマナーや音楽・詩を学ぶ」という意識が念頭にあることを知っておくべし。

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女性

→理想の妻像・理想の母像について抑えるべし。

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漢詩

→漢詩独特のルールや内容のパターンを抑えるべし。

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怪異

→妖怪が登場したり、不思議なことが起こったりするという内容。いくつかのパターンを知っておくべし。

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自然

→心を落ち着けるために描写したり、自分の心情と関連させて描写したりすることが多いことを知っておくべし。
→漢詩と関連する場合が多い。

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