故事成語を一覧にして分かりやすく解説!エピソードがおもしろい!(意味・例文付き) | ハナシマ先生の教えて!漢文。

故事成語を一覧にして分かりやすく解説!エピソードがおもしろい!(意味・例文付き)

   もくじ

0、故事成語とはなに?

こんにちは!みなさんは、故事成語(こじせいご)をいくつご存じですか?
故事成語は定義が曖昧で、しばしば格言・名言・ことわざとイコールで捉えられることがありますが、元々は「故事(=エピソード)を元に成立した語」であり、漢字だけの意味から類推することが難しいものです。

特にここでは、「矛盾」「傍若無人」など、熟語の形として定着している故事成語を中心に、エピソードと例文を添えて解説します!

また故事成語は、人間が味わうであろう「あるある」の出来事がもとになっているので、知っていれば自分の表現力があがります。
さらに、故事成語を漢文として読んで理解すれば、漢文の読解力も上がります。

なお、下でページ内検索ができるようにしておくので、漢字を打ち込んで調べるのもありです✨

<?php get_search_form(); ?>

1、故事成語の一覧!

以下では、初級篇・中級篇・上級篇に分けて一覧にしています。
気になるものを押せば、解説に飛びます!

初級篇→日常でよく用いられる故事成語(必ず知っておきたい)

完璧(かんぺき)蛇足(だそく)矛盾(むじゅん)逆鱗(げきりん)

杞憂(きゆう)杜撰(ずさん)破天荒(はてんこう)背水の陣(はいすいのじん)

漁夫の利(ぎょふのり)四面楚歌(しめんそか)傍若無人(ぼうじゃくぶじん)

五十歩百歩(ごじっぽひゃっぽ)虎の威を借る狐(とらのいをかるきつね)

覆水盆に返らず(ふくすいぼんにかえらず)

中級篇→それなりに現代でも用いられている故事成語(知っておくとカッコいい)

推敲(すいこう)守株(しゅしゅ)折檻(せっかん)

臥薪嘗胆(がしんしょうたん)愚公移山(ぐこういざん)蛍雪の功(けいせつのこう)

孟母三遷(もうぼさんせん)夜郎自大(やろうじだい)多岐亡羊(たきぼうよう)

朝三暮四(ちょうさんぼし)怒髪衝天(どはつしょうてん)呉越同舟(ごえつどうしゅう)

塞翁が馬(さいおうがうま)鶏口牛後(けいこうぎゅうご)羊頭狗肉(ようとうくにく)

破竹の勢い(はちくのいきおい)虎穴に入らずんば虎児を得ず(こけつにいらずんばこじをえず)

上級篇→現代だとあまり用いられていない故事成語(知っているとすごい)

鶏鳴狗盗(けいめいくとう)佩韋佩弦(はいいはいけん)狡兎三窟(こうとさんくつ)

曳尾塗中(えいびとちゅう)漱石枕流(そうせきちんりゅう)嚢中之錐(のうちゅうのきり)

郢書燕説(えいしょえんせつ)顰みに倣う(ひそみにならう)隗より始めよ(かいよりはじめよ)

漱石枕流・苛政は虎よりも猛し・舟に刻みて剣を求む

2、初級篇→日常でよく用いられる故事成語(必ず知っておきたい)

ここで紹介する故事成語は、日常でもよく用いるものばかりです。
是非エピソードも含めて知っておきましょう!

完璧(かんぺき)→璧を完(まっと)うす

【意味】
欠点が全く無い状態のこと。

【故事(エピソード)】
昔、趙の藺相如(りんしょうじょ)という人が、強国である敵国の王様から、趙に伝わる貴重な璧(=宝石)を完(まっと)うした(=守り切った)という話しから生まれた。

「完璧」の詳しいエピソードはこちら
漢文(中国史)において強い絆を築いた関係 4選 | ハナシマ先生の教えて!漢文。 (oshiete-kanbun.com)


【例文】
・Cさんは容姿・成績もよくお笑いのセンスもあって、まさしく完璧な人間だ。

個人的には、例文のCさんのような完璧な人間はいないと思っています。なにかしら弱点はあるはず笑
人が完璧に見えるのは、「憧れ」というバフがかかっているだけな気がします。

蛇足(だそく)→蛇の足

【意味】
余分・余計なもの。

【故事(エピソード)】
 昔、楚(そ)の国が魏(ぎ)の国に勝利のした勢いで隣の趙(ちょう)の国にまで攻めようとしたところ、使者がやってきて、思いとどまるよう説得した。
 使者は「最初に蛇の絵を描き上げた人が酒が得られるという条件で競争したところ、いちばん先に絵を描き上げた人が、調子に乗って蛇に足を付け加えようとしました。そうすると、「蛇には足が無い」ということで、結局その人は酒がもらえませんでした。」というたとえ話を紹介した。
 これを聞いた楚の国は、趙の国まで攻めるのは蛇の足のように余計だと悟り、中止した。

【例文】
・個人的に料理にパクチーを入れるのは蛇足だと思う。

パクチー好きの方々、大変申し訳ないです…💦詳しくは、以下のページでまとめています!よかったらご覧になってみて下さい。

矛盾(むじゅん)→矛と盾

【意味】
物事のつじつまが合わないこと。

【故事(エピソード)】
 盾と矛を売る商人が、それぞれの商品を「何をもっても突き通すことのできない盾」「何でも突き通せる矛」と宣伝して打っていた所、客の1人に「ではあなたの矛で、あなたの盾を突いたらどうなるのか」と質問され、その商人は自分が言ったことのつじつまが合わなくなり、何も答えることができなかった。ここから「矛盾」という言葉が生まれた。

【例文】
・ダイエットすると言いながらお菓子を沢山食べているのは、言動が矛盾していると言える。

詳しくはこちら
韓非子の故事成語から比喩(たとえ)の技術を学ぼう! | ハナシマ先生の教えて!漢文。 (oshiete-kanbun.com)

矛盾は良くないことと捉えられがちですが、例文のように人間は矛盾しがちな生き物です。
矛盾を責めすぎるよりも、ある程度は許容したほうが生きやすくはなると思います。

逆鱗(げきりん)→逆さの鱗

【意味】
人(特に上位者)の触れて欲しくない部分やされたくないことを指す。「逆鱗に触れる」のように用いる。
(「逆鱗に触れる」=「上位者の触れて欲しくない部分に触れてしまって怒りを買う」の意味)

【故事(エピソード)】
 昔の竜に関する言い伝えで、竜ののど元には、一尺(当時で23センチほど)の逆さについた鱗があり、人間が触れた場合、必ず殺されるとされていた。ここから「逆鱗」という言葉が生まれた。

【例文】
・Bさんは、授業中寝たことにより先生の逆鱗に触れてしまい怒られた。

ちなみに私の逆鱗は、「授業をつまんない」と言われることです笑。
(実際に1回言われたことあります…)

杞憂(きゆう)→杞(人)の憂い

【意味】
心配しなくてよいことを必要以上に心配すること。取り越し苦労。

【故事(エピソード)】
 昔、(き)という国の人が天地が崩れることをえて食事も取れなかったことから生まれた。

【例文】
・旦那に浮気がバレるかと思って家中の盗聴器を探したが、杞憂に終わった。

私はよく家を出た後に、鍵を閉めたのか不安になり、杞憂に終わります。

杜撰(ずさん)(黙)の

【意味】
(作業や文章などのできが)いい加減であること。

【故事(エピソード)】
→(「」黙(ともく)という人物の作詩(=「」)スタイルがいい加減だったことから生まれた。

【例文】
・A社のネットニュースは誤字脱字が多く、杜撰な仕上がりである。

私は洗濯のたたみ方が杜撰すぎて、よくパートナーに怒られます…💦

破天荒(はてんこう)→天荒を破る      

【意味】
①これまでにはなかったこと。前代未聞なこと。
②(①が転じて)豪快で大胆。

【故事(エピソード)】
 唐の時代、荊州(けいしゅう)という地域では科挙の合格者が100年も現れず、「天荒(=未開で荒れ果てた土地)」と称されていた。しかし、荊州出身の劉蛻(りゅうぜい)という人が合格したことから、「天荒を破」ったと称賛され、「破天荒」で「これまでになかったこと」の意味として定着した。

【例文】
①元レスリング選手の吉田沙保里さんは、個人戦206連勝という破天荒な記録を残している。
②Aさんは授業中、先生の目の前で寝るような破天荒な性格である。

ちなみに、私の破天荒エピソードは、奨学金を大学から大学院にかけて奨学金を1500万ほど借りたことです。(現在返済中です💦)

背水の陣(はいすいのじん)

【意味】
逃げ場がない状況において、全力で物事にあたること。

【故事(エピソード)】
 昔、名将の韓信(かんしん)が趙を攻めた際、わざと川を背にしてを敷き、軍が逃げられないようにし、兵士に必死の働きをさせて勝利したことから生まれた。

※川を背にするのは、もし軍が崩れた際、逃げ場が無くなるので、タブー視されていた。
※勝利した直接的原因は、背水の陣ではなく、別働隊が敵の城を奪ったことによる。

【例文】
・今年35歳のAさんは、背水の陣で臨んだ婚活パーティーで良い相手と出会えた。

テスト前に背水の陣状態になる学生さんは多いのでは?

漁夫の利(ぎょふのり)

【意味】
二者が争っている時に、第三者が横から利益を奪うこと。

【故事(エピソード)】
 昔、趙の国が燕の国を攻めようとしたとき、燕は攻められるのを避けるため、使者を送って攻撃を思いとどまるよう説得した。使者は趙の王様に、「鷸(しぎ)とハマグリが争っているところへ漁夫がやってきて、両方とも捕らえてしまった。」というたとえ話を話して、趙と燕が争えば第三国であるの秦が漁夫となって、両国とも取られてしまうと説得したエピソードから。

【例文】
・ApexでAチームとBチームが激しく戦っていた時に、Cチームが漁夫の利を狙って両チームを殲滅した。

最近は「漁夫(ぎょふ)る」なんて用い方もされているみたいです。

四面楚歌(しめんそか)→四面 楚の歌 

【意味】
周りに味方がおらず、孤立無援なこと。

【故事(エピソード)】
 項羽(こうう)という武将が、敵である劉邦(りゅうほう)の軍に包囲された時、包囲軍から項羽の地元である楚(そ)の歌が聞こえてきた。それを聞いた項羽は、地元の人ですら自分の味方ではなくなったと気付き、絶望したことから生まれた。

【例文】
・最近、不倫報道された女優のAさんは、ネットや週刊誌で激しく批判され、四面楚歌の状況に陥ってる。

やらかした芸能人はよく四面楚歌になっているイメージ!
詳しく知りたい方は下の記事をご覧になってみて下さい💡

傍若無人(ぼうじゃくぶじん)→傍(かたわ)らに人無きがごとし

【意味】
人目を気にせず、勝手に振る舞うさま。

【故事(エピソード)】
 (けい)(けいか)は親友の高(こう)(ぜん)(こうぜんり)らと毎日騒ぎながら宴会をしていたが、その様子があまりに人目を気にせず心のおもむくままに楽しんでしたというエピソードから生まれた。
(元々のエピソードにはマイナスの意味は少なく、2人の友情に重点が置かれている。)

【例文】
・彼らは電車の中で大声で話している。周りの人は、傍若無人な態度に腹が立っていた。

コンビニでも、店員にキレるような傍若無人な客いますよね。

五十歩百歩(ごじっぽひゃっぽ) 

【意味】
差があるように見えて、実はたいして差がなく悪いこと。どんぐりの背くらべ。

【故事(エピソード)】
 孟子(もうし)が王様と会見した際、王様から「私は政治に力を入れているのに、なぜ他国と比べて領民が増えないのか?」と質問された。孟子は、「王様は戦場で五十歩逃げた兵士が百歩逃げた兵士を馬鹿にしたら、どう思いますか?」と聞き、王様が「それはおかしい。どちらも逃げたという点では変わらないではないか!」と答えた。
 すると孟子は、「五十歩逃げた兵士と百歩逃げた兵士がたいして変わずダメなように、王様の政治と隣国の政治にもたいした違いがないので、領民が増えないのでしょう。」と批判し、民衆のための政策を行うべきだとアドバイスした。ここから「五十歩百歩」が生まれた。

【例文】
・テストで60点だったAさんは、58点だったBさんをからかったが、端から見ると五十歩百歩で滑稽である。(ぎ)

80キロ越えの友人が、「2キロ痩せたわ」とこの前言っていましたが、これも五十歩百歩な気がします💦

虎の威を借る狐(とらのいをかるきつね)

【意味】
自分は権力を持っていないのにも関わらず、他の人の権力を盾にして偉そうにすること。

【故事(エピソード)】
 昔、とある王様は家臣に対し、「北方の国々では、我が国の宰相(=ナンバー2)を恐れていると聞いたが、それは本当か。」と尋ねた。この問いに対し、家臣の一人はとある話を持ち出して答えた。
 ある時、虎が狐を捕まえた。狐は、「自分が天帝から獣の長になるよう命令を受けたので、今私を食べると天の命令に逆らうことになるぞ。」と言い、命令を受けた証拠を見せるから、後ろからついてくるよう虎に言った。そして、狐と虎は共に出かけたが、獣たちはそれを見ると、一斉に逃げ出した。虎はその原因が、自分ではなく狐を畏れ敬っているからだと信じてしまった。
 家臣はこの話を例えに、北方諸国が本当に畏れているのは宰相ではなく、その背後にいる王様の力であると答えた。以上のエピソードから「虎の威を借る狐」が生まれた。

※「虎の威を借る狐」は、上のエピソードを見て分かるように、元々は他者への気遣いorおべっかのために用いたたとえだが、現在では他者を批判する時に用いる。

【例文】
・A君は親が社長であり、いつも威張った態度を取っている、典型的な「虎の威を借る狐」である。

私の中では「虎の威を借る狐」を体現した存在=スネ夫です笑
最近だと・スパイファミリーの取り巻き2人(エミールとユーイン)も具体例として挙げられます。

覆水盆に返らず(ふくすいぼんにかえらず)

【意味】
①一度壊れてしまった人間関係は、二度と戻らないこと。
②一度してしまったことは、二度と取り返しが付かないこと。

【故事(エピソード)】
 呂尚(りょしょう)という人は、ある女性と結婚したが、ずっと本を読んでるばかりで、ろくに仕事をしなかった。これにガッカリした妻は、呂尚と離婚したが、その後呂尚は大出世を果たして国王となった。
 その後、元妻はヨリを戻して欲しいとお願いすると、呂尚は水の入ったお盆を地面にこぼし、「この水をお盆に戻してみよ。」と言った。当然、元妻はできなかった。呂尚は、「一度こぼれた水が二度と盆の上に戻らないように、私とお前の関係も二度と元に戻らないのだ!」と言い、復縁の願いを断った。ここから「覆水盆に返らず」が生まれた。

【例文】
①Aさんは度重なるモラハラで彼女に振られてしまい、復縁を望んでいるが、覆水盆に返らずである。
②BさんはSNSで不用意な発言をして大炎上して後悔しているが、覆水盆に返らずであった。

一度の過ちで他者との関係が終わってしまうことってありますよね…💦

以上、日常でよく使う故事成語を紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
言葉は知っているけど、由来となったエピソードははじめて聞いたという方も多いかもしれません。
面白い成り立ちも多いかも?

3、それなりに現代でも用いられている故事成語(中級篇・知っておくと困らない)

推敲(すいこう)→推すか敲(たた)くか

【意味】
文章などの内容を良くするために何度も考えること。

【故事(エピソード)】
賈島(かとう)という人物が詩を作っている時、門を「推す」か「敲(たた)く」どちらで表現すべきか迷い、友人にも相談して結局「敲く」に決めたというエピソードから。

【例文】
・就活生のAさんは、志望企業が課した小論文について、推敲を重ねてから提出した。

私は好きな人へのlineの文面もよく推敲します笑

守株(しゅしゅ)→株を守る

【意味】
かたくなに古い習慣を守り、時代に応じた物事の処理ができないこと。

【故事(エピソード)】
 韓非子という人物が、以下のようなたとえ話を用い、論敵の儒家(じゅか)を批判したことから生まれた。
 昔、宋(そう)という国に農民がいた。田畑の中に切り株があり、そこにうさぎがやって来て株にぶつかり、首を折って死んだ。そこで農民は作業をやめ、また何の苦労も無くうさぎが得られるものと期待して、切り株のそばで待ち続けた。しかし、うさぎが得られることはなく、その農民は国中の笑いものとなった。
 これと同じように、儒家も昔の立派な統治者(堯・舜など)の政治手法をありがたがり、今でも実践すべきだと説くが、時代が違えば政治のやり方も変えるべきであり、愚かだと批判した。

【例文】
・多様性が重んじられている現代において、学校で行われる過度な髪型に関する決まりは、まさしく守株な校則である。

「先生の板書を生徒は写すだけ」のような一方通行な授業も守株だと思います。
個人的には、生徒が主体的に参加できる授業作りこそが、生徒のさらなる成長に繋がるのでは?

折檻(せっかん)

【意味】
目上の者が目下の者を強く叱ること。

【故事(エピソード)】
 前漢の(せい)帝(せいてい)という王様は、自身の特権をふりかざし、私腹を肥やしていた張禹(ちょうう)という人物を重用していた。それを見かねた朱雲(しゅうん)という人物が、成帝に「私に剣をお与え下さい。その剣で張禹を斬り殺したいと思います。」と申し出た。
 すると成帝は激しく怒り、朱雲に対して死罪を命じ、朝廷から引きずり出させた。しかし朱雲は、「檻(てすり)(てすり)」にしがみついて抵抗したため、檻が折れてしまった。その際、(しん)(けい)(き)という将軍が朱雲を弁護したため、朱雲は死罪を免れたが、檻を後日修理する際、成帝が「これからも私に注意してくれる者が現れるように、そのままでよい。」と言った。

→「(てすり)を折るくらい必死に指摘すること」から「折檻」という言葉が生まれた。
※ただし、出典では目上の者が目下の者へ「叱る」というよりも、目下の者が目上の者を「諫める」というニュアンスであり、ズレが見られる。

【例文】
・子どもへのいきすぎた折檻は虐待になるので、注意が必要である。

子どもをしつける時、時には折檻も必要なのかもしれませんが、できるだけ別の手段で伝えたいと個人的には思います。

臥薪嘗胆(がしんしょうたん)→薪に臥(ふ)す 胆を嘗(な)む

【意味】
悔しい気持ちを忘れず、成功を目指して苦労に耐えること。

【故事(エピソード)】
 かつて、呉(ご)の夫差(ふさ)が父の仇を忘れないために堅いをベットとして寝て(=して)結果的に仇を屈服させ、越(えつ)の句践(こうせん)が夫差に敗れた悔しさを忘れないように吊した苦いを舐めて(=めて)、リベンジを果たしたエピソードから生まれた。

【例文】
・高校受験に失敗したA君は、臥薪嘗胆の思いでその失敗を忘れず、大学受験で成功することができた。

くやしさって、やがて弱まって風化してしまいますよね💦だからこそ、臥薪嘗胆が必要なのかも?

愚公移山(ぐこういざん)→愚公(ぐこう) 山を移す

【意味】
一見達成が不可能に見えるようなことも、コツコツ積み重ねれば達成できること。

【故事(エピソード)】
 昔、愚公(ぐこう)という人が山を移そうとした所、周りの人間はそのようなことは無理だと笑ったが、愚公は子や孫の世代までかかっても成し遂げると告げた。天帝は愚公の態度に感心し、山を別の場所に移してやったという話から生まれた語。

【例文】
・イチローは子どもの頃から、毎日のように野球の練習に励み、日本・アメリカのプロ野球で偉大な記録を成し遂げた。これはまさに「愚公移山」を体現したと言うことができる。

大谷選手の二刀流にせよ、高すぎる目標って、はじめは無理だとバカにされますよね。
せめて、人の努力と挑戦を尊重できる人間でありたいものです。

蛍雪之功(けいせつのこう)→蛍雪の功

【意味】
貧しい中、苦労して勉学に励むこと。

【故事(エピソード)】
 晋の車胤(しゃいん)は灯りをつける油が買えず、夜に蛍の光を集めて勉学に励み、孫康(そんこう)は冬の夜に窓から入る雪明かりで勉学に励み、共に出世したことから生まれた語。

【例文】
・Aさんは蛍雪の功を積み、無事第1志望の大学に合格することができた。

データを見れば、現代では金持ちの子どもが高学歴になる傾向にあるようですが、やりようによっては貧乏でも勉強できますし、良い会社に入れます!

孟母三遷(もうぼさんせん)→孟母 三たび遷(うつ)す

【意味】
子どもを育てる際には、適切な環境が必要であること。

【故事(エピソード)】
 昔、孟子(もうし)の母親の行動から生まれた語。孟親子は、はじめ墓場の近くに住んでいた所、子どもの孟子は葬儀のものまねをして遊んでいた。母親はこれはいけないと思い、市場の近くに引っ越した。
 すると孟子は商人のものまねをして遊んだ。母親はこれはいけないと思い、学校のそばに引っ越した。すると孟子は礼儀作法のものまねをはじめた。そこで母親は安心した。

【例文】
・孟母三遷というように、やはり子どもは優秀な私立の中学校に通わせるべきか。

人は良くも悪くも周りの環境に影響を受けやすいものだと思います。

夜郎自大(やろうじだい)→夜郎自ら大なり

【意味】
自分の実力を知らずに調子に乗っているさま。

【故事(エピソード)】
 昔、漢という強く大きな国があることを知らなかった小さな夜郎という国の王様は、漢の使者が来た時、「我が国と漢ではどちらが大きいのか」と尋ねて恥をかいた。「夜郎自大」はこの話から生まれた語。

【例文】
・Aさんは小学校のころ、成績が良く夜郎自大であったが、私立中学に進学後、自分が大したことないと気付いた。

広い世界を知って、謙虚でいながらも地道に研鑽を積める人間でありたいものです✨

多岐亡羊(たきぼうよう)→多くの岐(えだみち)にて羊を亡(うしな)う

【意味】
①人間は選択肢が多くなるからこそ、迷い困ってしまうことがある。
②人間は細かい部分を気にしすぎて、本来の目的を見失ってしまうことがある。

【故事(エピソード)】
逃げたした羊を追っていた時、分かれ道が多すぎて羊を見つけ出せなかったエピソードが由来。

【例文】
①大きなショッピングモールに来たAさんは、店が多すぎて多岐亡羊に陥ってしまった。
②学校の勉強で板書をきれいに写すことにこだわるが、結局テストで点数は取れないのは、まさしく多岐亡羊であり、本質を見失っている。

選ぶという作業は、楽しみもある一方で、自分の選ぶべき選択肢が分からず、それはそれで大変ですよね💦人生とは難しい…

朝三暮四(ちょうさんぼし)→朝に三つ 暮れに四つ

【意味】
目先の違いに囚われて、結局は同じ結果であることが分からないこと。

【故事(エピソード)】
 昔、猿使いがいて、猿に「朝に三つ、夕方に四つのエサをやろう」というと猿は怒り、「朝に四つ、夕方に三つのエサをやろう」と提案すると、猿は喜んだというエピソードから生まれた語。

【例文】
・3万円の服を買うのに躊躇していたが、3000円の10回払いにもできると店員に言われ、安く感じて買ってしまった。結局支払う値段は変わっていないから、朝三暮四と言わざるを得ない。

悪名高いリボ払いは、利息がべらぼうに高くなる分、朝三暮四よりひどくなります💦
みなさまもお気を付けて!

怒髪衝天(どはつしょうてん)→怒る髪 天を衝(つ)く

【意味】
激しく怒っているさま。(「怒髪天(どはつてん)」とも)

【故事(エピソード)】
 戦国時代、秦と趙の璧(へき。貴重な宝石。)をめぐる争いの中で、秦のあまりの傲慢な態度に、藺相如(りんしょうじょ)が怒りで髪が天を衝くほど逆立ったことから生まれた。

【例文】
彼女は彼氏に浮気され、怒髪衝天した。

私は、学生時代一人暮らしをしていて、朝起きたら床がびしゃびしゃになっていて怒髪衝天しました笑
(水道管が壊れて水が漏れてきていたようです。)

呉越同舟(ごえつどうしゅう)→呉・越 舟を同じくす

【意味】
①仲が悪い者同士でも、お互い協力せざるを得ない状況であれば協力をすること。
②仲の悪い者同士や敵味方同士が同じ場所にいること。

【故事(エピソード)】
隣国であった呉と越は昔から戦争をしばしば行い、国の人々同士の仲も悪かった。あるとき、呉国の人と越国の人が同じ舟に乗り、大風が起こり転覆しそうになったが、仲が悪いことを忘れ、協力して転覆を免れた。ここから「呉越同舟」というエピソードが生まれた。

【例文】
仲が悪いことで有名なAさんとBさんが同じ場所で会議に参加していて、呉越同舟の状態である。(②)

バトルアニメで、主人公と敵が呉越同舟(=協力)する展開って熱いですよね✨

塞翁が馬(さいおうがうま)

【意味】
人の幸不幸の移り変わりを見極めるのは難しいこと。

【故事(エピソード)】
 国境の砦に占いを得意とする者がいた。ある日、その家の馬が理由もなく逃げてしまった。人々はこの事件を気の毒がったが、家の父親は「このことは福をもたらすであろう」と言った。
 その数ヶ月後、逃げた馬が良馬を引き連れて戻ってきた。人々が祝福すると、「このことは禍となるだろう」と言った。ある時、家の息子がその良馬に乗って骨折してしまった。 その一年後、(こ)(北方異民族)が国境へ攻めてきた。防衛した若者は十人中九人死んだが、その息子は骨折で兵役に就けなかったので生き延びた。このエピソードから生まれた。

【例文】
最近結婚したAさんは、当初幸せそうにみえたが、妻が浪費家で次第に元気が無くなっていった。まさに塞翁が馬である。

私は貧乏な家に生まれ育ちましたが、そのおかげで工夫したり努力したりして大きく成長できたので、むしろ貧乏で良かったと思います。これも「塞翁が馬」ですね✨

鶏口牛後(けいこうぎゅうご)

【意味】
大きく優れた団体の最下位より、小さく劣った団体のトップであるほうが良い。
「鶏」=小さなor弱い組織・団体のたとえ。「口」=トップのたとえ。
「牛」=大きなor強い組織・団体のたとえ。「後」=最下位のたとえ。

【故事(エピソード)】
 蘇秦という人物が、他国同士を同盟させて強国である秦に対抗しようとした際、韓という国が秦を恐れて従っていた。蘇秦は韓の王様に対し「「鶏のくちばしになっても牛の尻にはなるな。」ということわざがあるように、あなたも秦の属国という牛の尻になるのではなく、鶏のくちばしように弱小でも独立国のトップとなるべきである。」と説得し、同盟を成立させた。

【例文】
・強豪校でレギュラーになるのは難しいから、鶏口牛後の考え方に倣って、弱小校でレギュラー入りしてそこから甲子園を目指す。

実際にどちらに所属したほうがうまくいくのかは、本当にケースバイケースだと思います。
例えば、偏差値の低い学校で勉強を頑張って1位を取る(=鶏口)のは素晴らしいことですが、本番ではじめてより優秀な生徒と戦うので、その点は不利ですね。

羊頭狗肉(ようとうくにく)

【意味】
立派なもので人の気を引き、実際は粗悪なものを売ることのたとえ。
「羊頭」=立派なもののたとえ。「狗肉」=犬の肉。粗末なもののたとえ。

【故事(エピソード)】
 霊公(れいこう)の時代、町の女性の間で男装が流行っていた。霊公は禁止令を出したが、一向におさまらない。そもそも流行の原因は、霊公が自分の妃(きさき)に男装をさせていたことであった。これに対し晏子は、「霊公のやっている事は、牛頭を店頭に展示して、実際は馬肉を売るようなものです。これを速やかに宮廷で禁止すれば、流行はすぐに終わります。」と諫め、その通りにすると流行は収まった。この話から「牛頭馬肉」という故事成語が生まれ、後に変じて「羊頭狗肉」となった。

(解説)
当時は牛=高価で儀式で用いる神聖なもの、馬=単なる移動手段で価値は低いものという価値観があった。つまり、「牛頭のような立派なものを店頭に展示して、実際は馬肉のような粗末なものを売る」ことは見かけと実質が伴わない行為である。晏子は、「牛頭馬肉」のたとえを用いて、霊公が自ら出した禁止令を守っていない=見かけと実質が伴わない行為を指摘した

【例文】 
・とてもおいしそうなハンバーガー屋の商品は、実際は写真通りではないことが多い。羊頭狗肉も良いところだ。

学校のパンフレットや企業のHPもしばしば羊頭狗肉になっている気がします💦
(まぁ致し方無い部分もあるとは思いますが…)

破竹の勢い(はちくのいきおい)

【意味】
止まらないほどの快進撃を続けること。

【故事(エピソード)】
 晋という国が呉の国を攻めようとしていた所、周囲では一旦退却すべきという意見が出ていた。晋の将軍であった杜預(どよ)は、「今は、竹は一節を割れば最後まで一気に割れるように、このまま勢いをもって攻めれば滅ぼせる。」と反対意見を述べ、結果的に見事呉を滅ぼしたことから生まれた言葉。

【例文】
・ゲーム会社の任天堂は、元々カルタを作っていたが、1983年にファミコンをヒットさせてから、現在まで破竹の勢いで成長している。

虎穴(こけつ)に入(い)らずんば虎児を得ず

【意味】
危険を冒さなければ、大きな成功は得られないことのたとえ。

【故事(エピソード)】
 班超(はんちょう)という武将が、異民族の匈奴(きょうど)と戦う際、「虎の住み処の穴に入らないと虎の子は得られないように、リスクを取らなければ大成功は得られない!」と言って勇気づけ、見事勝利したことから生まれた言葉。

【例文】
・沢山努力して失敗するのは怖いが、虎穴に入らずんば虎児を得ずと言うし、思い切ってチャレンジしてみよう。

そもそも努力自体がある意味リスクを伴う行為なのかもしれません。「沢山努力したのに失敗したらどうしよう?」と心配になって一歩が踏み出せない人も多いのでは?
しかし、班超が言うように、リスクを取らなければリターンは得られませんし、別角度から見れば、失敗も貴重な経験になるので、果敢にチャレンジしてみるのはありだと思います✨

【解説】

「才能無い奴はいくら努力しても成功しない」というのは間違い! 努力が報われない理由を漢文の名言から考える | ハナシマ先生の教えて!漢文。 (oshiete-kanbun.com)

4、現代だとあまり用いられていない故事成語(上級篇・知っているとすごい)

以下では、現代ではあまり使いませんが、知っていて使えるとすごい故事成語をまとめています。

鶏鳴狗盗(けいめいくとう)→鶏のような鳴きごえ 狗(いぬ)のような盗み

【意味】
①立派ではないor大したことない才能/そのような才能を持っている人のたとえ。
②たいしたことない特技でも、使いようによっては役立つことのたとえ。

【故事(エピソード)】
 孟嘗君という人が、強国である秦に招かれた後、秦の王様からその優秀さを危険視され、殺されそうになった。孟嘗君は、まず王様の妃に生きて帰るための協力をお願いしたが、妃は狐の貴重な毛で作ったコートをくれれば協力すると返答する。そのコートは既に王様に献上してしまっており、孟嘗君は困った。しかし幸い、孟嘗君の同行者に犬のように家に侵入し盗む才能を持つ人がおり、その人の活躍でコートを手に入れ、妃に渡すことができた。
 コートをもらった妃は、王様に孟嘗君を殺さないように頼み、無事帰国を許された。しかし孟嘗君は、王様が心変わりするのを恐れ、できるだけ早く帰国しようとした。夜明け前に函谷関(かんこくかん)までたどり着いたものの、函谷関は鶏が鳴いてからしか開かない決まりであった。ここでも孟嘗君は困るものの、同行者に鷄の鳴き声がうまい人がいて、その才能を発揮してくれたおかげで、すぐに函谷関が開き、無事帰国することができた。

・「鶏鳴」=「鶏の鳴き声がうまい才能」、「狗盗」=「狗=犬のように盗む才能」であり、ここでは「たいして立派ではない特技」を指す。


【例文】
①彼の特技は「よく職質されること」だが鶏鳴狗盗である。
②彼は「非常にゲームがうまい」という才能を持っていたが、ゲームに熱中しすぎて学校を辞めてしまった。しかし今では、その才能を活かし、世界的なプロゲーマーとして活躍している。鶏鳴狗盗の良い例である。

佩韋佩弦(はいいはいけん)→韋(なめし)をび弦(げん)を佩ぶ

【意味】
自分の短所を改善するために戒めのアイテムを持ち、人格を高めること。

【故事(エピソード)】
 西門豹(せいもんひょう)が自分の短気な性格を直そうとして「ゆったりしたなめし革=韋」を常に持ち、董安干(とうあんかん)は自分ののんびりすぎる性格を直そうとして「固い弓のつる=弦」を身につけていたというエピソードから生まれた語。

私は仕事は早いですがミスが多いので、戒めとして精密機械のパソコンを持っているべきかも?
(普段持っていても意識してないので全然治りませんが笑)

狡兎三窟(こうとさんくつ)狡(かしこ)き兎に三つの窟(ほらあな)あり

【意味】
困難や災難に対する備えができており、巧みに回避できること。

【故事(エピソード)】
 ずる賢い兎は、いざというときのため、逃げ場所の洞穴をいくつも用意しているという話から生まれた語。
 兎=人間、窟=困難や災難への備えのたとえ。

【例文】
・サラリーマンのAさんは、いざというときのために副業を行っていて、会社が倒産した後も収入を失わずに済んだ。これぞまざに「狡兎三窟」の備えである。

リスク分散は現代の常識になりつつありますね!

曳尾塗中(えいびとちゅう)塗中に尾を(ひ)く

【意味】
高い地位を得て窮屈な思いをするより、低い地位でも自由気ままに暮らすほうがよいという生き方。

【故事(エピソード)】
 昔、在野にいた荘子が王様に宰相の地位でスカウトされた時、「私は殺されて占いの道具として祭られる亀と、泥の中で尻尾を引いてゆったりする亀なら、後者を選ぶ」と述べてスカウトを断ったエピソードから生まれた語。
塗は泥の意味。

【例文】
・何をしてもメディアに批判されている総理大臣より、「曳尾塗中」の精神でのびのびと生きたほうが良い。

地位がある人には憧れますが、忙しくてプライベートも無くて大変そうですよね💦

漱石枕流(そうせきちんりゅう)石に(くちすす)ぎ流れを枕にす

【意味】
自分の誤りを認めず、屁理屈を述べて言い逃れをすること。

【故事(エピソード)】
 昔、晋の孫楚が「石に枕し流れに漱(くちすす)ぐ」=「石を枕にして川の流れで口をすすぐ(世俗に縛られずに生きていくという意味)」と言うべき所を「石に(くちすす)ぎ流れを枕にす」と述べてしまい、友人にその誤りを指摘された。
 しかし孫楚はこの誤りを認めず、「石に嗽ぐ」とは「石で歯を磨くこと」であり「流れを枕にす」とは「耳を洗うことだ」と無理やりこじつけて説明したことから生まれた語。

かの有名な夏目漱石(本名:金之助)がペンネームに選んだ故事成語です。漱石は、自分で自分を屁理屈を言う頑固者だと認識していたのかも?

嚢中の錐(のうちゅうのきり)

【意味】
才能がある人は、大勢の中に混じっていても、自然と才能を発揮して目立つということ。
「嚢中」は「ふくろの中」、「錐」は才能がある人のたとえ。

【故事(エピソード)】
 昔、趙の都が囲まれた際、平原君(へいげんくん)が援軍の使者を選んでいた時に、毛遂(もうすい)という人が立候補したが、平原君は「そもそも、賢人が世にあるのは、袋に入れた錐のように、その頭角がすぐに現れるものだ。 今、先生はわしのもとに来て三年になるが、優れているという評判を聞いたことがないから、留守番していて下さい。」 と言った。
 毛遂は「もしもっと早くわたしを袋の中に入れていたなら、穂先が出るどころでは済まず、錐の柄まで突き破って現れ出ていたことでしょう。(それほど私は優秀です。)」と反論した。
 結果的に、毛遂は援軍の交渉で大活躍し、趙は無事に救われた。

【例文】
・嚢中の錐といえばAさんである。Aさんは入学当初は目立つ存在ではなかったものの、持ち前のリーダーシップから、クラス委員や生徒会に推薦され、活躍するようになった。

エピソード内で平原君さんが述べているように、なんだかんだで結局、優秀な人物は頭角を現すのものだと思います✨

郢書燕説(えいしょえんせつ)郢の書 燕説く

【意味】
大して意味がないことを、無理やり意味があるものだとこじつけて解釈すること。

【故事(エピソード)】
 昔、楚(そ)の都の郢(えい)の人が、燕(えん)という国の大臣に手紙を出す際、灯火を持つ者に「挙燭(燭台を挙げよ)」と言ったものを、書記官が手紙に書いてしまった。
 手紙を受け取った大臣は、「挙燭」の「燭」を「賢人(=世の中を照らすということからの連想)」から、「賢人をよく挙用せよ」という意味で解釈し、結果的に燕がよく治まったという話から。

【例文】
・父親は息子に対し、「知り合いの子どもがテストで赤点を取った」という話をしたが、息子は郢書燕説し、「このままだと自分はダメだから勉強しろと言ってくれているんだ」と考え、勉強に励んだ結果、クラスで1番の成績となった。

このエピソードを見ていると、アンジャッシュさんの勘違いズレ漫才を思い出します。

顰みに倣う(ひそみにならう)

【意味】
優れた人の所業について、その本質を理解せずにただ形だけマネすること。
※「顰み」とは、「顔をしかめた様子」

【故事(エピソード)】
 西施(せいし)という絶世の美女が、胸を病んで顔をしかめている様子がとても美しかったので、それを醜女(しこめ)がマネしたが、あまりの醜さに逃げ出してしまったことから生まれた。

【例文】
・A君は賢いB君の顰みに倣って、大して勉強せずにテストに臨み、赤点ばかりを取ってしまった。
(B君は普通に良い点を取った。)

基本的にマネすることは良いことだと思いますが、このエピソードのように、マネすべきではないケースもあるようです。難しい…💦

隗より始めよ(かいよりはじめよ)

【意味】
①大きな目標を達成したい場合、まず手近なところから取りかかるべきということ。
②物事は、まず言い出した者からやり始めるべきということ。

【故事(エピソード)】
昔、燕という国の昭王(しょうおう)という王様が、優秀な人材を求めるために郭隗(かくかい)へ相談したところ、「始めにそこその才能を持つ私の待遇を良くすれば、私より才能のある人が集まってきます」と答え、実施したら実際に優秀な人材が集まったことから。

【例文】
隗より始めよを見習い、芥川賞受賞のためにまずは作品を書き上げることを目標にしよう。(①の意味)
・学園祭の出し物を提案したAさんは、隗より始めよということで、自身で計画や予算を考えた。(②の意味)

私は特に①の意味が好きです。結局、偉業を成し遂げる人は、地道にコツコツ努力していると思います✨

8 COMMENTS

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です