理想とする臣下（部下）のあり方とは？2つの条件

こんにちは。本日は、漢文における理想の臣下（部下）について紹介します。先に紹介した理想の君主と共に、是非抑えておきましょう！

理想の臣下の条件その①として、「私利私欲に走らず謙虚であり、国家や君主に忠実であること」が挙げられます。

そうですね。君主も臣下も、富や権力を持っているという点では同一なので、それに振り回され、自分勝手に振る舞ったり、調子に乗ったりしてしまう人は多いです💦

その通りです。また、贅沢するだけならまだましですが、臣下の場合は反乱を起こしたり、他国にそそのかされて裏切ったりすることがあります。

そういう事を行わず、自分の国のために尽くす臣下こそが、理想だとされます💡

「私利私欲に走らずに謙虚」という点では、晏子（あんし）が挙げられます💡

そうです！彼は、あの話の中でも活躍していましたが、それ以外でも多くの逸話を残しています。

例えば、晏子は斉の宰相（ナンバー2）として国に長い間尽くし、非常に功績がありました。しかし、必要以上の土地や褒賞を受け取らず、謙虚な態度をとり続けました。また、非常に質素で、30年以上同じ服を着ていたという逸話もあります。

中々できることではないですね。だからこそ「理想」として漢文の中でしばしば語られるのだと思います✨

なお、この理想とは逆の臣下であった人物として、郭開（かくかい）という人が挙げられます。

郭開は、戦国時代の趙に仕えていた宰相ですが、私利私欲に走り、また敵国の秦から賄賂をもらい、李牧（りぼく）や司馬尚（しばしょう）といった有能な人材を謀反人に仕立て上げました。

そうです。確か郭開も、キングダムに出てきていたような…

結局、趙が秦によって滅ぼされた後、郭開は売国奴として処刑されます。

ちなみに、郭開のような臣下を「佞臣（ねいしん）」「奸臣（かんしん）」と表現し、忠臣の対義語として用いられることがあります。

さらに、郭開のような臣下として、趙高（ちょうこう）・黄誥（こうこう）などが挙げられます。気になる場合、調べてみましょう。彼らも中々ひどいです笑

理想の臣下その②として、「優れた道徳・賢さで君主を導くこと」が挙げられます。

そうですね。①を満たしている人は、だいたい②も満たしたりしています。例えばさっき挙げた晏子はもちろん、管仲（かんちゅう）・孫叔敖（そんしゅくごう）・伍子胥（ごししょ）など、有名な臣下は、だいたいその道徳か賢さ（もしくは両方）でうまく君主をサポートしました。

そのあたりはあんまり気にせず、ざっくり「凄い人」くらいの認識で良いです。
漢文においては、彼らのような過去の有能が臣下の名前が手本として挙がるくらいで、彼らの細かい政策自体が語られることほぼありません。

ただし、どのような人物が理想なのか、という点は知っておきましょう。それが内容読解のヒントになることがあります。

どの人も面白いエピソードがあって魅力的ですよ！いつか紹介しますね✨

ちなみに『三国志』でいったら、荀彧（じゅんいく）、諸葛亮（しょかつりょう）、張昭（ちょうしょう）などが挙げられます💡

そうですね。諸葛亮も「私利私欲に走らず謙虚であり、国家や君主に忠実であること」と「優れた道徳・賢さで君主を導くこと」という2つの条件を満たしています。

あと荀彧は、自分の知っている優れた人材を推薦するという点でも「理想の君主」と言うことができます。この人に推薦された人は多いですが、その多くが活躍しました✨

漢文では、晏子・諸葛亮・荀彧のような臣下を理想とし、郭開のような臣下を下劣としています。理想の君主像と合わせて覚えておきましょう！