漢文の「故」の意味・読み方を解説 | ハナシマ先生の教えて!漢文。

漢文の「故」の意味・読み方を解説

【意味・読み方】
だから/読み方→ゆえニ
(前文の内容=根拠を受け、「故ニ」以下で主張を述べる)
理由/読み方→ゆえ

③古いor昔である/読み方→ふるシ
④わざわざor手間をかけて/読み方→ことさラニ
⑤以前からorはじめから/もとヨリ

ひとまず①②の意味は必ず抑えておきましょう!ちなみに、①②はやや固い言葉として現役で用いるので、日本語としても是非知っておくと良いです✨

見分け方としては、冒頭or「、」の後の「故」は、ほぼ確実に①「故ニ」だと判断して大丈夫です。
それ以外の場所に存在する「故」は読みがなで判断しましょう!

【慣用表現】
・故人(こじん)→古い友人
(漢文の故人=「故(ふる)キ人」であり、現代の「死者」という意味ではない!)
・是故(是ノ故ニ)→こういう訳で
・何故(何ノ故)→なぜなのか。

【例文】
①夫唯不争、無尤。
(夫れ唯だ争わず、故に尤(とが)無し。)『老子』
→(水は)そもそもひたすら争わない、だから非難を受けることがない。

②馬無、亡而入胡。
(馬 無くして、亡(に)げて胡に入る。)『淮南子』
→馬が理由もないのに逃げて胡(=北方)へ入ってしまった。

③温而知新、可以為師矣。
故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る、以って師と為るべし。)『論語』
昔の(事柄)をよく学んだ上で新たに気付(きうまく活用できれは)、先生となることができる。

④広数言欲亡。
(広 故(ことさら)に数(しばしば)亡げんと欲すと言う。)『史記』
→(呉)広は、わざわざ何度も逃げたいと伝えた。

⑤阿舒已二八、懶惰無匹。
(阿舒已に二八、懶惰(らんだ)なること故(もと)より匹(たぐい)無し。)「責子」
→阿舒は28歳になるというのに、怠け者であることは以前から比べる者がない程である。

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