努力する人・努力できない人を奮い立たせて励ます漢文の名言(受験・部活動・習い事)5選  | ハナシマ先生の教えて!漢文。

努力する人・努力できない人を奮い立たせて励ます漢文の名言(受験・部活動・習い事)5選 

ポイント

  • 1「為すこと有あらんとする者は、辟えば井を掘るがごとし(何かを成し遂げようとすることは、たとえば井戸を掘るようなものだ)」という名言は、努力を途中でやめてしまうことが、いかにもったいないかを教えてくれる。
  • 2「 女(なんじ)は画(かぎ)れり (あなたは自分に見切りをつけている)」『論語』という名言からは、途中で努力を止めてしまうことが、自分の可能性を閉ざしてしまうことを教えてくれる。
  • 世の中に失敗しない人間はおらず、失敗するのはむしろ当たり前である。従って、過去の苦い失敗や挫折を気にする必要はない。失敗しても自分のできる限り努力を続ければ、何かしらの形で成功することはできる。
  • 3「藍(あい)より青し」(『荀子』)や4「人一たび之を能くすれば己 之を百たびし、人十 之を能くすれば己 之を千たびす。」(『中庸』)では、コツコツ地道に頑張ることの大切さを教えてくれる。
  • 5「傷仲永(仲永を傷む)」(王安石)は、才能があっても努力しなければやがて凡人となることを述べ、才能があってもなくても努力すべきことを説く。

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こんにちは。本日は、「努力する人・努力できない人を奮い立たせて励ます名言(受験・部活動・習い事)5選」ということで紹介させていただきます💡

こんにちは。今日のテーマは、受験や部活、習い事、就活など、頑張る人全般に効きそうですね!

そうですね💡
頑張るのは中々難しく、頑張りを継続するのは相当難しいものです。そのような方を支えて応援する意味でも、是非知って欲しいです✨

1、中途半端な努力はもったいない!「為すこと有あらんとする者は、辟えば井を掘るがごとし」(『孟子』)

【現代語訳】
孟子が言うには、「何かを成し遂げようとすることは、たとえば井戸を掘るようなものだ。とても深いところまで掘り下げても泉を掘り当てるまででなければ、それは井戸掘り(=努力)を放棄したことと同様である。」と。

【原文】
孟子曰、有為者辟若掘井、堀井九軔而不及泉、猶為棄井也。

【書き下し】
為すこと有らんとする者は、辟(たと)えば井を掘るがごとし。 井を掘ること九軔(きゅうじん)なるも、泉に及ばざれば、猶お井を棄つると為すなり。
※九軔…約22メートルだが、ここでは特に「井戸がとても深いこと」の意味。

これは、それぞれ以下のようにたとえられています。
井戸を掘る=努力する
泉を掘り当てる=成功する
途中で泉を諦める=途中で努力を諦める

井戸見たことないけど、なんとなくニュアンスは伝わります💡
努力って中々続けるのが難しくて、成果もすぐ出ないから心が折れそうになりますが、これを見ると、途中でやめてしまうって本当にもったいないことなんだというのが分かります

そうですね。1度頑張ると決めたら、成果が出るまで頑張り通してみるのが大切ということですね。

2、自分の才能はとことんまで努力してみないと分からない! 「 女(なんじ)は画(かぎ)れり 」(『論語』)

注目

才能はとことんまで努力してみないと分からない! 「 女(なんじ)は画(かぎ)れり 」(『論語』雍也篇)

【現代語訳】

弟子の冉求(ぜんきゅう)が言った。「先生の説かれる道(=正しい生き方)に心をひかれないのではありません。ただ、私の力が足りず、実践することができません。」と。

すると、孔子がおっしゃった。力が足りないかどうかは、限界まで努力してみなければ、分かるものではない。本当に力が足りなければ中途で諦めるだけだ。おまえは(限界まで努力していないのに)自分の力に見切りをつけており、(それがいけない。)」と。

【本文】

冉求曰、「非不説子之道。力不足也。」子曰、「力不足者。中道而廃。今女画。」

【書き下し】

冉求曰く、「子の道を説(よろこ)ばざるに非ず。力足らざればなり。」と。子曰く、「力足らざる者は中道にして廃す。今女は画(かぎ)れり。」と。

私にはこのお弟子さんの気持ちが分かります。頑張っていても、自分を信じられなくなったり不安になったり、足が止まったりしてしまいます💦逆に孔子が厳しく見えます。限界まで努力するって難しいです!

確かに、孔子の発言は少し厳しいかもしれませんね。中々限界まで努力できる人はいません。

しかし、孔子が述べるように、立ち止まってしまうのは、自分の可能性を信じられないからであり、実際は自分が思っている以上に自分はできる人なのかもしれません

確かに、人って隙あらば「私なんてどうせ…」みたいな思考になりがちですが、よく考えてみると大した根拠がなかったりますね。

そうですね。また、「私は以前失敗したから無理!」みたいに、過去の失敗や挫折を根拠に立ち止まってしまう方も多いですが、これはとても勿体ないと思います。

どうしてですか?

世の中に失敗しない人間はおらず、失敗するのはむしろ当たり前だからです。人間はよく「過去に失敗したから次どうせ頑張ってもダメだ」と考えがちですが、冷静に考えるとこれはおかしいです。なぜなら、どんなに成功している人でも、失敗を積み重ねてきているからです。

確かに、将棋の羽生善治さんや野球のイチローさんなど、偉人のエピソードでも、沢山失敗したり挫折したりしながらそれでも進むことを止めないことが多いですね✨
でも一方で、失敗した経験がトラウマになって、自分の未来を悪い意味で縛ることも多いですね💦

挫折や失敗を経験してもう頑張れない人や立ち止まってしまう人の気持ちは痛いほど分かります。
しかし、挫折・失敗はほぼ全人類が体験していることですし、それでも進み続ければ、その先に成功や理想が待っていると思います。

失敗するのは当たり前!くらいの意識でいれば大丈夫かもしれませんね✨

そうです!
また、とことんまで頑張って、それでも自分が望んだ成功を収められないことはあると思います。しかし、その努力したものが思わぬ形で役立ち、人々から必要とされることもあります

例えば夏目漱石は、元々高校や大学の先生でしたが、少なくとも東大での講義は学生から不評だったようです。しかしその後、小説家として数々の有名な作品を世に送り出してきました。

漱石は、若い頃から漢文をよく読み、漢詩や俳句を作るのが好きでした。また、イギリスに留学し、イギリス文学を学んだ時期もありました。このような積み重ねが、小説家としての漱石を支えていたのでしょう。

夏目漱石って元々先生だったんですか!?「吾輩は猫である」「坊っちゃん」「こころ」を書いた小説家のイメージしかないです💦

自分がどんな形で成功するかまでは分からないけど、とことんまで努力をすれば、何かしらの形で「成功」することはできるってことですね✨なんだか、勇気が出てきました!

漱石が恐らく小説家として活躍することを想定していなかったように、皆さんも努力を積み重ねれば、たとえ自分が当初望んでいた形でなくとも、思わぬ形で活躍できるかもしれません。この2つに優劣はなく、どちらも素敵だと思います✨

3、才能がなくともコツコツ努力すれば、大きく成長できる!「藍(あい)より青し」(『荀子』)

注目

才能がなくともコツコツ努力すれば、大きく成長できる!「藍(あい)より青し」(『荀子』勧学篇)

【現代語訳】

立派な人物が述べるには、「学びとは、継続することが大切である。」と。青の染料は、藍(あい)の草から作るが、その色は元の草よりも青い。氷は水から形成されるが、その冷たさは、元の水よりも冷たい。(これと同じように、元々才能がない人も努力を継続させていけば、別人かと思うほど成長することができるのだ。)

【本文】

君子曰、「学不可以已。」青取之於藍、而青於藍、氷水為之、而寒於水。

【書き下し】

君子曰く、「学は以て已むべからず。」と。青は之を藍に取りて、而れども藍よりも青く、冰(こおり)は水之を為して、而れども水よりも寒(つめた)し。

内容の前に、藍の草ってどんなやつですか?

下の写真の植物です。なお、これを加工すると下の画像にあるような染料になります💡

えぇ…緑が青になってる💦これすごいですね💡

これと同じように、人間も努力を続ければ、別人のように成長することができるということですね✨

画像を見るとすぐにたとえの意味が分かりました笑!

それを踏まえてですが、この言葉は、1の「習い性と為る」と似た部分がありますね。結局人間って、コツコツ地道に頑張るのが一番なんでしょうね💡

そうだと思います✨ただ、理解するのは簡単ですが、実践するのはとても難しいので、気合や根性だけでなく、「どうすれば努力を継続できるか?」を自分なりに考えて実践していくと良いと思います

先生は何か工夫したりしてるんですか?

私は勉強時間と内容を毎日記録しています。

たったそれだけですか?

だいたいそうです。ノルマなどはあえてざっくりとしか課してないですね。あまり厳しいと続かないので笑
節約の方法として家計簿をつけることがあるように、勉強時間を記録すれば、それだけである程度気が引き締まり、自然と勉強するようになってきますよ💡

なるほど💡

まぁこれは人によって合う合わないがあるので、様々な方法にチャレンジして、一番しっくりくるものを実践すればよいと思いますよ!それに、2で言ったように、失敗しない人はいないので、たとえ頑張れない日があっても、長い目で見て前に進めていればOKだと思います

絶対目標を達成する!っていう自分への過度な厳しさは、ないほうがよいってことですね!

そうですね。自分に厳しくなさ過ぎると、それはそれでダメですが笑。厳しさと緩やかさのバランスが大事ですね✨

4、諦めず他者より繰り返し努力すれば優れた人間になれる! 人一たび之を能くすれば己 之を百たびし、人十 之を能くすれば己 之を千たびす。(『中庸』)

あと、「藍より青し」に似たものとして、以下のような言葉もあります。

【現代語訳】

他人が一回行うのであれば、自分は百回行い、他人が十回行うのであれば、自分は千回行う。そして、道(の実践)に努力すれば、愚かな者といえども必ず賢明になり、意志が弱い者も必ず意志が強い者になる。(『中庸』)

【原文】

人一能之、己百之。人十能之、己千之。果能此道矣、雖愚必明、雖柔必強。

【書き下し】

人一たび之を能くすれば己 之を百たびし、人十たび之を能くすれば己 之を千たびす。果たして此の道を能くせば、愚と雖も必ず明らかに、柔と雖も必ず強なり。

※「道」は、「人間としての理想の生き方」だが、受験勉強や部活動など、様々な「道」に置き換えて捉えることもできる。

やっぱり、地道な努力が大切なんですよね。身が引き締まります!

5、才能があっても努力しなければやがて凡人となる 傷仲永(仲永を傷む)/王安石

注目

才能があっても磨かなければやがて凡人となる 傷仲永(仲永を傷む)/王安石

【現代語訳】

金谿(きんけい)の方仲永(ほうちゅうえい)は、農業に従事していた。仲永が生れて五年(経つが)、(筆や墨などの)書具をまだ知らなかった。(つまり、勉強する機会を得られなかった)。(仲永は)突然泣いて書具を求めた。父は(これを)珍しく思い、近所から(書具を)借りて仲永に与えた。(仲永は教えてもいないのに)すぐに詩四句を書き、さらに自分の名を書いた。その詩は、「父母を養い、親族と仲睦まじくありたい。」という趣旨であった。ある郷里の秀才(=科挙の受験者)に話を伝え、この詩を見てもらった。この時から、(仲永が)物を指して詩を作ると、あっという間に出来上がり、その文章の内容は、全体的に優れていた。町の人々は、これは凄いと思い、次第にその父を賓客とし(てもてなし)、あるいは金銭を払って(仲永に詩作を)頼んだ。父は、そうした状況を稼ぐチャンスと思い、日々仲永をひき連れて住人へ見せて回り、(もてなしや金銭をもらい)、(彼を)学習させなかった。

私(=王安石)は、明道(=1032~1033年)の間に、亡父に従って家に帰り、叔父の家で仲永を見た際、年齢は12、3であった。詩を作らせると(そのできは)以前の評判ほどではなかった。またその7年後に、揚州より帰り、また叔父の家に到って彼のことを質問した。「(かつての才能も)失われてしまい、(すっかり)凡人ですよ。」と。私が言うには、「仲永の(幼少時の)聡明さは天から受けた(もの)だった。その天性を受けた人の素質は、それなりに才能がある人よりも遥かに優れていた。(にも関わらず)最終的に凡人となってしまったのは、(天より)人が受けた性質を(磨き)完成させなかった為である。

仲永は、このように先天的な才能が優れていた。(しかし)後天的に努力をしなかったため、凡人となった。今考えるに、先天的な才能のない人間は、はじめから凡人である。さらに後天的に努力をしなければ、単なる凡人にしかなり得ない。」と。(だからこそ、才能があっても、才能がなくても努力すべきなのだ)

【本文】

金溪民方仲永、世隸耕。仲永生五年、未嘗識書具、忽啼求之。父異焉。借旁近與之、即書詩四句、並自為其名。其詩以養父母収族為意、伝一郷秀才観之。自是指物作詩立就、其文理皆有可観者。邑人奇之、稍稍賓客其父、或以錢幣乞之。父利其然也、日扳仲永環謁於邑人、不使学。

予聞之也久、明道中、従先人還家、於舅家見之、十二三矣。令作詩、不能称前時之聞。又七年、還自揚州、復到舅家問焉。曰、「泯然衆人矣。」王子曰、「仲永之通悟、受之天也。其受之天也、賢於人材遠矣。卒之為衆人、則其受於人者不至也。

彼其受之天也、如此其賢也。不受之人、且為衆人。今夫不受之天、固衆人、又不受之人、得為衆人而已邪。」

【書き下し】

金谿(きんけい)の民 方仲永(ほうちゅうえい)、世に耕に隷(したが)う。仲永生れて五年、未だ嘗て書具を識らず、忽ち啼きて之を求む。父異とす。旁近より借りて之に与うるに、即ち詩四句を書き、并びに自ら其の名を為す。其の詩 父母を養い族を収むるを以て意と為す。一郷の秀才に伝えて之を観しむ。是より物を指すに詩を作れば立(たちどころ)に就(な)る。其の文理 皆観るべき者有り。邑人 之を奇とし、稍稍に其の父を賓客とし、或いは銭幣を以って之を乞う。父 其の然るを利とするや、日に仲永を扳(ひ)きて邑人に環謁し、学ばしめず。

予 之を聞きて久し。明道中、先人に従い家に還り、舅家に於て之に見ゆるに、十二三なり。詩を作らしむに、前時の聞に称う能わず。又七年、揚州より還り、復た舅家に到り問う。曰く、「泯然として衆人なり。」と。王子曰く、「仲永の通悟は、之を天に受くるなり。其の之を天に受くるや、材人に賢(まさ)ること遠し。卒(つい)に之 衆人と為るは、則ち其れ人に受くる者至らざればなり。

彼 其れ之を天に受くるや、此のごとく其れ賢なり。之を人に受けざれば、且つ衆人と為る。今其れ之を天に受けず、固より衆人なり。又た之を人に受けず、衆人為るを得るのみならんや。」と。

【注釈】

受之(於)天…天より受けるもの。すなわち「先天的な才能」を指す。 受之(於)人…人より受けるもの。すなわち「後天的な努力」を指す。

昔の話だけど、なんだか生々しいなぁ…今の日本でも方仲永みたいに、せっかく才能があっても腐らす人っていますよね?

けっこういると思いますよ💦普段、学生と接していても、なまじ才能がある人ほど大して努力しない傾向は確かにあります。とても勿体ないと思います。。。方仲永の場合は、両親に問題があったのかもしれませんが💦

真剣にならなくともそれなりにできてしまう人は、このエピソードを読んで、身を引き締めたほうがよいですね!

そうですね。また、才能がなくて中々結果が出ない人は、必要以上に才能がある人を羨まないでよいと思います。結局、才能があっても努力しなければ凡人になってしまうのですから。むしろ、才能がないと努力しやすくてよいのでは?

才能がないほうがよいはポジディブ過ぎですね笑
しかし、長い目で見れば、才能より地道な努力が大切ってことは良く分かりました!なんだかやる気がでてきました!

以上、 「頑張る人・頑張れない人を奮い立たせて励ます漢文の言葉・名言」 ということで、4つ紹介してきましたが、いかがでしたか?

どの言葉も納得できたし、なんだか前向きに頑張れそうです。ありがとうございました!

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