漢詩の作品 一覧 有名な作品から隠れた名作まで | ハナシマ先生の教えて!漢文。

漢詩の作品 一覧 有名な作品から隠れた名作まで

こんにちは。このページでは、これまで本サイトで紹介した有名な漢詩について、友情・恋愛・自然・四季・戦争など、ジャンル毎に分けて紹介しています。(随時更新します。)

1、友情に関係する漢詩

黄鶴楼送孟浩然之広陵(黄鶴楼(こうかくろう)にて孟浩然(もうこうねん)の広陵(こうりょう)に之(ゆ)くを送る)/李白→尊敬する友人が舟に乗って旅立つのを、寂しそうに見送る作品

贈孟浩然(孟浩然に贈る)/李白→孟浩然への強い尊敬の念を伝える作品

贈范曄(范曄に贈る)/陸凱→遠くにいる友人に梅の花で春の訪れを知らせる粋な作品

酌酒与裴迪(酒を酌(く)んで裴迪(はいてき)に与(あた)う)/王維→試験に受からない友人を優しく励ます

送元二使安西(元二が安西に使するを送る)/王維→新天地での友人を心配する

送秘書晃監還日本国(秘書晃監の日本国に還るを送る)/王維→海を渡って帰国する友人を心配する。

送別/王維→夢破れて去る友人に粋なエールを贈る

春日憶李白(春日 李白を憶(おも)う)/杜甫→遠く離れた友人を褒めちぎる。李白と杜甫の友情

魯郡東石門送杜二甫(魯郡の東の石門で杜二甫を見送る)/李白→明るい雰囲気が漂う別れの漢詩。李白と杜甫の友情。

送王永(王永を送る)/劉商→共に遊ぶ人がいないことと主張して別れの寂しさを描く

勧酒(酒を勧む)/于武陵→「人生には別れが付きもの」という表現で別れの寂しさや名残惜しさを表す

対月憶元九(月に対して元九を憶う)/白居易→月を通じて遠くにいる親友を想う

2、恋愛に関係する漢詩

子衿(しきん)/『詩経』→女の子の初々しい恋心をうたう

撃鼓(げきこ)/『詩経』→兵士の妻を想って嘆き悲しむ

有女同車(ゆうじょどうしゃ)/『詩経』→男の年上女性への恋慕をうたう

静女(せいじょ)/『詩経』→こっそり逢い引きする男女を描く

氓(ぼう)/『詩経』→浮気性で甲斐性もない男と結婚してしまった女性の嘆きをうたう

月夜(げつや)/杜甫→離れ離れの妻を想う

無題/李商隠→周りから反対されている恋愛模様を描く

寄李億員外(李億員外に寄す)/魚玄機→捨てられた男に送る

情書寄李子安(情書 李子安に寄す)/魚玄機→遠方の愛する人への想いをつづる

閨怨(けいえん)/魚玄機→自分を捨てた男がいつかは帰ってくることを淡く望む

売残牡丹/魚玄機→自身を売れ残った美しい花にたとえる 

代人悼亡(人に代わりて悼亡す)/魚玄機→妻に先立たれた夫の想いを述べる 

3、自然に関係する漢詩

月下独酌(げっかどくしゃく)/李白→春の夜に独りで酒を飲んで楽しむ

静夜思(せいやし)/李白→故郷を想ってうたう

望月懐郷(月を望みて郷を懐う)/阿倍仲麻呂→故郷の奈良を想ってうたう

望月懐遠(月に望みて遠きを懐う)/張九齢→遠距離恋愛する女の気持ちをうたう

梅花落(ばいからく)/鮑照→いかに梅の木が優れているのかをうたう

梅花(ばいか)/王安石→寒い中咲いている白い梅の花を香りという面からうたう

月夜見梅花(月夜に梅花を見る)/菅原道真→梅の白い花を星にたとえ、月と対比して美しさをうたう

詠桃(ようとう)/沈約(しんやく)→桃の花が咲く春に、出張先の夫を想って苦しくなる心情をうたう。

山中問答/李白→山の中に住む李白が、自身の憧れる理想郷への心情を述べる。

白牡丹/白居易→名誉はあるが中身がない役職に就く自分を白い牡丹にたとえて皮肉っている。

春夜宴桃李園序(春夜桃李の園に宴するの序)/李白→李白が一族で春の夜に桃の花見をしている様子をうたう。

識天意(天意を識る)/西郷隆盛→梅や楓の木をたとえとして、「困難を乗り越えた先には大きな成果が待っている」ことを伝え、親族にエールを送る

春暁(しゅんぎょう)/孟浩然→春の陽気で過ごしやすい朝の様子をうたう

春望/杜甫→国家と自身の辛い境遇を嘆く

春夜(しゅんや)/蘇軾→春の夜の素晴らしさをうたう

夏夜追涼(夏の夜に涼を追う)/楊万里→暑い夏の夜に、風以外の涼しさを風流にうたう

夏日題悟空上人院(夏日、悟空上人の院に題す)/杜荀鶴→酷暑を精神統一で乗り越えようとする様をうたう

秋日/こう→秋ならではのもの悲しさや寂しさをうたう

感秋 其五(秋に感ず 其五)/楊万里→秋は読書や飲酒・行楽にふさわしいことをうたう

除夜作(除夜の作)/高適→大晦日の孤独をうたう

ろうげつどっきょう/菅原道真過ぎゆく年への焦燥感・反省と春が到来する嬉しさをうたう

春夜喜雨(春夜 雨を喜ぶ)/杜甫→恵みの雨に感謝する

微雨(微かなる雨)/僧皎然→雨を視覚と聴覚で味わう 

夜雨寄北(夜雨 北に寄す)/李商隠→秋夜の雨の中 妻へ想いを寄せる

竹里館/王維→竹林に囲まれた別荘で1人の時間を伸び伸びと楽しむ

鹿柴/王維→山の夕方の鮮やかさを美しく表現する

4、政治・戦争に関係する漢詩

七哀詩/王粲→三国志の血なまぐさい側面をえがく

石濠吏(せきごうり)/杜甫→戦争に際する民衆への横暴を生々しく描く

兵車行/杜甫→兵士とその家族の生々しい嘆きを記録する

子夜呉歌 秋/李白→戦争に行った夫を想う妻の心情を描写する

新豊折臂翁(新豊の臂を折りし翁)/白居易→徴兵されないために腕を折った老人の話

ばいたんおう 苦宮市也(ばいたんおう 宮市に苦しむなり)/白居易→役人の横暴と民衆の苦しみをリアルに描写する

5、家族に関係する漢詩

蓼莪(りくが)/『詩経』→両親に先立たれた悲しみをうたう

遊子吟/孟郊→息子が母親の愛情をうたう

常棣(じょうてい)/『詩経』→本当に大切な関係は友だちより兄弟であることをうたう

責子(子を責む)/陶淵明→不勉強な自分の子どもにあきれる

小児/蘇軾→自分の妻と子どもから学ぶ

離思 其四(離れたる思い 其の四)/元稹→先立たれた妻を想う 

6、無常・隠逸・辞世に関係する漢詩

帰去来辞(ききょらいのじ)/陶淵明→束縛の多い役所勤め(彭沢県令)を辞めて故郷に帰る際、その心境を綴ったもの。

桃花源記(とうかげんき)/陶淵明→漁師が世間と隔絶した理想郷に迷い込むストーリーを通じて、陶淵明が考える理想の社会形態を描く

始作鎮軍参軍経曲阿作(始めて鎮軍参軍と作(な)りて曲阿(きょくあ)を経しときに作る)/陶淵明→世俗にまみれて自由を失った自分を恥じる気持ちをうたう

雑詩 其一(ざっし そのいち)/陶淵明→今が1番若くて元気があることを述べる

将進酒(しょうしんしゅ)/李白→・人生はあっという間に終わってしまうから今を楽しむべきことをうたう

宣州謝朓楼餞別校書叔雲(宣州の謝朓楼にて校書叔雲を餞別す)/李白→李白が自身の不遇を美しく嘆く

曲江/杜甫→仕事がうまくいかずヤケクソになる

勧学文(学を勧むる文)/朱熹→学ぶ機会を先延ばしすべきではないことをうたう

詠慵(ようえい)/白居易→ひたすら面倒くさい気持ちをうたう。

香炉峰下新卜山居草堂初成偶題東壁五首(香炉(こうろ)(ほう)()、新たに山居を(ぼく)し、草堂初めて成る、(たまたま)東壁(とうへき)に題す五首)/白居易→左遷後の生活を楽しんでいる様子をうたう。

りんの歌/李白→李白の辞世の作

達哉白楽天行(達せるかな白楽天のうた/白居易→人生を振り返って自分を褒め称える。

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