漢文における「読めない」「意味が分からない」となりがちな漢字一覧 100コ(名詞以外篇・覚えれば得点力アップ!) | ハナシマ先生の教えて!漢文。

漢文における「読めない」「意味が分からない」となりがちな漢字一覧 100コ(名詞以外篇・覚えれば得点力アップ!)

こんにちは。ここでは、大学受験でよく意味や読み方を問われる漢字を一覧にして挙げています。これを抑えておくと、漢文の得点が安定するようになります💡

大学受験を控えて漢文対策を行いたい方は、毎日これを全文音読するようにしましょう。(30分ほどで終わります。)全て暗記することができれば、漢文を読んでいて分かる漢字が非常に増え、得点力アップが見込めます。

なお、本ページに関連して、以下のページで紹介している重要語26個も必ず抑えておきましょう💡

漢文の重要単語を抑えよう!一覧26コ(名詞篇)

また、漢文は文法や単語を覚えるだけでは解けないことも多いです。
以下のテクニック・知識も是非抑えておきましょう!

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注目

はじめに

・大学受験で重要な漢字を一覧にしてまとめています。

・読みと意味の両方を必ず抑えましょう。

・意味を覚える際には、現代で用いられている熟語と絡めたり、漢字のイメージを軸にすると定着しやすいです。

これだけは抑えるべし!重要語 1~25

1、相(あ)イ→お互いにor共に 

相(しょう)=大臣or宰相の意味もあり。

2、勝(あ)グ→全て取り上げる

「不可勝~(勝ゲテ~すべカラず)」で「~しきれないほど多い」の意味。

この場合の「勝(あ)グ」は、「取り上げる」に限定せず、「後ろに来る動作がしきれない」という意味となる。

3、敢(あ)ヘテor肯(あ)ヘテ→わざわざ

「敢」については、3種類の用法を抑えるべし!

①不敢~(敢ヘテ~ず)=わざわざ~しない。

②不敢不~(敢ヘテ~ずンバアラず)=どうしても~しない訳にはいかない。

③敢不~(敢ヘテ~セザランヤ)=あえて~しないことがあるだろうか。いや~する。(反語)

「肯(がへん)ズ=承知する」の用法も抑えるべし!

4、中(あ)ツ。→①(的や予想が)当たる。「的中=的ニ中ツ」の「中」

②(毒や酒に)あたって健康を損なう。「中毒=毒ニ中ル」の「毒」③「傷付ける」。「中傷=中(あ)テテ傷(そこな)ウ」の「中」の意味もあり。

5、能(あた)ウ→(~することが)できる。。「能力=能(あた)ウ力」の「能」

6、豈(あ)ニ→①どうして~か。(疑問)②どうして~か。いや~ない。(反語)

文末の送り仮名が「ヤ」なら①の意味、「ンヤ」なら②の意味。

7、過(あやま)ツor過(あやま)チ→「過失=過(あやま)チ+失(敗)」の「過」

「過グ(過ぎるor越える)」の意味もあり!

8、道(い)ウor謂(い)ウor曰(い)ウor云(い)ウ→言うor伝える

「道」には②「正しい生き方(「人道」の「道」)」、③「みちびク(導くの代字)」の意味もあり。

9、(~と)雖(いえど)モ→~ではあるが

「1円といえども、大切にしなければならない」のように、日本語としても現役。

10、何如or何若or何奈(いかん)→どうであるか。

「如何or若何or奈何」のように「何」が後ろに来ても「いかん」と読む。

また「如何or若何」の場合は「いかんセン(どうすべきか。いやどうしようもない。)」のような反語の用法も存在する。

「奈汝何(汝ヲ奈何セン)」のように、目的語がある場合は、間に挟むので注意。

11、未(いま)ダ~ず→まだ~していない。(再読文字)

12、苟(いやしく)モ→もしもor仮にも

13、幾or幾何(いくばく)→どれくらい

「幾」は「幾(ほとん)ド」という用法もあり。

14、些(いささ)カ→ほんの少し。「些細=些(いささ)カ+細(ささ)ヤカ」の「些」

15、徒(いたずら)ニ→①無駄に ②むなしく。「徒労=徒(いたずら)ニ労(ろう)ス」の「徒」

16、孰(いず)レカ→どちらが~だろうか。(疑問)

17、安(いずく)ンゾor悪(いずく)ンゾor焉(いずく)ンゾ~(や)→①どうして~か(疑問) ②どうして~だろうか。いや~ない。(反語)

18、安(いずく)ニカor悪(いずく)ニカor焉(いずく)ニカ~(や)→①どこに~か(疑問) ②どこに~だろうか。いやどこにも~ない。(反語)

19、所謂(いわゆる)→世間一般で言う所の

「先生がいつも生徒にきつく接しているのは、いわゆる(=所謂)パワハラだ」のように、現代日本語としても用いられている。

20、A況(いわ)ンヤB→BはなおさらAである。

21、愈or逾(いよいよ)→ますます

「愈or逾」の「兪」には「変換する」というイメージがあり、「ますます」=「内容が転換する」という意味を持つようになった。なお、「治癒」の「癒」が「病気の状態が変換する」、「比喩」の「喩」が「何かを分かってもらうために別の何かに変換して説明する」を表すのと通じる。

22、得(う)→①手に入れる、②~することができる

23、以為(おもえらく)→思うor判断する

元々「以テ~ト為ス)」と読まれていたが、この「為す」が「思うor判断する」の意味を示すため、「以為(おもえらく)」と熟して読まれるようになった。

24、凡(およ)ソ→全て

漢文における「凡(およ)ソ」=「だいたい」という意味ではないのに注意!

25、乎→①乎(かorや)→~だろうか(疑問or反語) ②乎(かな)=~だなぁ(詠嘆) ③乎(や)→~よ(呼びかけ)

文末だと①②③、文中だと於(置き字)と同じ用法が存在する。

注目

これだけは抑えるべし!重要語 26~50

26、耶or邪(かorや)→①~だろうか(疑問or反語)

 

「邪」には「②よこしま」の意味もあり。

27、哉(かな)→①~だなぁ(詠嘆) ②哉(かorや)→~か(疑問or反語)

28、如レ此or如レ是or若レ是or若レ是(かクノごとシ)→このようである

「此(かク)」「是(かク)」は「此(これ)」「是(これ)」という読みではないので注意!

29、且(か)ツ→その上orしかも

「且」には「②且(まさ)ニ~セントス」(再読文字)という意味もあるので注意!

30、嘗(かつ)テ→以前に

「未嘗(未ダ嘗テ~ズ)」=「今まで一度も~したことがない」という形でよく登場する。

31、易(か)ウ→変える。「貿易=(か)う+易(か)う」の「易」

「易」には②「易(やす)シ(平易=平ラカニシテ易(やす)シ)」の「易」の意味もあり。

32、蓋(けだ)シ→恐らく

33、希(こいねが)ウ→希望する。

34、冀(こいねが)ハクハ→①どうか~して下さい。②どうか~させて下さい。

35、請(こ)ウ→①~して欲しい ②~したい

36、於レ是(ここニおいテ)→そこでorこういう訳でor従って

意味に幅があるが、いずれも「話の進展を示す」点に注目すべし。

「是」は「これ」ではなく「ここ」と読むので注意!

37、是(ここ)ヲ以(もっ)テ→従って

「以レ是(こレヲもっテ)」は「これを用いて」「これを理由に」であり、ややこしいので注意!

「以レ是」の「レ」点と是「レ」ヲ以テの「レ」が共通していると紐付けて覚えよう!

38、対(こた)ウ→答える。「応対=応ジテ対エル」の「対」

39、悉or尽(ことごと)ク→全て

「悉」は「悉達多(ブッダの漢字表記)」に用いられる。「悉達多=悉く達すること多し」であり、ブッダにぴったりの漢字となっている。

40、辞(じ)ス→①辞める。「辞退=辞シテ退ス」の「辞」 ②別れを告げる。「辞世=世ヲ辞ス」の「辞」

41、①然ラバ→それならば ②然ルニor然レドモ→しかし ③然(しか)リ→そうであるorその通りである

42、数or屡(しばしば)→しばしば

43、謝(しゃ)ス→①断る。「謝絶=謝(しゃ)シテ絶ツ」の「謝」 ②謝る。「謝罪=罪ヲ謝ス」の「謝」。③礼を述べる。

一語だと③のみをイメージしやすいが、①②の意味も漢文ではよく用いられるので注意!

44、寡(すくな)シ→少ない。「寡黙=(言葉が)寡(すくな)ク黙ナリ」の「寡」

45、須(すべか)ラク~ベシ→~する必要がある。(再読文字)

46、已(すで)ニ→すでに。「已然(已ニ然リ)」の「已」

②已(や)ム、③已(のみ)の用法にも注意!

47、乃(すなわ)チ→①そこで ②しかし(逆接) ③意外にも ④そこでようやく

話の進展を示して一呼吸置くイメージ。進展は順接だけでなく逆接のパターンもある。

48、則(すなわ)チ→①(「~レバ」に続いて)~ならば ②~はor~の場合は ③そこで

①の意味が頻出。「~ならば」でどうしても違和感を覚える場合は、②③の意味を当てはめてみると良い。

49、即(すなわ)チ→①すぐに。「即興(即チ興ス)」の「即」。 ②つまり ③~ならば ④そのたびごとに

まずは①の意味で解釈し、違和感を覚える場合は②③④と当てはめていくと良い。

50、抑(そもそも)→さてorところで

話を転換する時、文頭で使う。

注目

これだけは抑えるべし!重要語 51~75

51、其(そ)レor夫(そ)レ→さてorそもそも

50と同じく話を転換する時、文頭で使う。

「夫(か)ノ」「其(そ)ノ」=このorそのという意味もあるので注意!

「夫」は文末にくると「かな(~だなあ)」という意味となる。

52、直(ただ)チニ→すぐに。「直後=直(す)グ後ニ」の「直」

53、忽(たちま)チ→あっという間に。「忽然=忽(たちま)チ然リ」の「忽」

54、縦(たと)イ~トモ→もしorたとえ~でも

73「縦(ほしいまま)ニス=勝手にする」の意味もあるので注意!

55、但(た)ダor唯(た)ダ→ただ~だけ(限定)

「唯(た)ダ=どうか~して下さい(願望)」の意味もあり。

56、偶(たまたま)or適(たまたま)→たまたま。「偶然=偶(たまたま)然リ」の「偶」

57、足(た)ル→~できるor~する意味がある

58、事(つか)ウ→仕える。

事=①仕事 ②出来事 事トス=実行する という意味も抑えるべし。

59、毎(つね)ニ→いつも 「毎度=毎(つね)ノ度ニ」の「毎」

「~毎(ごと)ニ」のように返読する場合もあり。

60、遂(つい)ニor卒(つい)ニor終(つい)ニ→とうとう

話のオチを表す言葉。

「遂」=「遂グ」、「卒」=「兵卒」「卒(にわ)カニ」の用法もあるので注意!

61、具(つぶさ)ニ→詳しく。「具体=具(つぶさ)ニ体(=中身)アリ」の「具」

62、A与(と)B→①AとB(並列を表す)

②「与(あた)ウ」 ③「与(とも)ニ」 ④「~ノ与(ため)ニ」も併せて覚えよう。

①②③④どれも「二者間」という共通の意味が存在している。

63、称(とな)ウ→述べる。

②称ス=呼ぶ ③称(たた)フ=褒める という意味も抑えるべし。

64、倶(とも)ニ→一緒に 「不倶戴天=倶ニ天ヲ戴カズ」の「倶」

65、勿(なか)レ→~するな(禁止)。勿忘草(わすれなぐさ)=「忘ルル勿カル草」の「勿」

勿忘草の名前はドイツの昔話が由来。ある時、騎士と恋人がデートしていた時、恋人が川辺の花を欲しがり、騎士が取りに行った。しかし騎士は急流に流されそうになる。諦めた騎士は「私を忘れないで」と言って流されてしまった。その花が勿忘草の花であったことから、「私を忘れないで」という意味を持つ「勿忘草」となった。

66、為(な)ス→①~するor~だとみなす

②「為(ら)ル=~られる(受身)」

③「為(た)リ=~である(断定)」

④「為(ため)ニ=~のために」

⑤「為(な)ル=~となる」の意味も抑えるべし!

67、莫(な)シ→~無い。 「莫大(大ナルハ莫シ)」の「莫」

68、猶(な)ホor由(な)ホ~ごとシ→あたかも~のようだ。(再読文字)

69、何(なん)ゾ~ヤorンヤ→①どうして~か。(疑問)②どうして~か。いや~ない。(反語)

70、何(なに)ヲカ~ヤorンヤ→①なにを~か。(疑問)②なにを~か。いやなにも~ない。(反語)

71、盍or蓋(なん)ゾ~ざル→どうして~しないのか。いやすべきである。(反語・再読文字)

72、悪(にく)ム→嫌うor憎む。「憎悪=憎(にく)ム+悪(にく)ム」の「悪」

17の「悪(いずく)ンゾ」にも注意!

73、俄(にわか)ニor遽(にわか)ニ→急に。「俄然=俄(にわか)ニ然リ」の「俄」

74、①遺(のこ)ス→残す。「遺産=遺ス(財)産」の「遺」

②遺(おく)ルの用法もあり。

75、耳(のみ)or而已(のみ)or爾(のみ)→~だけ(限定)

文末に現れる。「爾」は「爾(なんじ)」の用法もあり。

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これだけは抑えるべし!重要語 76~100

76、私(ひそ)カニor窃(ひそ)カニor陰(ひそ)カニ→ひっそりと。「私語=私カニ語ラウ」の「私」、「窃盗=窃(ひそ)カニ盗ム」の「窃」、「陰謀=陰(ひそ)カニ謀ル」の「陰」

77、可(べ)シ→①~できる。②~してよい。(許可)③~すべきだ。④~だろう。(推量)

78、恣(ほしいまま)or縦(ほしいまま)or肆(ほしいまま)→勝手なさま。

79、欲ス→①~したい ②~であってほしい

現代語の「~が欲しい」という意味より、①②のほうが漢文ではよく用いられる。

80、殆(ほとん)ドor幾(ほとん)ド→ほとんど

81、亡(ほろ)ブ→滅ぶ。「滅亡=滅ブ+亡ブ」の「亡」

「亡くなる」ではないので注意!

82、将(まさ)ニor且(まさ)ニ~セントす→今にも~しようとする(再読文字)

83、当(まさ)ニ~べシ→当然~すべきだ(再読文字)

84、方(まさ)ニor正(まさ)ニ→ちょうどorまさしく

85、亦(ま)タor復(ま)タor又(ま)タ→~もまた

86、宜(むべ)ナリ→当然である。

「宜(よろ)シク~べし」の用法もあり。

87、寧(むし)ロ→むしろ

88、若(も)シor如(も)シ→①もし

②若(ごと)シor如(ごと)シ ③若(し)くor如(し)く の用法も重要!

89、固(もと)ヨリor故(もと)ヨリor素(もと)ヨリ→はじめから 

「固有=固(もと)ヨリ有ス」の「固」 「故郷=故(もと)ノ郷」の「故」 「素行=素(もと)ノ行イ」の「素」

90、以(もっ)テ→①(後ろに手段・方法が来て)~で ②(後ろに理由・条件が来て)~のためにor~によって ③(後ろに対象が来て)~を ④(後ろに時間が来て)~の時間に ⑤そして 

「以」は後ろに来る内容で判断すべき。「以」に返り点が付いていない場合は、⑤で解釈してOK。

91、見(まみ)ユ→会う。 「見参=見(まみ)エテ参ル」の「見」

92、之(ゆ)クor往(ゆ)ク→行く

「之(これ)」の用法もあるので注意!

93、故(ゆえ)ニ→①従って

②「故(もと)ヨリ」 ③故(ことさら)ニ の用法にも注意。

94、所以(ゆえん)→①理由 ②方法

95、自(よ)リor従(よ)リ→①~から

②「自(みずか)ラ」 ③「自(おのずか)ラ」の用法にも注意。

96、因(よ)リテ→そのため 「因習=因リテ習ウ」の「因」

97、宜(よろ)シク~べシ→~したほうがよい(再読文字)

98、少(わか)シ→若い

「少ない」の場合は「少(すく)ナシ」と送り仮名が「ナシ」となるので、そこで判別できる。

99、見(る)or被(る)or所(る)→~られる(受身)

100、使(し)ムor令(し)ムor教(し)ムor遣(し)ム→~させる(使役)

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