このページでは、「才能無い奴はいくら努力しても成功しない」という考え方について、私の意見を述べます。
このページをご覧になっている方は、もしかしたら努力できない自分を肯定したくて検索されているのでは?
努力するのは大変ですよね。
努力できない自分を正当化したいですよね。
諦めて楽になりたいですよね。
しかし心の底では、才能がなくても努力して成功したいと考えているのでは?
「才能無い奴はいくら努力しても成功しない」について、結論から述べると、私は正しくないと思います。才能が無くとも努力すれば成功できます。(というかそもそも、才能がない人はいないと思います。自分で気付いていないだけです。)
では、なぜ人は努力しても成功できないのか、漢文の名言を引用しながら説明します!
理由① 才能がない分、努力してしていなから 駑馬(どば)も十駕(じゅうが)すれば則ち亦た之に及ぶ
名馬は1日に何百キロも走るが、のろい馬でも10日間走れば名馬に追いつく
(ように、才能がない人でも努力すれば、才能がある人に追いつく。)
驥一日而千里、駑馬十駕、則亦及之矣。(『荀子』)
驥(き)は一日にして千里なるも、駑馬(どば)も十駕(じゅうが)すれば則ち亦た之に及ぶ。
ここでは、以下のようにたとえられています。
驥(名馬)=才能がある人
駑馬(のろい馬)=才能がない人
走る=努力する
つまり、この漢文は「才能がない人はない分、努力すれば追いつける」というシンプルな考え方です。
努力しても成果がでない方は、まずは自分の努力量を省みてみるのはどうでしょう?
「才能無い奴はいくら努力しても成功しない」とありますが、そもそも「いくら努力」とは具体的にどれくらいしたのでしょうか?結論を出すのは、才能がある人より10倍努力してからでも遅くはありません!
おまけ:努力して元から才能がある人と戦うのはコスパが悪い?
とはいっても、この考え方は(特に現代の人からすると)「コスパが悪い」と感じるかもしれません。
それで諦めるのも1つの生き方です。自分の分をわきまえて程々に生きるのも良いでしょう。
しかし、個人的には努力することをオススメします。
理由は、「本当の幸せとは、努力して才能がある人に勝つことによって得られるものではなく、努力した先で自分なりに得られるものだから」です。漢文にはこのような言葉があります。
苦しんだり楽しんだりして努力を重ね、その努力を突き詰めた後に得たものが真の幸福であり、その幸福は長続きする。
一苦一楽して、相磨練し、練極まりて福を成さば、その福始めて久し。(『菜根譚』)
では、「努力した先で自分なりに得られるもの」とは何でしょう?
具体的には、以下のようなものが挙げられます。
【「努力した先で自分なりに得られるもの」の具体例】
①努力する過程で出会った人間関係(友人・恋人etc…)
→あなたが本当に努力しているのであれば、何かしらの人間関係が広がっているはずです。
②自分で気付かなかった才能を開化できる
→世の中には、努力し続けてようやく開化する能力というものがあります。いわゆる「大器晩成」というものです。
→「玉 琢(みが)かざれば器を成さず。」あなたの才能は、磨いてはじめて分かるものかも?
③自分に対する自信
→努力しても、自分の望む結果が得られなくても、「努力できる自分」という事実は変わりません。
→努力というのは難しいものです。それが行える時点で、その人は素敵だと思います。結果だけでなく過程にも誇りを持ちましょう!
他人に勝つという結果以外の努力の成果が見出せると、努力は続くと思います✨
努力にコスパの悪さを感じている方は、柔軟に努力の成果について考えてみるのはいかがでしょう?
理由② 努力の工夫ができていないから 楽しむ工夫・習慣化の工夫・他者から学ぶ工夫
「才能無い奴はいくら努力しても成功しない」について、「いくら努力」の部分を、「いくら工夫しながら努力を続けても」と解釈するのであれば、この説は正しくないでしょう。
逆に言えば、充分な量の努力を重ねているのにも関わらず成功を収められていないのは、「努力の工夫ができていないから」かもしれません。
成功する確率の高い努力の方法を地道に続けていけば、なにかしらの成功は収められるはずです。逆に言えば、努力の分量だけでなく、努力の方法について工夫を凝らさなければ、成功はできないでしょう。
では有効な努力の方法とは何でしょう?以下に具体例を3つ挙げてみます。
①楽しく学ぶこと
→どれだけ頑張っても、その頑張ることがつまらないと思えば、上達率は低いでしょう。「好きこそものの上手なれ」という言葉があるということは、嫌々の努力は上手になる方法としては下策ということです。
→「友人と一緒に話し合ったり競い合ったりする」「好きなことや遊びと関連させる」「ご褒美を自分で用意する」などの工夫によって、楽しく努力しましょう!
楽しく学ぶことに関する漢文の名言
(物事を単に学んで)知っている(だけ)の人は、好きで(学んでいる)人に敵わないし、
好きで(学んでいる)人は、楽しみながら(学んでいる)人には敵わない。
知之者不如好之者、好之者不如楽之者。
之を知る者は、之を好む者に如かず。之を好む者は、之を楽しむ者に如かず。(『論語』雍也篇)
②習慣化すること
→1日で10時間や、1週間で何十時間努力した程度で出せる成果はたかが知れています。結局、長期的に地道に努力した人間のほうが成果は得られやすいです。
→習慣化するコツとしては、「努力したこと(少しでも可)を毎日記録すること」「努力する内容や時間を周りの人に宣言する」などが挙げられます。
習慣化することに関する漢文の名言
習慣が(その人の)性質となっていく。
習與性成。
習い、性と成る。(『書経』)
③他者から学ぶこと
→自分の殼に閉じこもるより、他者(特に努力して成果を上げている人)を観察し、取り組み方の工夫を学んでみましょう。
→現代はSNSや動画配信が発達しているので、学べるような人間が周りにいない場合は、それらを活用してみましょう!
他者から学ぶことに関する漢文の名言
三人で一緒に行動すれば、必ず自分の(学ぶべき)手本となる人がいるものである。
三人行、必有我師焉。
三人行えば、必ず我が師有り。(『論語』)
まとめ
以上、努力が報われない原因について、漢文の言葉を引用しながら私見を述べさせていただきました。
適切な分量と方法で地道に努力すれば、きっと成果は出ます。
ご覧いただいた方の尊い努力が、実を結ぶことを切に願っております✨