こんにちは。ここでは、書き下す際に気を付けるべきルールをまとめています。
丁寧に解説したものに、以下のページがあるので、そちらも合わせてどうぞ。
→漢文 返り点 練習問題 プリント
→書き下し① 返り点の基礎について解説(練習問題つき)
→書き下し② ひらがなにする漢字(助詞・助動詞)とスルーする漢字(置き字)を知ろう!
→書き下し③ 再読文字(さいどくもじ)をマスターしよう!その1(練習問題付き)
→書き下し④ 再読文字(さいどくもじ)をマスターしよう!その2(練習問題付き)
漢文 書き下し ルール
①返り点(一二点・上下点など)の順番に従い、送り仮名(漢字の左右下に書かれているカタカナ)を加えて読む。
②助詞と助動詞はひらがなに直す。(一覧は以下を参照)
③置き字は書き下しに含めず、スルーする。
④再読文字は2回読む。 (一覧は以下を参照)
①レ点
・付いている漢字の下から読むべきという記号。
・1字分のみ返る場合に用いる。
②一二(三四)点
・付いている漢字について、一→二→(三→四)の順番に読むべきという記号。文章の下部に「一」が来て「二(三四)」が上部に来る。
・レ点とは異なり、2字以上返る場合に用いる。
③上(中)下点
・付いている漢字について、上(→中)→下の順番に読むべきという記号。文章の下部に「上」が来て「(中)下」が上部に来る。
・一二(三四)点と同じく、2字以上返る場合、かつ既に一二(三四)点を用いている場合に用いる。
助詞
・之(の)=①「AのB」(Bという名詞を修飾する役割を果たす。「の」と訳す。)、②「AはBする」(主語の後にくる「之」。訳す必要はない)
・自/従/由(よリ)=動作や物事の起点を表す。「~から」「~からする」と訳す。
・与(と)=並列を表す。「A与B」のように登場する。
・耶/邪(や)=文末に登場する。①疑問or②反語の意味で訳す。文末に登場する。
・哉/乎=「かorや」の場合は①疑問or②反語、「かな」の場合は③詠嘆の意味で訳す。
・矣(かな)=詠嘆の意味で訳す。
※置き字としての「矣」の用法もあり。
・耳/而已/爾(のみ)=限定の意味(~だけである)と訳す。文末に登場する。
・者(は)=主語の強調をする役割。訳す必要なし。
※「者(もの)=人orもの」という用法もあり。
・也(かorや)=疑問or反語or詠嘆の意味で訳す。文末に登場する。
助動詞
・不/弗(ず)=打ち消し=「~しない」と訳す。
・見/被(らル)=受身=「~される」と訳す。
・使/令(しム)=使役=「~させる」と訳す。
・可(ベシ)=①可能(~できる)or②許可(~してよい)or③当然(~すべき)or④推量(~であろう)で訳す。
・若/如(ごとシ)=比況=「まるで~のようである」と訳す。
・也(なり)=断定=特に意識して訳する必要なし。文末に登場する。
※「見/被(らル)」や「使/令(しム)」は、送り仮名だけで表される場合もある。
①当or応(まさ)ニ~べシ
・1「(当然)~すべきである」「~しなければならない」(当然)
・2「~に違いない」「~のはずである」(断定)
※どちらも発言者の主張を述べている点で同一。
②須(すべか)ラク~べシ
・1「(当然)~すべきである」「~しなければならない」(当然)
・2「~に違いない」「~のはずである」(断定)
③宜(よろ)シク~ベシ
・「~したほうがよい」(適切or提案)の意味。
※「当or応」「須」よりソフトなイメージ。
④将・且(まさ)ニ~ントス
・1「~しようとする」「~するつもりだ」(意志)
・2「~になるだろう」(予測)
⑤未(いま)ダ~ず
「まだ~ない」(打ち消し)
⑥盍(なん)ゾ~ざル
「どうして~しないのか、いやすべきだ」(相手への強めの提案)⑦猶(な)ホ~ノorガごとシ
「まるで~のようである」「まるで~と同じだ」(比喩)