再読文字を一覧にして解説! 当(応)・須・宜・将(且)・未・盍・猶

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ポイント

  • 再読文字(さいどくもじ)とは、「再び読む文字」であり、2度読んで書き下さなければならない。まず右側を読んだ後、左側を読む。
  • 再読文字として、「当or応」「須」「宜」「将or且」「未」「盍」「猶」という漢字が存在する。
  • 「①当or応(まさニ~べシ)」と「②須(すべか)ラク~べシ」は、1「(当然)~すべきである」「~しなければならない」(当然)、2「~に違いない」「~のはずである」(断定)である。どちらも発言者の主張を述べている点で同一。
  • 「③宜(よろ)シク~べシ)」は、「~したほうがよい」(適切or提案)の意味。「当or応」「須」よりソフトなイメージ。(ただし、文脈によっては「~すべき」「~に違いない」など、強い主張を表すこともある。)
  • 「④将・且(まさ)ニ~ントス」は、1「~しようとする」「~するつもりだ」(意志)という意味か、2、「~になるだろう」(予測)の意味。
  • 「⑤未(いま)ダ~ず」は、「まだ~ない」(打ち消し)という意味。
  • 「⑥盍(なん)ゾ~ざル」は、「どうして~しないのか、いやすべきだ」(強めの提案)という意味。
  • 「⑦猶(な)オ~ノorガごとシ」は「まるで~のようである」「まるで~と同じだ」(比喩)という意味。

1、再読文字とは?

みなさんこんにちは。本日は、書き下しで注意する必要がある再読文字(さいどくもじ)について学んでいきましょう!

先生こんにちは。再読文字はある程度知っていますが、あやしいところもあるため、復習も兼ねて勉強したいと思います💡

再読文字は、書き下しだけでなく、意味も必ずしっかりと抑えておきましょう!試験で解釈させる問題が非常に出題されています✨

確かに模試や過去問でもよく見かける気がします。この際にしっかり固めておきます💡

まず「再読文字」とは、「再び読む文字」の意味であり、「1文字で2回読む文字」のことを指します。

送り仮名としては、下のように右側だけではなく、左側にも付きます。これは再読文字だけにしかない特殊仕様です。

これで「時に及びて、当に勉励(べんれい)すべし。」と読みます。まず返り点を無視して副詞として右側の送り仮名(ニ)と共に読んだ後、返ってきて助動詞として左側の送り仮名(シ)と共に読みます。

ちなみに意味は、「学ぶべき時を逃さず、しっかりと学ぶべきである。」という意味です。そして、「歳月人を待たず(時間は人を待ってくれない)」と続きます。

なるほど…てゆうか、内容が私に刺さりすぎて、再読文字の存在忘れちゃいます笑。学べる時には学んでおくべきですよね。

そうです。
まぁでも、人間は失ってはじめてその価値に気付くものなので、致し方無い部分はあります。学生時代、勉強が嫌いだった人でも、社会人になった後「もっとしっかり勉強しておけば…」と思うケースは多いですよ。

それでも、できる限り後悔はしたくないなぁ…

そもそも、なんで再読文字なんてものが生まれたんですか?

なんででしょうね笑。しかし少なくとも、漢文を日本語風に読もうとした際、このように読むと非常に便利でうまく解釈できたのは間違いないでしょう。

再読文字は、昔の日本人が作った発明の1つってことですね💡

そうですね。再読文字を含めた漢文訓読は、日本人が生み出した素晴らしい発明の1つだと思います✨

2、当然・断定の再読文字 ①当・応(まさ)ニ~べシ

再読文字についてある程度解説できた所で、具体的な話をしていきましょうか。再読文字は特殊なだけあって、そこまで数は多くありません。
その中でも第1に抑えておきたいのが、「 ①当・応(まさ)ニ~べシ 」です。

これはよく出てくるやつですよね?確か意味は、「~すべきである」です!

正解です!
「 ①当・応(まさ)ニ~べシ 」は当然の意味であり、具体的には、1「(当然)~すべきである」「~しなければならない」と訳します。

この用法は「当然(当に然るべし)」のように、「当然」という熟語にそのまま使われています。

「当然」の「当」って、再読文字だったんですね💦はじめて知りました。
確かに、日本語でも「当然そうすべき!」みたいに使うし、漢文とそんなに変わりませんね💡

その通りです。

また、「当然」の意味から2「~に違いない」「~のはずである」のような「推定or断定」の意味であることもあります。併せて抑えておきましょう!

これも違和感なく入っていきそうです💡「当然すべき」と「当然~に違いない」って、ニュアンスは異なっていても、本質的には似たこと言ってますし。

そうですね。1と2の本質は「決めつけ」です。良くも悪くも、書き手or発言者の価値観を読者・相手に主張or強要しているのが「①当・応(まさ)に~べし」です。

ちなみに「応当」のように、2つ続けて用いられることがありますが、普通に「まさに~べし」と読んで大丈夫です。

3、 当然・断定の再読文字  ②須(すべか)ラク~べシ

次に紹介するのが、「②須(すべか)ラク~べシ」です。これは①と同じ意味であり、 1「(当然)~すべきである」「~しなければならない」2「~に違いない」「~のはずである」 と訳します。

①と同じなら楽勝ですね♪

そうですね。一方、この「須」は「不」「何」と一緒に用いられることがありますが、その際には「須(もち)イズ」と読むので、注意しましょう。意味は一緒です。

なんでですか?💦

なぜでしょうね笑。私も良く分かりません…ひとまず、例文を挙げておきます。

・あなたはこれを心配する必要はない。(『三国志』鐘会伝)

・(ただでさえ悲しげな)羌族の笛なのに、どうして別れの楊柳曲を悲しげに吹く必要があるだろうか。(いやない。)(王之渙「涼州詩」)

1文目とか、「卿 須らく之を憂うべからず」って読んでもよさそうなのに…

それは置いておいて、「須」を「不」「何」と一緒に用いる際は、「~すべきである」より、「必要がある」のように訳したほうがしっくりくるみたいですね✨

ナナさん良い所に気付きますね。確かに、1つ目を「あなたはこれを心配しないべきだ」と訳すと、なんだか不自然な日本語になりますし笑

「心配しないべきだ」って、あんまり聞かない言い回しですね笑

また「応」も「すべからく」とも読むことがあり、「応須(応(すべか)らく~べし)」のようにセットで用いられることもあります。しかし、通常通り「~すべき」と訳せば大丈夫です。

「応」って、「まさに」と「すべからく」、どちらでも読めるんですね。ややこしい💦笑

まぁ意味は同じなので、そこまで細かく考えなくて大丈夫ですよ💡

ちなみに、現代日本語で「すべからく」というものが存在しており、「学生はすべからく(=皆)勉強すべき」のように、「皆or全員」の意味で使用されることが多いですが、本来は今回紹介したような「当然~すべき」の意味なので誤用です。

私、普通に「すべからく」を「みんな」の意味で使ったことあるかも笑

まぁ、この用法も割と市民権を得ているので、そのうち誤用ではなくなるかもしれませんね💡

4、適切の再読文字 ③宜(よろ)シク~べシ

次に「③宜(よろ)シク~べシ」を取り上げます。これは、1、「~したほうがよい」のように、適切さを表す再読文字です。

適切さって、これまで勉強した①「当or応」や②「須」の「~すべき」(当然)とは微妙に違うんですね💡

そうですね。③は①②の「当然」と比べ、やや主張が弱いです。「適切」や「提案」くらいのニュアンスです。

とはいっても、文脈によっては「~すべきである」(当然)、「~のはずである」(推定)の意味で取った方がよい場合もあるので、①②③の意味はある程度同一視してOKです✨

5、練習問題

以上、ひとまず3(4)つの再読文字を学んだので、練習問題を通じて知識を定着させましょう。またついでに、現代語訳の練習も行いましょう。

Q:以下の漢文について、書き下しをした上で現代語訳して下さい。

注釈

・赤兎=呂布が乗りこなした良馬。ここでは有能な部下のたとえ。

・呂布=三国時代の名将。ここでは、有能な上司のたとえ。

・理=ここでは「性質」を指す。

・窮悴=困難に陥った際

・節=節義。正しい道を歩むこと。

・霜霰=悪天候であることだが、ここでは特に「悪条件」のたとえ。

えっと…こんな感じでどうでしょう!
①赤兔 人の用いる無く、当に呂布の騎るを須(ま)つべし。
赤兎(のように有能な部下)は、(普通の)人が用いるのではなく、呂布(のような有能な上司)が乗るのを待つべきである
②所謂知識を有すとは、須く是れ物の理を知り窮めむることなるべし。
いわゆる「知識を持つ」ということは、物事の性質を徹底的に知ることに違いない。
③窮悴の節を知らんと欲せば、宜しく試みるに霜霰を以てすべし。
困難に陥った際の節義を知りたいのなら、悪条件を(出して)試してみるべきである。

①②③の書き下しは完璧です!現代語訳もうまく注釈を活用しつつできています。②を「推定」の「須」で解釈しているのはグッジョブです!

うまくできてよかったです✨でも、それぞれ何となくしか意味が分かりません笑

どれもけっこう意味深で分かりづらいですからね。少し補足します。
①は、「有能な人材とは、有能な上司でないとうまく使いこなせない」というニュアンスがあります。
②は、「知識とは、(表面的に知るだけでなく)あらゆる側面から深く知るべきである」というニュアンスがあります。
③は、「人間、苦しい時にその本性が見えてくる」というニュアンスがあります。

なるほど…全部格言っぽいですね。あと①③は物事をそれぞれ例えていて、難しいけど面白いです✨

良い所に気付きました。漢文は比喩表現を用いるのが大好きです。これに慣れておくと、非常に漢文が読みやすくなるので、これから徐々に慣れていきましょう!!

あと、①の「須」が「すべからく」じゃなくて「須(ま)つ」だったのびっくりしました💦

実は「須」には「待つ」という意味もありますが、だいたい出てくる時は送り仮名付いているので、気にしなくて大丈夫です!

6、意志・予測の再読文字 ④将・且(まさ)ニ~セントす

前半では、当然・推定・適切の意味を持つ再読文字である「当or応」「須」「宜」を学んだので、今回はそれ以外の再読文字を学びましょう✨

まずは「④将・且(まさ)ニ~セントす」です。1「~しようとする」「~するつもりだ」という意志を表す意味と、2、「~になるだろう」という予測の意味があります。

1は英語で言うところの「will」or「be going to~」と一緒の意味ですね💡

その通りです!1は、主語の意志を表します。一方2は、第三者の立場から予測する意味ですが、どちらも未来を予測する点で同一です

なるほど…「自分の未来を予測する」って、意志の意味と近いですもんね。
一見、1と2は関係無く見えるけど、やっぱり繋がっているんですね💡

そうですね。基本的に漢字の意味は意味の連想から派生していって複数生まれていくので、共通する意味orイメージがあることが多いです。これを掴めると、格段に日本語のセンスが上がり、恐らく国語全体の理解度も上がると思います。

日本語のセンスが上がるのは良いなぁ…✨頑張ります!この「将or且」は、ざっくり未来のことを表していると考えます!

なお、「将」には「将(は)タ~乎(や)」という用法もあり、その場合は1、「どうして~だろうか、いや~でない」(反語)と2、「AかBかどちらか?」(選択+疑問)という意味になります💡

「且」には、「且(しばら)く」=「少しの間」、「且(か)つ」=「依然として」「かつ」(並列)の意味もあります。

多い…💦ややこしいので、ひとまず頭の片隅に置いておく程度にします!笑

それで大丈夫です笑。再読文字の用法と比べたらそこまで受験にはでませんし、左側に送り仮名or返り点が付いていたら再読文字と判断してOKです。

7、否定の再読文字 ⑤未(いま)ダ~ず 

次に「⑤未(いま)ダ~ず」です。「まだ~ない」という打ち消しの意味です💡

これはシンプルで分かりやすいです✨

そうですね。この「未」は「未定(未だ定まらず)」「未完(未だ完からず)」「未熟(未だ熟せず)」のように、バリバリ現役で使われているので、覚えやすいと思います

いわれてみればそうですね✨全部こんな感じで日本語と繋げて覚えられたら楽なのに笑

それは先生の私もそう思います笑

なお、この「未」は「未ダ嘗(かつ)テ~ず」のように、「嘗」とセットで使われることが多く、「これまで一度も~ない」のように解釈するので、気を付けましょう!

この表現も日本語で現役ですね💡全部こんな感じだったら楽なのになぁ笑

8、強めの提案の再読文字 ⑥盍(なん)ゾ~ざル

次に取り上げる再読文字は、「⑥盍(なん)ゾ~ざル」です。「どうして~しないのか、いやすべきだ」という相手への強めの提案の意味を表します。

英語の「you should~」の強いバージョンって感じですね。

そんな感じです。一見「どうして~」のようにあって疑問と勘違いしがちですが、これは提案のニュアンスを強めるための表現です。注意しましょう!

ややこしい…なんでこんな回りくどい表現しているんですか?💦

この手の表現は、日本語でも良くありますよ。例えば、ナナさんが試験期間中にスマホをだらだら触っていて、ご両親に「どうして勉強しないの?」と言われたとしましょう。
この場合の「どうして勉強しないの?」は、単純に勉強しない理由を知りたいようなニュアンスと思います?それとも、勉強すべきという提案のニュアンスだと思います?

なんか、見てきたような具体例だからびっくりします…笑
これは完全に「勉強すべきという提案のニュアンス」ですね。というか、「勉強しろ!」ってゆう圧力ですね違いない笑

この具体例の「どうして」と、「盍ゾ~ざル」は一緒の用法です💡この日本語のイメージとセットで覚えると、定着しやすいかもです✨

なるほど…具体例が身近すぎて定着しやすそうです笑✨

なお、「盍」に似た漢字で「蓋」というものがありますが、「盍」と同じく「蓋(なん)ゾ~ざル」と読む場合もありますが、大半は「蓋(けだ)シ」=「恐らく」と読むので、併せて抑えておきましょう💡

9、比喩の再読文字 ⑦猶(な)オ~ノorガごとシ

最後に「⑦猶(な)オ~ノorガごとシ」です。「まるで~のようである」「まるで~と同じだ」のように、比喩の意味を表します。

英語だと「like(~のようである)」みたいな感じですね💡

そんな感じです✨ちなみに、「猶お+活用語(動詞や形容詞など)」の際は「ごとし」になり、「猶お+名詞」の場合は「ごとし」となります。

これは何となく分かります。「動くごとし」や「野球ごとし」ってなんか気持ち悪くて、「動くごとし」「野球ごとし」のほうがしっくりきます💡

その感覚でOKです!漢文も古文みたいに、活用や接続の知識が必要な場合がありますが、古文と比べると圧倒的に少ないですし、これに関する問題はあまり出ないので、そこまで神経質にならなくとも大丈夫です✨

それは助かります✨

10、練習問題

以上、4(5)つの再読文字を学んだので、練習問題で定着させましょう。
以下の漢文について、書き下した上で現代語訳してみましょう!

注釈

①智伯=人名。  仇由=国名。 ②至聖=この上なく誠実であること。 動=感動すること。

みなさんできましたか?正解はこんな感じです💡

① 知伯将に仇由を伐たんと、而(しかれ)ども道難く通らず。
智伯は 仇由 (という国)を伐とうとしていたが、(それまで)道のりを(通るのが)難しく、通ることができなかった

②至誠にして動かざる者は、未だ之(これ)有らざるなり。
この上なく誠実であり感動しない人間は、これまで存在したことがない。
(つまり、「誠意を込めれば誰でも感動するはず」という意味。)

③子蓋ぞ我が為に之を言わざる。
あなたは、どうして私のためにこれを言ってくれないのか。

④過ぎたるは猶お及ばざるがごとし。
過ぎている(状態)は、まるで不足している(状態)と同じである。
(一般的には「できすぎる」「ありすぎる」ことは良いとされるが、それが万能とは限らないとという意味。)

書き下しはできましたけど、現代語訳がけっこう難しいです💦
再読文字っていうか、補足が難しい💦

それは仕方ありません。だいたいで大丈夫ですよ!
特に①の「不通」を「通らない」ではなく、「通ることができなかった」のように可能の意味を付加するのは難しいですね💦

しかし、文脈に合わせて可能の意味を補足するのは、漢文あるあるなので、動詞を直訳してよく分からなかったら、可能の意味を足してみると良いでしょう💡

あと、②の「之」は、何か特定のものを指している訳ではなく、元々この位置に「至誠にして動かざる者」があったのを強調したいから前に持ってきて、その代わりに「之」を入れているだけなので、訳さなくて大丈夫です💡いわゆる「形式目的語」というやつですね。

えっと…つまり、②は元々「至誠而不動者、未之有也。」ではなく、「未至誠而不動者有。(未だ至誠にして動かざる者有らず。)」だったということですか?

恐らくそうです。ただしその場合、並びは「未至誠而不動者」のように、「有」が前に来るほうがが自然です。

ややこしい笑
ともかく、「之」ってたまに訳し方分からなかったけど、訳さなくてよいケースもあるんですね💡

その認識でOKです。
そのうち「之」については詳しく解説します。ひとまず今日はお疲れ様でした!

再読文字は大体抑えました。ありがとうございました!

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