伏犧(ふっき)と女媧(じょか)の人類創造・再生伝説―中国の神と神話

ポイント

  • 中国神話は、記述が断片的で異説も多いが、存在はしている。
  • 伏犧(ふっき)と女媧(じょか)が洪水によって滅びた人類を復活させたという伝説が存在する。
  • 一方、女媧が人類を泥から創ったという伝説も存在する。
  • 伏犧は、文字の原形や漁、料理、武器を発明したとされている。
  • 伏犧の娘の宓妃(ふっぴ)は、川で溺れて亡くなり、水神となった。とても美人。

こんにちは。本日は中国の神話について紹介します。

こんにちは。日本神話やギリシャ神話は有名ですが、中国にも神話ってあるんですね💡

あんまりメジャーではないですし、記述も断片的で異説も多いですが、あるにはあります。
けっこう、面白いものも多いですよ!

楽しみです✨

1、伏犧(ふっき)と女媧(じょか)の人類再生の神話

注目

父親と、10歳ぐらいの兄妹(伏犧と女媧)が住んでいた。

雷神が大雨が降らせ、大きな雷を鳴らした。父親は、この雷神を捕まえ、鉄の檻に入れた。そして、雷神を塩漬けにして食料にするため、市場に出かけた。

その際、子ども2人に雷神を見張らせた。そして、「くれぐれも雷神に水を飲ませないように」と言いつけた。

父親が出かけると、雷神はうめき声を発し、「たわしに吸わせた水をふかけてくれるだけで良いから」と兄妹に懇願した。

妹はその懇願を聞き、雷神が可愛そうだと思い、兄に「数滴なら水をあげていいじゃない」と提案した。兄はこれに賛成し、雷神に数滴の水を与えた。

すると雷神はとても喜び、礼を述べると、天地を震わせるような雷鳴がとどろき、雷神は檻を破って家から飛び出した。

雷神は、自分の歯を抜いて兄妹に渡し、「すぐこれを土の中に埋めて、災害が起こったら、その木になる実の中に隠れなさい」と言った。

その後、父親が帰ってくると、雷神が逃げていることに驚き、兄妹に事情を聞いた。そして、大急ぎで鉄船を作り始めた。兄妹は、面白半分で雷神からもらった歯を埋めた。

不思議なことに、まもなくすると新芽が出てきて、みるみるうちに大きくなり、たった1日で花が咲き、実がなった。その実はとても大きく、2人が入ることができる程だった。

3日後、父親の鉄船が完成した。するとすぐに天気が急変した。黒い風が吹き荒れ、大雨が降り洪水となり、一面が海となった。

父親は兄妹に「はやく逃げろ!雷神が洪水を起こして復讐しているんだ」と伝えると、兄妹はひょうたんの中に避難した。

洪水の水かさは留まることを知らず、ついに天の世界の入り口まで達した。父親がその入り口を叩き、「早く門を開けて下さい」と頼むと、天神は恐れて水をひくよう水神に命令した。父親は、鉄船と共に天空から落下し、粉々に砕けてしまった。また、洪水によって、人類は亡んだ。

しかし、兄妹2人だけは、ひょうたんに隠れており、無傷であった。その後2人は、たくましく生きた。

時間が経ち、2人は大人になると、兄は妹と結婚しようとした。妹は自分たちが兄妹であることから、受け入れることができなかった。

それでも兄は妹に迫る。すると妹は、「私を追いかけて、追いついたら結婚してもいいよ」と言った。妹は俊敏で、兄は追いつくことができなかったが、うまく作戦を立て、妹を捕まえることができた。こうして2人は夫婦となった。

夫婦になって間もなく、妹は肉の塊を1つ産み落とした。夫婦は奇妙に思い、塊を細かく刻んで包み、天の世界へ遊びに行った。

天の世界へ行く途中、強風が吹き、切り刻んだ肉があちこちに飛び散り落下すると、人間になった。こうして人類は蘇った。

※袁珂著、鈴木博訳『中国の神話伝説 上』(青土社、1993年)のp110~115を参照した上で抄訳。

歯から木が育ったり、ひょうたんの中に隠れて生き残ったり、近親相姦したり、肉が人間になったり…すごく不思議な話ですね。でもなんか、神話っぽいです笑

不思議なことに、この手の人類創造or再生の神話って、だいたい洪水が出てきたり、近親相姦したりするんですよね。沖縄やインドネシアにも、似たような話があるみたいです。

キリスト教のノアの箱舟の神話でも、洪水が起こってますよね?なんか、様々な神話に共通点があるのは面白いですね💡

めちゃくちゃ昔は、だいたい大きな河の近くで文明が生まれましたが、どこも洪水の被害が酷かったようなので、それが影響しているのかもしれません。

なるほど…今ですら堤防などを作っても洪水って起こりますもんね💦技術が未熟な昔なら、水害は酷そうです💦

2、女媧の人類創造神話

実は、人類創造については、別のバリエーションも存在します。こちらをご覧下さい。

注目

天地が分かれて以来、大地には自然や動物はいたが、人類はいなかった。天と大地を行き来していた女媧は、大地の世界の雰囲気が寂しく感じていた。

女媧は、池のかたわらに座り、池に座っている自分の姿をもとに、黄色い泥から赤ん坊のようなものをこね上げた。

それを地面に置くと、奇妙なことに動き出し、おぎゃあと泣きながら、うれしそうに飛び上がった。女媧はこれに「人」という名前を与えた。

女媧はこの創造物に満足し、続いて男女の人を沢山作った。人たちは四方に散り、大地の世界は賑やかになった。女媧は以前のような寂しさを感じなくなった。

その後も大勢の人を創った女媧であったが、人は時間が経つと死んでしまい、そのたびに創るのが大変だと思った。

そこで女媧は、人類自身に子孫を作らせ、赤ん坊を養育する責任を負わせた。また、婚姻制度を定めた。

その後、天空の半分が落ちてきて、天上に穴が空き、大地にも従橫に走る溝が生まれるなど、天変地異が起こった。

天変地異に苦しむ人類を見た女媧は、心を痛め、天地を修復した。また、修復した天空が再び崩壊することを恐れ、大亀を殺して4本の足を切り取り、天を支える柱とした。また、人類に害を加える竜などを退治した。そして人類は幸せな日々を送った。

女媧はその後、亡くなったとも、天界に帰ったとも言われている。

※袁珂著、鈴木博訳『中国の神話伝説 上』(青土社、1993年)のp130~136を参照した上で抄訳。

こっちは、伏犧は出てこないんですね。あと、人類「再生」ではなく「創造」なんですね💡

大分違いますよね。これは、諸書に断片的に記されている話を繋げたものです。恐らく、本来はもっと様々なバリエーションがあったのでしょう。

この話だと、女媧がすごく可愛らしくて優しい感じがします✨

あと、女媧の姿って、「池に座っている自分の姿をもとに、黄色い泥から赤ん坊のようなものをこね上げた。」ってあるから、人間とほとんど変わらないみたいですね💡

この神話ではそうですが、描かれる女媧(と伏犧)は、上半身が人間、下半身が蛇となっています。こちらをご覧下さい。
天理参考館の絹絵伏羲女媧図

見ました。なんか…ちょっと…💦

気持ちは分かります笑。このような絵はよく残っているので、当時は割とポピュラーだったのだと思います💡蛇にも何かしらの意味があるのだと思います。

3、伏犧の発明と宓妃(ふっぴ)

逆に、伏犧が人類を創った神話とかないんですか?

私が知る限りでは現存していないと思います。一方、伏犧が人類史上、重要な発明をしたことが諸書で言及されています。
・縄を創って魚網を作り、漁を教えた。
・火だねをもたらし、人が焼いた肉を食べられるようにした。
・文字の原形を創る。
・武器の作り方を発明した。

女媧と比べるとインパクトに欠けるけど、充分凄いですね💡

また、伏犧には宓妃(ふっぴ)という娘がいたとされ、大変美しかったそうですが、洛水(らくすい)という川で溺死してしまい、その後洛水の神になったという伝説があります。

宓妃さんも下半身が蛇だったんですかね…💦?

後世、描かれている姿は普通に人間ですよ!また、三国時代の曹植が「洛神賦(らくじんのふ)」の中で、 宓妃の美しさを述べています。(異説有り)

川に住んでいる美人の神様ってなんか素敵です✨実際にいれば会ってみたいです笑

私も是非会ってみたいものです。
以上、人類再生or創造の神話を紹介しましたがどうでしょうか?中々想像力が膨らむ話だったんじゃないかと個人的には思っています。お疲れ様でした!

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