1、熟字訓とはなにか?
・熟字=熟語について、通常の訓読みではなく、特殊な訓読みをしたもの。特徴として、「読みが分けられないものが多い」「通常の音読み・訓読みと一致しない」というものが挙げられる。
(例)海老・相撲・百舌鳥
・熟字訓は、「日本語としては一語だったが、それを漢字二字以上で無理やり表現したもの」になる。日本語と中国語は異なる言語なので、分解・変換して置き換えることが難しい言葉も存在していた。それを漢字で無理やり表現したものが熟字訓である。
・熟字訓の漢字はどのように決定されているのか?由来については、分からないものが多いが、明らかに意味が関連しているものが確認できる。
(例)
海老→エビは、「海」にいる生き物で、「老」人のように背が折れ曲がっている
百舌鳥→モズは他の鳥の鳴き声を真似するのが得意なことから、「百=いくつも」の「舌=声色」を持つ「鳥」。(イメージとしては、声色だったら「舌」より「喉」のほうがよかったのでは?)
・一方、語源・経緯が複雑であるものも多い。
(例)相撲
→元々は、サンスクリット語の「ゴダバラ」を「相撲」と表記していた。後に日本語の「争い」「抵抗」などを意味する日本語(大和ことば)の動詞である「すまふ」に当てはめられ、やがて「すまひ」の名詞に変化し、のちに音便化していまの「すもう」になった。(『日本大百科全書』より)
2、熟字訓クイズ!
下のヒントをもとに、□の部分に入る漢字を答えましょう!
ヒント
①②→月の古い名称。①は3月、②は12月。
③④⑤→日時に関わる熟語。③は現在の年、④は今日の前の日、⑤は各月の一日目。
⑥→服の素材の1つor豆腐の種類の1つ。
⑦→剣道部が用いるもの。
⑧→人の区分の1つ。成人のこと。
⑨→夏にある行事の1つ。
⑩→物事の上達度に関する熟語。
⑪→親族の関係性を表す熟語。父親or母親の兄弟。
⑫→旅館を取り仕切る人の熟語。
⑬→気象にまつわる熟語。
⑭→天候に関する熟語。
⑮→今川焼き(回転焼き)の中に入っているもの。
⑯→大部分が木になってる甘い食べ物。
⑰→原始的な漁を行う人。
⑱→目が悪い人が使うもの。
⑲→古代人が暗いときにもちいていたもの。
⑳→温泉に泊まる際に着るもの。
㉑→旅行した後にあげるorもらうもの。
㉒→眠いときにすること。
㉓→演技する際に読むもの。
㉔→創業から長く続く店のこと。
㉕→薬味の1つ。緑色。(山椒ではない。)
㉖㉗→海産物の1つ。㉖は白くて足が多い。㉗は黒くておにぎりに巻くもの。
㉘→「あ」からはじまる。数が多いことを表す。
㉙→二次元の世界ではよく登場する存在。とある男女関係にまつわる言葉。
㉚→中毒性が強いもの。世間的にはイメージが悪い側面も。
㉛→度が過ぎた不道徳な行為に対して出るもの。
㉜→身体に付いているかもしれないもの。「ほ」からはじまる。
3、熟字訓クイズの解答
①弥生 ②師走 ③今年 ④昨日
⑤一日 ⑥木綿 ⑦竹刀 ⑧大人or若人
⑨七夕 ⑩下手or上手 ⑪叔父 ⑫女将
⑬梅雨 ⑭吹雪 ⑮小豆 ⑯果物
⑰海女(部or人) ⑱眼鏡 ⑲松明 ⑳浴衣
㉑土産 ㉒欠伸 ㉓台詞 ㉔老舗
㉕山葵 ㉖烏賊 ㉗海苔 ㉘数多
㉙許嫁 ㉚博打 ㉛反吐 ㉜黒子
3、熟字訓 一覧
弥生・師走・今年・昨日・一日・木綿・竹刀・大人・若人
七夕・下手・上手・叔父・叔母・女将・梅雨・吹雪・小豆
海女(部or人)・眼鏡・松明・浴衣・土産・欠伸・台詞・老舗
山葵・烏賊・海苔・数多・許嫁・博打・双六・反吐・黒子・果物
二日・一人・二人・乙女・博士・今日・今朝・干支・河童・花魁
為替・風邪・欠片・南瓜・身体・素人・玄人・防人・流石
息子・数珠・芝生・景色・仲人・尻尾・田舎・玩具・雑魚
出汁・野良・足袋・陽炎・土筆・百合・海月・団扇・寄席
紅葉・行方・余所・若布(和布)・雲丹(海胆)・稲荷
狼煙・真似・忠実・肉刺・胼胝・因幡・旅籠・主水・醜女
木偶(でく)・雲雀(ひばり)・悪戯(いたずら)
真面目・八百屋・八百長・美人局・紫陽花・十八番・一昨年
二十歳・明後日・案山子・産土神・不束者・相応しい・可笑しい
容易い・美味しい・不味い・彷徨う・躊躇う・最寄り・強請る・浮腫み・微睡む・戦慄く…
固有名詞(地名・人物名など)の熟字訓
大分・大和・服部・飛鳥・伊達・日下・近江・武蔵・虎杖・箕面・早稲田・東海林…
以上、特殊な訓読みである熟字訓を紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?挙げた例以外にも沢山の例があるので、是非ご自身でも見つけてみて下さい!お疲れ様でした✨