【意味・読み方】
①それならば/読み方→然ラバ
(順接を表す。「則」とセットで用いられることが多いが、意味は変わらない。)
②しかしながら/読み方→然ルニor然レドモ
(逆接を表す)
③その通りであるor正しい/読み方→然リ
(「当然」の「然」。質問に対する肯定の返答を表す。)
①と②の見分け方については、フリガナが付いていない場合、文脈から判断するしかありません!頑張りましょう✨
ちなみに、現代日本語の「然」は、「突然」「偶然」のように用いますが、このような「○然」の「然」は「そうである」という状態を表します。漢文とは異なる用法ですね。
【慣用表現】
・然後(然ル後)→そのあとorそうしてはじめて(順接)
・然而(然リ而シテ)→それにも関わらず(逆接)
・雖然(然リト雖モ)→とはいうものの(逆接)
・然則(然ラバ則チ)→そうだとすれば
・不然(然ラズ)→そうではない(否定)
→文頭だと「然ラズンバ」で「そうでなければ」の意味となる。
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【例文】
①子曰、「師也過、商也不及。」曰、「然則師愈与。」
(子曰く、「師や過ぎたり、商や及ばず。」と。曰く、「然らば則ち師は愈(まさ)れるか。」と。)『論語』
→先生がおっしゃるには、「師(=子張)はやり過ぎであり、商(=子夏)は足りない。」と。
(子貢が)「それならば子張のほうが優れているのですか?」と尋ねた。
②周勃重厚少文、然安劉氏者必勃也。
(周勃は重厚にして文少なし、然るに劉氏を安んずる者は必ず勃なり。)『史記』
→周勃は重厚で華やかさが少ない、しかし劉氏の天下を安定させるのは必ず周勃である。
③雍之言然。
(雍の言然り。)『論語』
→雍の発言はその通りである。