①為す→~とみなす。
+α「以A為B(Aを以てBを為す)」で「AについてBとみなす」の意味。
②為る→~となる。
+α「為A所B(AノBする所と為る)」で受身の意味となり、「AにBされる」の意味となる。
③為(ため)に→~のために。
④為り→~である。(断定)
⑤(為人(ひととなり)で)「人柄」。
(⑥作る。)
(⑦治める。)
「為」については、基本的にこの5つと「以A為B(Aを以てBを為す)」「為A所B(AノBする所と為る)」を抑えておけば9割がた大丈夫です!
例文
①歯(よわい)を没(お)うるまで怨言無きは、聖人も以て難しと為す。(『資治通鑑』)
→生涯にわたって怨み言を言わないことは、聖人ですら難しいことだとみなしている。
②故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る、以って師と為(な)るべし。(『論語』)
→昔の事柄をよく学んだ上で新たに気付(きうまく活用できれは)、先生となることができる。
③鶏鳴きて起きるに、孳孳(じじ)として利の為にする者は、蹠(せき)の徒なり。(『孟子』)
→朝になって起きて、(己の)利益のために一生懸命になるものは、盜蹠(とうせき)の(ような悪人の)仲間である。
④孟母は人の母為(た)るの道を知れり。(『蒙求』)
→孟子の母親は、人の母である理想の生き方を知っていた。
⑤其の為人(ひととなり)や孝弟、而して上を犯すを好む者は、鮮し。(『論語』)
→人格が「孝弟(=孝は父母によく仕えること、弟は良く年長の兄弟に仕えること)」である人物で、社会秩序を乱す者は、ほとんどいたことがない。
④以外の例文は、できるだけ心に響きそうな名言を挙げたつもりですがいかがでしょうか?一見大変だと思いますが、しっかり「為」を解釈できるようになりたければ、例文ごと覚えるほうが逆に楽だと思います!