漢文における「道(みち・いう・みちびく)」について解説 「道徳」「邪道」「報道」

ポイント

  • 「道」は、以下の意味を抑えるべし。名詞だと⓪「道路」、①「正しい生き方」、②「方法」、動詞だと③「道(い)う」、④「道(みちび)く」。
  • ①「正しい生き方」は「道徳」の「道」、②「方法」は「邪道(オーソドックスではない方法)」の「道」、③「道(い)う」は「報道(知らせて言う)」の「道」で定着させるべし!(④「導く」は「道案内」のイメージ。
  • 「道」と「路」「塗(みち)」、「道(い)う」と「謂(い)う」「云(い)う」はそれぞれ類義語なので、余裕があれば抑えておこう。
  • ③④を含んだ名言として、「旧古(きゅうこ)を道(い)わず。」「之を道(みちび)くに政を以てし、之を斉(ととの)ふるに刑を以てすれば、民免れて恥無し。」というものがある。

1、「道」の意味について

こんにちは。本日は「道」という漢字について学んでいきましょう!

先生こんにちは!「道」って「道路」って意味じゃないんですか?

その意味もありますが、実は漢文においては、「道路」という意味で「道」が用いられることは少ないです。だから、注意する必要があります。

じゃあどんな意味で出てくるんですか?

名詞だと⓪「道路」、①「正しい生き方」、②「方法」、動詞だと③「道(い)う」、④「道(みちび)く」という意味は抑えておきましょう!

多いなぁ…⓪は良いにしても、①②③④は覚えづらいなぁ…

ひとまず、⓪と①②は連想しやすいですよ。本来⓪道路とは、人が多く通っていく中で段々とできていくものですが、それが生きていく上での道すじ、つまり過去の人々が通ってきた①「正しい生き方」も意味するようになりました。

また、何かを行う際の道すじ、つまり②「方法」も「道」で表されることになっていきます。このように考えると、なぜ「道」で①②の意味を持つようになったのか、分かりますね✨

なるほど…じゃあ③④の意味は、なんであるんですか?

①「正しい生き方」や②「方法」って、誰かに③「言」ったり、教え④「みちび」いたりしたくなりませんか?

確かに、私も先生から教わった知識とか、友だちによく教えてます💡

恐らく、そういう背景があって、①②から③④へと意味が派生していったのだと思います。

これまで何回か、こんな感じで意味のコアイメージや派生について学びましたが、毎回「そんなラフな感じで意味って定着したの!?」ってツッコみたくなります笑

漢字に限らず、言葉の意味なんてそんなものですよ笑。例えば、ネットスラングの「草」は、元々「www」という笑いを表す記号が、生えている草のように見えるから定着したとされていますし。

なるほどなぁ…言葉の意味の核や変化を知るのって、けっこう面白いかも✨

2、「道徳」と①「正しい生き方」、「邪道」と②「方法」、「報道」と③「道(い)う」+類義字

「道」の意味の派生について学べたので、今度は熟語という方面から解説し、意味を定着させていきましょう!

いつものやつだ笑

①「正しい生き方」は「道徳」の「道」、②「方法」は「邪道(オーソドックスではない方法)」の「道」、③「道(い)う」は「報道(知らせて言う)」の「道」で定着させましょう!

「道徳」「邪道」「報道」の「道」って、それぞれ違うんですね💦毎度ながらびっくりします笑

そうですね。普通の日本人は、熟語をバラして意味を考えたりしませんからね笑

④「道(みちび)く」の熟語はないんですか?

残念ながら、④の意味の熟語だけは探しても見当たりませんでした…残念です💦でも、「道案内」から「道=みちびく」をイメージするのは可能です💡

「みちびく」なら普通「導く」って書くし、仕方がないのかもしれませんね。「道案内」だと覚えやすいです✨

ちなみに「道」と「路」「塗(みち)」、「道(い)う」と「謂(い)う」「云(い)う」はそれぞれ類義語なので、余裕があれば抑えておきましょう💡

3、③「道(い)う」④「道(みちび)く」を含んだ名言

次に、③「道(い)う」 ④「道(みちび)く」 をそれぞれ含んだ名言を紹介させて下さい。

「道(い)う」を含んだ名言

『礼記』

不道旧故。

旧古(きゅうこ)を道(い)わず。

(他人の)昔のことを、(軽々しくその人に)質問したり(他者に)伝えたりしてはいけない。

旧古=昔のこと。ここでは特に、触れられたくない事柄。

「道(みちび)く」を含んだ名言

『論語』

道之以政。斉之以刑、民免而無恥。

之を道(みちび)くに政を以てし、之を斉(ととの)ふるに刑を以てすれば、民免れて恥無し。

これ(=民衆)を導くのに法律を用いたり、統制するのに刑罰を用いれば、民衆は法律に違反せず刑罰を避ければそれでよいと思い、「恥」の心がなくなってしまう。(だから、民衆は道徳でもって導くのがよい)

政=ここでは「法律」の意味。

どっちも面白い言葉ですね。上のほうは、「むやみに人の黒歴史をほじくり返しちゃダメ!」、下は「法律はただ守るだけではなく、なぜいけないか、道徳的な理由を知る必要がある」って感じかな?

その解釈でOKです。人間は、他人の黒歴史を聞くのが好きですし、「法律に触れなければ何しても良い」と悪い意味で開き直ったりしますからね。これらを戒めた言葉として知ってもらえれば幸いです。

どちらもけっこう耳が痛い言葉だなぁ…でも良い言葉なので、覚えておきます!

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