漢和辞典の使い方・調べ方をレクチャー! 国語辞典との違いも! | ハナシマ先生の教えて!漢文。

漢和辞典の使い方・調べ方をレクチャー! 国語辞典との違いも!

あなたは漢和辞典の使い方をご存じですか?また、国語辞典との違いをご存じですか?
本ページでは、漢和辞典について分かりやすく丁寧に解説します!

1、漢和辞典とはなに? 国語辞典との違いは?

漢和辞典とは?

・文字通り、「漢」文を「和」文=日本語に訳するために用いる辞書。

・漢文における漢字一字の意味を解説する。例文は漢文。

・漢文に関わる熟語の解説も附されている。
(辞典によっては、日本特有の漢字の用法や熟語も解説してくれていることもあり。)

・附録は、「漢字の成り立ち」「漢字音」「中国史年表」「中国地図」など。

国語辞典とは?

・日本語を上達させるために用いる辞書。具体的には、言葉の意味を調べるために用いることが多い。

・漢字一字も解説するが、漢文ではなく現代日本語としての意味であり、用例も現代日本におけるもの。

・最も収録されているのは二字熟語。

・二字熟語の他、四字熟語(例:神出鬼没・言語道断)やことわざ(例:金は天下の回り物・顰みに倣う)、慣用句(例:懐が温かい・諸刃の剣)カタカナ語(例:アーカイブ・セカンドライフ)の意味も解説している。

・附録は「敬語の解説」「送り仮名の付け方」「手紙の書き方」「季語一覧」「品詞活用表」など。(辞典によって異なる。)

つまり、現代文(評論や小説)を勉強していて分からない言葉が出てきたら国語辞典、漢文で分からない漢字や熟語が出てきたら漢和辞典を使えばOKです!

2、漢和辞典の使い方・調べ方のコツ2つ!(紙版)

紙の辞典において漢字を調べる際には、基本的に「音訓索引」から調べるのが一般的です。
音訓索引は、各読み(音訓)+画数順に並べられていますが、ほとんど使わない難しい漢字が多く収録されているので、目当ての漢字を探すのは大変だと思います。
しかし実は、探し方にはコツが二つあります。特に①は簡単なので実践推奨です!

①常用漢字への強調に注目して調べよう
(常用漢字=内閣が告示している基本的漢字。2136字)

・大抵の辞典において、常用漢字=よく用いる漢字は、何らかの方法で強調されている。
(例)『新字源』では、常用漢字に▽の記号が付されている。
(例)『漢辞海』では、常用漢字には赤色で強調されている。

みなさんが実際に調べる漢字の大半は常用漢字です。(高校生レベルの場合、一般的ではない漢字には原則的に注やフリガナが付きます。)
従って、一々詳細な画数を調べた上で調べなくとも、該当漢字の読みの所を開き、強調されている常用漢字に気を付けながら、おおよその画数の所をざっと見るだけで見つけ出せます。

②音(カタカナ表記)ではなく、訓(ひらがな表記)から探してみよう!

・大抵の辞典の索引は、音訓で分けて表記されている。
→「イ」や「エイ」等、音読みは基本的に、同音のものが非常に多いが、訓読みは日本特有の読み方であり、同じ読みは非常に少ないため、訓読みで調べてみるとスムーズに見つかる!
(例)「カイ」(音)は100以上漢字が存在するが、「かい」は10程しか存在しない。

②の方法については、漢字の音訓の区別が明確でないと使いこなしづらいのがネックですが、充分に実践する価値があると思います💡

紙の辞典を引く際、苦戦されている方は、真面目に調べたい漢字の読みの所を最初からチェックしていませんか?あるいは、漢字の画数まで丁寧に確認して見つけようとしていませんか?

①を実践するだけでも、相当引きやすくなります。慣れてくると、一字30秒以内に調べることができます。是非実践してみて下さい。


3、漢和辞典で漢字の意味を選ぶコツ―意味の順番について

各辞典(紙・電子・ネット)において漢字を調べ、並べられている複数の意味の中から、その漢文に合うものを探すのは容易ではありません。
しかし実は、意味の順番には、ある程度意図があることをご存じでしょうか。これを知れば、多少は選びやすくなります。

①意味は原義→転義の順番に並べられている

漢字の意味は、発展の流れから分類すると、原義と転義の二つに大別されます。多くの辞書(例:『漢辞海』『新字源』『漢字源』『漢語林』)では、原義→転義の順番で示されています。そして、全体的に見れば、原義より転義のほうが一般化しているケースが多いです。

(例)「極」について
原義=「最も高いところにある棟木」
転義=「最高・最上」「極める」(動詞)・「極めて」(副詞)・「最高の」(形容詞)

(例)「解」について
原義=「牛の角・体をバラバラにする」
転義=「ときほぐす」「ときあかす」

②転義は重要度・頻出度の高いものから並べられている

当たり前の話ですが、原義と転義の数を比べた場合、転義のほうが多いです。原義は、あったとしても2、3ほどしかありませんが、転義は10以上ある場合もざらにあります。

では、転義はどのような方針に沿って並べられているでしょうか。それはおおよそ重要度・頻出度が高いものを前に並べています。(例外あり)
逆に、欄の後方に存在する意味は、特殊な例(姓・地名などの固有名詞)であり、漢文読解の際、高確率で採用すべきではありません。

つまり、場合にもよりますが、漢和辞典から意味を選ぶ際には、はじめの意味でピンとこない場合と、後半の意味を避けて選んだほうが良いということです

以上、漢和辞典の使い方のコツを解説してきましたがいかがだったでしょうか?
どれも些細なものですが、やみくもに使うより使いやすくなると思います!

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