字(あざな)の意味と役割を知って中国文化に詳しくなろう!

ポイント

  • 「字(あざな)」は、よく漢文で出てくる。とりあえず「字(じ)」じゃなくて「字(あざな)」と読むことを抑えればOK。
  • 「字(あざな)」とは、成人後、実名の他に付ける別名のことを指す。
  • 中国では、本名(諱(いみな)=忌み名)呼びが失礼とされており、本名呼びは君主や親のみに許される行為だったから、「字」(や役職名)が用いられていた。(実際は、字呼びも相当親しい間柄以外は無礼とされたため、姓+役職呼びがオーソドックスであった。)
  • 「字(あざな)」の文化や「本名呼び=失礼」という文化は、日本文化とも関わりがある。
  • 「本名呼び=失礼」という原因は、「本名呼び=その人を支配する行為だから」or「人を呪う時に本名が必要だから」という説がある。
  • 「字(あざな)」は、よく兄弟関係で一部決められる場合がある。「伯仲」の「伯」「仲」など。

1、字(あざな)とは?

こんにちは。本日は、「字(あざな)」について解説します。

「字(あざな)」って、よく漢文で出てきますよね💡とりあえず「字(じ)」じゃなくて「字(あざな)」って読むことは知ってます。

それを抑えておけばひとまず大丈夫です。受験では、読みを問題とするケースが多いため、その点は抑えておきましょう!

でも、結局「字(あざな)」って何なのか良く分かんないです💦

「字(あざな)」とは、成人後、実名の他に付ける別名のことを指します。

なるほど💡でも、どうして別名なんかが必要なんですか?

それは、当時の中国では、本名(諱(いみな)=忌み名)呼びが失礼とされており、本名呼びは君主や親のみに許される行為だったからです。そこで「字」(や役職名)が用いられました。

一部の人しか本名を読んじゃだめだったら、本名以外の名前が必要ですね。「字(あざな)」が必要な意味が分かりました✨

とはいっても、身分の高い者同士の会話では、字呼び自体も無礼とされることがあり、実際は姓+役職名が一般的でした。

だったら、字作った意味あんまりないですね笑

確かに笑。もしかしたら別の目的もあったかもしれません。

ちなみに、古代日本でも「名前」というのは特別な意味を持っていて、「女性が男性に本名を教える=結婚する」という意味があったようです。その影響で、『万葉集』の恋愛の詩では、「君の名前を教えて」みたいなフレーズが多く確認できます。

そうなんですね!昔の中国も日本も、名前には特別な意味があったんだぁ…💡

2、本名呼びが失礼な文化は日本にもある?

実は日本においても、「字(あざな)」という文化は存在していましたが、現代だと廃れていますね。

日本人も「字(あざな)」持ってたんですか?

「字(あざな)」というか、「仮名(けみょう)」「通称」と呼ばれることが多いですね。

「仮名」「通称」も本名を呼ばないためという役割があったので、本質的には似ている部分があります。

例えば、どんなのがあるんですか?

戦国武将で言うとこんな感じです。
織田信長=「三郎」
豊臣秀吉=「藤吉郎」
徳川家康=「次郎三郎」
明智光秀=「十兵衛」

戦国武将も「字(あざな)」っぽいものを持っていたんですね💡初耳です。

ということは、「本名呼びが失礼」という文化も、日本にはあったってことですよね?

その通りです!鋭いですね✨例えば、信長の部下が「信長さま!」などと言ったらめちゃくちゃ失礼にあたる訳です。

「信長さま!」って、歴史ドラマやマンガで使われているのを見たことあるけど、あれは本来間違いなんですね💡

そうですね。実際に使っていたら処されていたかもしれません笑

また、 「本名呼びが失礼」という文化は、現代日本にもある程度残っています。ナナさんは、先生の下の名前を呼ぶことがありますか?

ふざけて呼ぶ生徒もいるけど、私は少し抵抗があるなぁ…

私も目上の人のファーストネームを呼ぶのは気が引けます。これは、無意識に 「本名呼びが失礼」という文化を受け継いでいるのだと思います💡

なるほど…「字(あざな)」の文化って、日本文化とも関係があるんですね✨

3、「本名呼び=失礼」なのはなぜか?

そもそもの話なんですけど、なんで本名を呼ぶを失礼なんですか?

これにはいくつか説がありますが、一説として「本名呼び=その人を支配する行為だから」というのがあります💡

うーん…なんとなくは分かります。

突然ですが、ナナさんは『西遊記』に出てくる金角・銀角を知っていますか?

なんか、名前呼ばれると閉じ込められるひょうたん持ってる妖怪ですよね?

そうですね。「名前を呼ぶと閉じ込められる」というのは、 「本名呼び=その人を支配する行為だから」という考え方に基づくと思います。

なるほど、『西遊記』をイメージすると分かりやすくなりました✨
あと、『千と千尋の神隠し』や『夏目友人帳』でも、名前がキーポイントになっていますね💡

素晴らしい!現代との繋がりを考えるのはとても大切です。
また、「人を呪う際、フルネームの情報が必要であったから」という説もあります。

こっちのほうが分かりやすいですね。「本名で呼ぶなんて、お前は私を呪いたいのか!?」みたいな笑。こっちは『デスノート』と似てます💡

まぁいずれにせよ、このような認識は薄れ、なんとなく「本名呼び=失礼」だけが根強く残っているだけだと思いますけどね💡

4、字によく使われる文字と兄弟関係

最後に、「字(あざな)」でよく使われる文字について学びましょう。「字(あざな)」は、よく兄弟関係で一部決められる場合があります💡

伯or孟or元or長→長男によく用いる(例:曹操/孟徳 関羽/雲長 孫策/伯符)
仲→次男によく用いる(例:孫権/仲謀)
叔→三男によく用いる(例:何晏/平叔)
幼・季→末っ子によく用いる(例:馬謖/幼常)

なお、具体例は全員、三国志の登場人物です笑

なるほど…日本で言う所の、一郎・次郎・三郎みたいなものですね?

その感覚でOKです!なお、「実力が伯仲する」の「伯仲(はくちゅう)」は、元々「兄(長男)と弟(次男)」という意味ですが、そこから「一番目と二番目」→「力がつりあっていて優劣のつけがたいこと」の意味に転じて定着しています。

「伯仲」って、中国の字(あざな)文化がもとだったんですね。知らなかった💦

もちろん、一方で兄弟関係を無視した字を付ける人もいますし、中には本名と字が同じという風変わりな人もいます。

本名と字が一緒って、本来の字の意味がないじゃないですか?笑

そうですね。なので、「本名呼びが失礼」は、絶対的ではなかったということかもしれません。

今日は、字(あざな)について、日本文化とあわせて楽しく学べました。ありがとうございました!

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