漢文における「遂(ついに・とぐ)」の意味について解説 「完遂」「遂行」「未遂」

ポイント

  • 「遂」については、①「遂に」と②「遂(と)ぐ」 =「成し遂げる」「達成する」or「~のような結果となる」or「(人や植物が)成長する」 という意味を抑えるべし。
  • 「遂」の意味は、全て「行くところまで行きつく」という共通イメージを持っている。
  • 「功成名遂身退、天之道也。(功成り名遂げて身退くは、天の道なり。)」は、「功績を立てて名声(を得ること)を達成して引退することは、正しい生き方である。」という意味。
  • 「遂(と)ぐ」は、「完遂=完(まった)く遂ぐ」「遂行=遂げて行う」「未遂=未だ遂げず」の「遂」。

1、「遂(と)ぐ」の意味

こんにちは。本日からは、漢文読解に必要な重要語と、それに関連する熟語を併せて紹介します💡

先生こんにちは!前回は、熟語の種類が多すぎて目が回りそうだったので、今回の個別解説は助かります笑

23種類は混乱するかもですね笑。本日は、「遂(と)ぐ」について学んでいきましょう!

「遂(と)ぐ」 って、現代日本語の「成し遂げる」の「遂げる」と一緒ですか?

その通りです。 「遂(と)ぐ」 =「成し遂げる」という意味です。初回なので簡単なものにしましたが…さすがに簡単過ぎましたかね?

私を見くびってましたね。じゃあ、今日の授業は終わりと言うことで…笑

ちょっと待って下さい笑!せっかくなので、もう少し 「遂(と)ぐ」 について学びましょう。まずは、「成し遂げる」を言い換えるなら、どのように表現できますか?

えっと…「達成する」ですか?

良いですね!実はその他、 「遂(と)ぐ」は、「~のような結果となる」「(人や植物が)成長する」のような意味もあるので、場合によって柔軟に解釈していく必要があります。

意味多くないですか?覚えるの大変だなぁ…💦

確かに大変だとは思いますが、「遂」という漢字のコアイメージ=「行くところまで行きつく」であることを知れば、多少は定着しやすくなります。

どういうことですか?

「遂(と)ぐ」 =「成し遂げる」「達成する」or「~のような結果となる」or「(人や植物が)成長する」 という意味は、全て何かしらが「行くところまで行きつく」という共通イメージを持っています。

確かに…どの意味も、何かしらの結果に関わっていますね💡 「遂」=「行くところまで行きつく」という イメージを持つと、覚えやすいかもしれません。

ちなみに、副詞としての「遂(つい)に」も、「そして」「とうとう」のように、話が「行くところまで行きついた」ことを表す語となります。

確かに!そう考えると、コアイメージって大事ですね。漢字って沢山の意味があって面倒くさいけど、共通のイメージがあって派生していったんですね💡

中にはあまり関係のない意味を持っている漢字も存在しますが、「遂」のように、コアイメージがあるものも多く存在します。

なんか、無関係なものを坦々と覚えるより、こんな感じで論理的に共通点を見つけたりして理解してくほうが、定着しやすいし面白いです✨

そう思ってもらえて嬉しいです。今後もできる限り「暗記」ではなく、「理解して定着」できるよう説明していきますね。

2、 「遂(と)ぐ」 の例文

では次に、「遂(と)ぐ」の例文について学びましょう。ナナさんは、「功成名遂身退、天之道也。(功成り名遂げて身退くは、天の道なり。)」という言葉を知っていますか?

はじめて聞きます。どんな意味なんですか?

「功績を立てて名声(を得ること)を達成して引退することは、正しい生き方である。」という意味です。

意味は分かりますが…💦

この言葉は、「何かを成し遂げた後、その功績にいつまでもしがみ付くのはいけない」という意味を含んでいます。

例えば、元プロ野球選手の「○本勲」という方は、「功成り名遂げて身退く」ことができていない人とみることができます。

「○本勲」って、この前、オリンピックの時にボクシングを馬鹿にする発言をしていて炎上したおじいさんですよね?💡

そうですね。あの方は、元々プロ等球で素晴らしい成績を残しています。しかし、コメンテーターとなってからは、たびたび批判されて炎上しています。

このように、素晴らしいことを成し遂げた人でも、その名誉を保ち続けるのは難しいということです。だからこそ、「功成り名遂げて身退くは、天の道なり。(功績を立てて名声(を得ること)を達成して引退することは、正しい生き方である。)」と言われるのです。

若者の私には中々身近に感じづらいけど、何となくは分かりました💡「何かを成し遂げた後、それにしがみつがずさっさと引退すれば、その名誉を守れるよ!」ってことですね。

あと30年くらい生きると、分かってくるかもしれませんね。今は何となくで大丈夫です。

普通だと「功績を守るために、その功績を守ろうと頑張る」と考えそうですが、逆効果になることもあるってことです。

人生って難しいなぁ…笑💦

3、「完遂」「遂行」「未遂」と「遂(と)ぐ」

最後に、熟語から「遂(と)ぐ」を導く方法についてお伝えします。ナナさん、「遂」を含む熟語を挙げてみて下さい💡

えっと…完遂・遂行・未遂とかですか?

素晴らしい!では、その熟語をそれぞれ分けて解釈してみましょう!

「完遂」=完全に成し遂げる、「遂行」=成し遂げる、「未遂」=まだ成し遂げていない、って感じですか?

大丈夫です。ちなみに、漢文風に読むと、「完遂=完(まった)く遂ぐ」、「遂行=遂げて行う」、「未遂=未だ遂げず」となります。

こう考えると、 「遂(と)ぐ」って一語だとあまり使わないけど、熟語ではよく使っていますね!

そうですね。なので、頭に入ってきやすいと思います。是非知っておきましょう!

次の授業へ…

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