後悔を減らしてアクティブに生きる秘訣とは? 時間の大切さを教えてくれる漢詩 

ポイント

  • 時間の大切さを教えてくれる漢詩として、「雑詩 其一/陶淵明」「将進酒/李白」「勧学文/朱熹」が挙げられる。
  • これらの漢詩を読むと、後悔を減らしてアクティブに生きる秘訣は、人間に与えられた時間の短さを再認識し、日々を漫然と過ごさずに努力し楽しむことが分かる。
  • 人間というのは、いつかは死ぬのが分かっていながらも、「いつかやろう」「今度チャレンジしよう」と先送りにしたり、「今は○○をすべきだから、□□は別の機会にやる」と考えて見送ったりする。
  • しかし、「いつかやろう」は永遠にこない。思い立ったときに行動するのが吉。

関連記事

こんにちは。本日は、「後悔を減らしてアクティブに生きる秘訣とは?」ということで、時間の大切さを述べている漢詩を3つ紹介させてもらいます💡

こんにちは。「時は金なり」という言葉がありますが、漢詩の中でも時間の大切さを言っているのですね💡

今回の漢詩をきっかけに、少しでも毎日の時間を大切にしてもらえれば嬉しいです✨

1、今が1番若くて元気がある! 雑詩 其一(ざっし そのいち)/陶淵明

注目

雑詩 其一(ざっし そのいち)/陶淵明 

【現代語訳】

人の一生は、木の根っこやヘタのように、しっかりとした拠り所がなく、道ばたの塵のようにただ飛び散る。

風のまにまに散って転がされて、今の身体を保つこともできない。

この世に生まれると、みな兄弟となるのであり、血の繋がりだけにこだわる必要はないのだ。

嬉しい時には大いに騒いで楽しみべきである。少しの酒であっても近所の人を呼んで(楽しもう。)

若(くてなんでもできる)時は2度とやってこないし、1日に朝が2度やってくることもない。

楽しむべき時には楽しむべきなのである。

歳月は人を待ってくれないのだから。

【本文・書き下し】

人生無根蒂 人生は根蒂(こんてい)無く

飄如陌上塵 飄たること陌上(はくじょう)の塵のごとし

分散逐風転 分散し風を逐いて転ず

此已非常身 此れ已に常の身に非ず

落地為兄弟 地に落ちて兄弟と為る

何必骨肉親 何ぞ必ずしも骨肉の親のみならんや

得歓当作楽 歓を得ては当に楽しみを作すべし

斗酒衆比鄰 斗酒 比隣を衆(あつ)めん

盛年不重来 盛年 重ねて来たらず

一日難再晨 一日 再び晨(あした)なり難し

及時当勉励 時に及びて当に勉励すべし

歳月不待人 歳月 人を待たず

これは教科書に載っているのみたことあります!「時に及びて当に勉励すべし 歳月 人を待たず」は有名なフレーズですよね?

そうですね💡人間というのは、いつかは死ぬのが分かっていながらも、「いつかやろう」「今度チャレンジしよう」と先送りにしたり、「今は○○をすべきだから、□□は別の機会にやる」と考えて見送ったりしますよね。

「楽しむべきときに楽しむべき」って、当たり前の主張ですが、実際にやろうとすると難しいものですね💦

その通りです💡例えば、高校生の頃に、将来に向けて勉強を頑張ることは素敵なことです。しかし、部活動や同級生との遊び、恋愛、趣味など、高校生の頃にしかできないこともあります。

別に大学生でも社会人でも、友だちと遊んだり恋愛したり、趣味をしたりすることはできるのでは?

理論上できはします。しかし経験上ですが、「いつかやろう」と考えている「いつか」は永遠に来ないものです。

あー…私も「いつかやろう」って思ったことで、できたものは殆どないなぁ…

もちろん、時期を考えて入念に準備しチャレンジすべきこともありますが、思い立ったが吉日で、考えるより先に動いたほうがよい場面もあります

なるほど…やりたいと思ったことは、フットワーク軽くチャレンジしてみたいと思います✨「楽しむべき時には楽しむべきなのである。歳月は人を待ってくれないのだから。(時に及びて当に勉励すべし 歳月 人を待たず)」、覚えておこうと思います!

2、人生はあっという間に終わってしまうから今を楽しむべし! しょうしんしゅ/李白

注目

将進酒/李白 

【現代語訳】

君は見ただろう。黄河の水は天のかなたからやってきて海に流れて二度と帰ってこないことを。

君は見ただろう。立派な屋敷で鏡を手にする人が、しらが頭を嘆くのを。朝には黒髪だったのに、夕方にはもう雪のように真っ白だと。

人生というものは、先々のことに備えるのではなく、楽しめる時には、思う存分楽しむべきなのだ。こがねの酒壺を、むなしく月に晒しておくことはないだろう。

天が私という人間をこの世に生を与えたということは、必ず理由があってのことだろう。

莫大な金を使い果たしても、またいつか返ってくるものだ。羊や牛のごちそうを食べて、まずは楽しくやろうじゃないか。一気にどんと三百坏、豪快に飲もうではないか。

岑(しん)さん、丹丘(たんきゅう)さん、さあ盃を受けてくれ。君たちのために一曲歌おう。どうか、耳を澄まして聴いてくれ。

金持ちの贅沢なんて、ちっとも羨ましいことなどあるものか。一番の願いといえば、こうして酔っ払い、ずっと醒めずにいることだ。

昔から聖人賢者というけれど、誰もみんなはかないものだ。それに比べて酒飲みだけは、歴史にその名を残していることよ。

文学の才能に優れた曹植(そうしょく)どのも、昔 平楽観で極上の美酒を楽しみ、大散財したそうではないか。金が足りないなど、どうして言ったりするのか。すぐさま買いに走らせて、君たちにいっぱいついで回るとしよう。

美しい馬に高価な服を召し使いに持たせて酒の代金にしよう。そしてその酒で、積もりに積もった憂いを吹き飛ばそう!

【本文・書き下し】

君不見黄河之水 君見ずや黄河の水

天上来     天上より来たるを

奔流到海不復回 奔流し海に到って復た回らず

君不見高堂明鏡 君見ずや高堂の明鏡

悲白髪     白髪を悲しむを

朝如青糸暮成雪 朝には青糸の如きも暮には雪と成る

人生得意須尽歓 人生意を得れば須らく歓を尽すべし

莫使金樽空対月 金樽をして空しく月に対せしむる莫れ

天生我材必有用 天我が材を生ずるや必ず用有り

千金散尽還復来 千金散じ尽すも還た復た来たらん

烹羊宰牛且為楽 羊を烹(に)牛を宰して且く楽しみを為さん

会須一飲三百杯 会(かなら)ず須らく一飲 三百杯なるべし

岑夫子 丹丘生 岑夫子(しんふうし) 丹丘生(たんきゅうせい)

進酒君莫停   酒を進む君停むること莫れ

與君歌一曲   君の与に一曲を歌わん

請君我為傾耳聴 請う君に我が為に耳を傾けて聴け

鐘鼓饌玉不足貴 鐘鼓 饌(せん)玉(ぎょく)は貴ぶに足らず

但願長酔不用醒 但だ長酔を願うて醒むるを用いず

古来聖賢皆寂寞 古来 聖賢 皆寂寞たり

惟有飲者留其名 惟だ飲者のみ其の名を留むる有り

陳王昔時宴平楽 陳(ちん)王(おう) 昔時 平楽に宴し

斗酒十千恣歓謔 斗酒十千 歓謔を恣にす

主人何為言少銭 主人何為れぞ銭少しと言うや

径須沽取対君酌 径(ただ)ちに須らく沽い取りて君に対して酌むべし

五花馬 千金裘 五花の馬 千金の裘

呼児将出換美酒 児を呼び将(も)ち出して美酒に換えしめ

与爾同銷万古愁 爾と同に銷(け)さん万古の愁い

李白とは?

・唐代に生きた詩人。自由気ままで天才肌。現在、中国で最も有名な詩人と言える程評価が高いが、彼自身は政治家として活躍したかったようである。

・李白は、長い間就職活動した末に、一旦は都の長安で官職を得た。しかし、その官職は、政治に携わる職務ではなく、さらに同僚との折り合いが悪く、結局辞職してしまう。「将進酒」は大きな挫折の後の作品。

人生というものは、先々のことに備えるのではなく、楽しめる時には、思う存分楽しむべきなのだ」は、1の「雑詩」と同じ主張ですね💡

あと、時間が短いことの例えが「君は見ただろう。立派な屋敷で鏡を手にする人が、しらが頭を嘆くのを。朝には黒髪だったのに、夕方にはもう雪のように真っ白だと」というものが良いですね✨

時間が短いことの例えは、「光陰矢のごとし」「人生は朝露のごとし」「人生百年 流電のごとし」など、漢文でも沢山な表現がありますが、将進酒での表現もまた面白いですね。

矢も朝の露も電流も、あっという間に過ぎて行きますよね💡

これだけ時間の長さが早いことを述べる表現があるということは、やはり人生は短く感じるものなのでしょう。
特に年を取れば取るほど早く感じるようですね💦心理学でジャネーの法則と言うらしいです。

だからこそ、今を楽しめ!ってことですね。

そういうことです💡明日死ぬかもしれないという気持ちで生きるとよいかもしれませんね✨

3、学ぶ機会を先延ばしするな! 勧学文(学を勧むる文)/しゅ

注目

勧学文(学を勧むる文)/朱熹 

【現代語訳】

言ってはいけない。「今日勉強しなくても明日がある」と。

 

言ってはいけない。「今年学問しなくても来年がある」と。

月日は過ぎても、歳月は私と共に延びてはくれず(先に行ってしまう)。 

ああ、私も歳を取ったものだ。むなしく老いてゆくのは、誰の過ちか。(誰のせいでもなく、私の過ちである)。

【本文・書き下し】

勿謂       謂う勿かれ

今日不学而有来日 今日学ばずとも来日有りと

勿謂       謂う勿かれ

今年不学而有来年 今年学ばずとも来年有りと

日月逝矣 歳不我延 日月逝けり 歳 我と延びず

嗚呼老矣 是誰之愆 嗚呼老いたり 是れ誰の愆(あやま)ちぞや

これは、1・2と比べてストレートに効きます…💦心に刺さります💦

先程お伝えした通り、人間は「いつかやろう」と後回しにしがちな生き物です。しかし、時間は有限であり、気がついたら何も楽しめず年を取って死んでしまう、ということはよく起こるのでしょう💡

時間は止めることはできないから、精一杯頑張ってもダラダラ何となく過ごしても一緒なんですね。

特に勉強は後回しにしがちですからね。学べる機会と時間があるのなら、しっかり学んでみましょう。後悔のない人生を歩めるかもしれません。

うちの両親は、「学生のころにもっと勉強しておけばよかった」っていつも言っているので、すべきなのは分かっているのですが…

頑張るのにはコツはあります。下のページや書籍を見てみましょう。何かヒントが得られると思います💡

以上、「後悔を減らしてアクティブに生きる秘訣とは? 時間の大切さを教えてくれる漢詩」ということで3つ紹介しましたが、いかがだったでしょうか?

日々を漫然と過ごさず、目の前のことに全力で頑張り楽しみたいと思います。ありがとうございました!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です