漢文における「衆(おおし・しゅう)」について解説

「衆(おおし・しゅう)」と「衆目」「衆寡」「大衆」

ポイント

  • 「衆」=「おおし」は、「衆目(おおくの人の見る目)」「衆寡(おおいか少ないか)」の「衆」で覚えよう!
  • 漢文読解では、名詞として「衆」という形で登場することもある。その時は「大勢」(「大衆」の「衆」)と訳せばOK。
  • 「衆(おお)し」の名言として、「強毋攘弱、衆毋寡暴。(強き 弱きを攘(はら)う毋かれ、衆(おお)き 寡(すく)なきを暴(そこな)う毋かれ。)」という名言が挙げられる。

1、「衆(おお)し」の意味と「衆目」「衆寡」

こんにちは。本日は、「衆(おお)し」について解説していきます。

「衆」って、日本語だと一語で使わないから、漢文で出てきたら戸惑いそう💦

確かにそうですね。「衆」には、「おおし」という読みがあるので、抑えておきましょう!

「衆(おお)し」って読むのって、なんか不思議に感じます。「多し」ならまだ分かりますが…

基本的に「衆(おお)し」=「多し」と捉えてもらって大丈夫です。

また、「衆」=「おおし」は、熟語としてなら普通に日本語として用いています💡

いつものやつですね笑 どんな熟語ですか?

「衆目(おおくの人の見る目)」「衆寡(おおいか少ないか)」です。この2つの熟語を通じて「衆(おお)し」を定着させましょう!

「衆目(しゅうもく)」「衆寡(しゅうか)」って、あんまり使わないなぁ…

そうですね。しかし、現代でもたまに使うので、知っておいて損は無いですよ!

ちなみに、「衆寡」の「寡(すくな)し」は、こちらで解説した通り重要語になるので、「衆寡」を覚えるとお得です✨

1つ熟語を覚えたら、漢文に必要な語句が2つ覚えることになるから、確かにお得かも✨

なお、漢文では名詞として「衆」という形で登場することもあります。その時は「大勢」(「大衆」の「衆」)と訳せばOKです💡

2、「衆(おお)し」を含んだ名言

次に、「衆(おお)し」を含んだ名言について紹介させて下さい。

「衆(おお)し」を含んだ名言

強毋攘弱、衆毋寡暴。

強き 弱きを攘(はら)う毋かれ、衆(おお)き 寡(すく)なきを暴(そこな)う毋かれ。

強い(者)はか弱い(者)を邪魔者として除くべきではないし、多数(者)は少数(者)を傷付けるべきではない。

攘(はら)う=邪魔者として除く。「攘夷」の「攘」 暴(そこな)う=傷付ける 

「強いからって言って弱い者いじめしてはいけないし、数で勝っているからって少数派を排除ししちゃダメ!」ってことですね💡

すごく昔の言葉だけど、実生活でも見覚えがあるから、親近感が湧くなぁ…

そうですね。人間は力を持つと驕ってしまいますからね💦立場や能力に溺れず、弱者やマイノリティの気持ちもしっかりと考える必要がありますね✨

なんか、『鬼滅の刃』の煉獄さんのお母さんが残した言葉に似てますね💡

「生まれついて人よりも多くの才に恵まれた者はその力を世のため人のために使わねばなりません 天から賜りし力で人を傷つけること私腹を肥やすことは許されません 弱き人を助けることは強く生まれた者の責務です 責任を持って果たさなければならない使命なのです」って言ってました。

「弱き人を助けることは強く生まれた者の責務」、この言葉の弱い人に対する姿勢は、今回紹介する漢文と似ています。良い言葉ですね。

「強き 弱きを攘(はら)う毋かれ、衆(おお)き 寡(すく)なきを暴(そこな)う毋かれ。」、けっこう心に響いた言葉なので、覚えておこうと思います✨ありがとうございました!

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