1、そもそもなぜ疑問・反語が重要なのか?
・疑問に対する解答=主張=文章の核なので、疑問と文章の核とが非常に近い関係にあるから。
・反語=強い主張・批判なので、文章の核そのものとなる場合が多いから。
→疑問にせよ反語にせよ、本文の内容を理解する上で重要であり、問題にするには絶好の部分!
→従って疑問・反語は必ず抑えよう!
【豆知識】反語は現代日本でも用いられている!
・「反語は古文・漢文独特の用法」と考えている人はいませんか?それは誤解です。我々は日常的に反語表現を用いています。
(例)テスト期間中に、自室でゲームなどを行って遊んでいる時に、両親が部屋に来て、「どうして勉強していないの?」と述べた。
→これは、自分が勉強しない理由を知りたい=疑問というよりは、テスト期間中にも関わらず遊んでいる自分への批判のニュアンスが強い。
(例)恋人が浮気しているのが発覚し、「どうして浮気したの?」と言った。 →これは、純粋に浮気した理由を聞きたい可能性もあるが、浮気したことについて責める気持ちが強い可能性がある。
2、疑問・反語(+詠嘆)の種類
疑問の基本パターン
①何ゾ~也(or乎)。→どうして~か。(理由を問う)
②安(or悪or焉)クンゾ~也(or乎)。→どうして~か。(理由を問う)
※①②は「也or乎」がない場合もあり。
③安(or何or悪)クニ~也(or乎)。→どこに~か。(場所を問う)
④何ヲ(カ)~スル。→なにを~か。(事物or事柄を問う)
⑤誰カ~スル。→誰が~か。(人物を問う)
⑥孰レカ~スル。→どちらが~か。(どちらなのかを問う)
⑦~乎(也or邪or耶or与)。→~か。(理由を問う)
反語の基本パターン
①何ゾ~ン也(or乎)。→どうして~か。いや~ない。
②安(or悪or焉)クンゾ~ン也(or乎)。→どうして~か。いや~ない。
※①②は「也or乎」がない場合もあり。
③安(or何or悪)クニ~ン也(or乎)。→どこに~か。いやどこにも~ない。
④何ヲ(カ)~ンヤ。→なにを~か。いやなにも~ない。
⑤誰カ~ンヤ。→誰が~か。いやだれも~ない。
⑥~ン乎(也or邪or耶or与)。→~か。いや~ない。
⑦豈ニ~ン乎(or哉)。→どうして~か。いや~ない。
⑧独リ~ン乎(or哉)。→どうして~か。いや~ない。
→①②③④⑤⑥は、疑問と一見ほぼ同じ形であり、一見疑問か反語か判別がするのが難しい…
→⑦⑧は反語にしかない表現!
→疑問でも反語でも訳して違和感がある場合は、詠嘆(~だなぁ)で訳してみましょう!
3、疑問・反語の見分け方 送り仮名・位置・後文に注目!
①文末の送り仮名で判別する方法
→「~ヤ」の場合は疑問、「~ンヤ」の場合は反語。
(ただしこれは、送り仮名が付されていない際には用いることができない。)
②登場する場所で判別する方法
・最後尾にある疑問or反語は、高い確率で反語の意味である。なぜなら、疑問は主張を述べるための前座であり、最後尾に存在するのは不自然だから。(疑問の場合、後ろに回答が存在しないとおかしい)
③後文の反応から類推する方法
→疑問に答えようとしているのか、反語=主張or批判に反応しようとしているのかで判断する。
③は最終手段ですが、基本的には①②で判別することが可能です。この3つは必ず抑え、実践に活用しましょう!