1、「以」の意味 一覧 例文付き
①(後ろに手段・方法を示す語を伴い)~を用いて
②(後ろに理由・根拠・条件を示す語を伴い)~によってor~に基づいて
③(後ろに対象を示す語を伴い)~をor~に対して
④(後ろに時間を示す語を伴い)~のときに
⑤(後ろに身分・資格を示す語を伴い)~に照らしてor~の立場で
⑥そして(時間的な流れを表す。特に訳す必要なし)
【ポイント】
・①②③④⑤は、どれも「以A(Aを以て)」のAの性質に注目して訳をするべし!
→以の後ろにどのような語が存在している?「①手段・方法」「②理由・根拠・条件」「③対象」「④時間」「⑤身分・資格」によって語訳を変えるべし!
・「以」に返り点が付いていない場合は、⑥で解釈して現代語訳では訳す必要なし!
【補足】
・①の意味は、「報怨以徳(怨みに報いるに徳を以てす)」のように、「以A」が後ろにくることもある。
①道徳という(手段で)もって恨みに報いる。
②秦王は、15個の城を(条件に)、私の璧と交換したいと申し出てきた。
③鮑叔は、私(という対象)を愚かだと見なさなかった。
④(田)文は5月5日(という日)に生まれた。
⑤臣下(という身分)で君主を殺害するのは、仁だと言えるだろうか。(いや、言えない。)
⑥3人であるならば、多いと見なすに充分である。
2、【発展】「以A為B」と「以為or以謂(おもえらく)」 例文付き
・「以A為B(Aを以てBと為す)」→AをorがBとみなす。
・「以為or以謂(おもえらく)」→~と思うorみなす。
※「以為or以謂」は元々「以A為Bor以A謂B」が省略された上で熟したもの。「おもえらく」と読む。
①お前達は、私が(何かを)隠していると思うか。
②従者は良くないと考えた。