努力にまつわる四字熟語7選 己を奮い立たせるために(受験勉強・部活など・分かりやすい解説付き) | ハナシマ先生の教えて!漢文。

努力にまつわる四字熟語7選 己を奮い立たせるために(受験勉強・部活など・分かりやすい解説付き)

目標を達成するためには努力が必要ですが、努力するのって難しいですよね。このページでは、やる気をアップさせる四字熟語を厳選して7つ紹介させていただきます。是非自分に合ったものを探し、モチベーションを上げましょう!

1、勇往邁進(ゆうおうまいしん) 目標に向かって勇敢に突き進む

【意味】
自分の立てた目標に向かって勇敢に突き進むこと。

【字ごとの意味と書き下し】
勇往邁進→勇みて往(ゆ)き邁進す
※「邁」「進」共に「すすむ」の意味。

【由来・解説】

目標を立てるのは割と簡単ですが、努力する際、「失敗したらどうしよう…」と怖じ気づくことがありませんか?そのような方へ是非紹介したいのがこの「勇往邁進」です。
「往」「邁」「進」全てが「進むor行く」という意味で、前のめりな印象が強い四字熟語です。

大半の場合、失敗しても死ぬようなことはないですし、失敗せずに成功し続けることは不可能です。さらに、望む通りの結果が得られなくとも、努力した経験や得られた知識、人脈は必ず次に繋がります。無駄にはなりません。
実際、リンカーンやウォルト・ディズニーなど、数々の失敗を経て成功した人は多く存在します。
従って、失敗を恐れず、目標に向かって勇往邁進しましょう!

【例文】
A君は、プロ野球選手になるという目標に向かって勇往邁進している。

【類似語】猪突猛進(ちょとつもうしん)/元気溌剌(げんきはつらつ)

2、一意専心(いちいせんしん) 雑念を払って1つのことに取り組む 

【意味】
他のことに意識を向けず、1つのことに心を集中すること。

【字ごとの意味と書き下し】
一意専心→意を一にし心を専(もっぱ)らにす

【由来・解説】
出典→『管子』内業篇

今も昔も、集中を妨げる要素というのは多いです。現代だと特に、スマートフォンやPCが挙げられるでしょうか。これら自体が悪い訳ではありませんが、SNSやYouTube、アプリなどを触って時間や意識を奪われた経験がある方は多いのではないでしょうか。
叶えたい目標があるのであれば、これらを封印して一意専心に頑張ってみるのはどうでしょう?

【例文】
現代は誘惑が多く、一意専心に物事へ取り組むのが難しい。

【類似語】一心不乱(いっしんふらん)/精神一到(せいしんいっとう)

3、磨穿鉄硯(ませんてっけん) 勉強道具がすり減るほど必死に努力する

【意味】
物事を達成するため、強い意志で努力を積み重ねること。

【字ごとの意味と書き下し】
磨穿鉄硯→鉄の硯(すずり)を磨きて穿(うが)つ

【由来・解説】
・五代十国時代の桑維翰(そういかん)が、硯をすり減らして穴があくほど勉学に励み、科挙(=現代の国家公務員試験のようなもの)に合格したことから生まれた語。

・「磨穿鉄硯(鉄の硯を磨いて穴を空ける)」は必死に努力することのたとえ。

現代だと通常、硯は用いませんが、現代だと「参考書やノートがボロボロになるほど頑張る」といった所でしょうか。

【例文】
磨穿鉄硯の思いで勉強を続けた結果、第一志望の難関大学に合格することができた。

【類似語】
蛍雪之功(けいせつのこう)

4、愚公移山(ぐこういざん) 地道な努力がのちのち大きな成果を生む

【意味】
一見達成が不可能に見えるようなことも、コツコツ積み重ねれば達成できること。

【字ごとの意味と書き下し】
愚公移山愚公(ぐこう) 山を移す

【由来・解説】
昔、愚公という人が山を移そうとした所、周りの人間はそのようなことは無理だと笑ったが、愚公は子や孫の世代までかかっても成し遂げると告げた。天帝は愚公の態度に感心し、山を別の場所に移してやったという話から生まれた語。

上のエピソードを聞くと、「愚公移山=コツコツ頑張れば神様が味方してくれる」のような意味だと思いますが、現代では「神様が味方してくれる」の意味は抜け落ち、単に「自分の努力の結果が報われる」というニュアンスで用いられます。

人は大きな目標について、「そんなの無理だ」と考えがちです。しかし、この愚公然り、イチロー・大谷翔平然り、豊臣秀吉然り、コツコツ努力を積み重ねて、絵空事のような目標を達成した人は存在します。このメンタルを見習いたいものです。

【例文】
イチローは子どもの頃から、毎日のように野球の練習に励み、日本・アメリカのプロ野球で偉大な記録を成し遂げた。これはまさに「愚公移山」を体現したと言うことができる。

【類似語】
点滴穿石(てんてきせんせき)/粒々辛苦(りゅうりゅうしんく)
燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや

5、蛍雪之功(けいせつのこう) 貧乏に負けず工夫して努力する


【意味】
苦労して勉学に励むこと。
※元々は「貧乏にも負けず」というニュアンスが強いが、現代だとこのニュアンスを含まず用いられることも多い。

【字ごとの意味と書き下し】
蛍雪之功蛍雪の功

【由来・解説】
晋の車胤は灯りをつける油が買えず、夜に蛍の光を集めて勉学に励み、孫康は冬の夜に窓から入る雪明かりで勉学に励み、共に出世したことから生まれた語。

東大生の両親の年収が平均より高いように、学力というのはある程度貧富に比例します。良い学習環境を整えるためには、それなりの金銭が必要です。
しかし、お金が無くとも工夫すれば充分に勉強することは可能です。経済的に余裕がない方は、車胤や孫康のように、貧乏に負けず工夫して蛍雪之の功を積みましょう!

ちなみに、車胤や孫康当時は教育制度がろくに整っておらず、また厳しい身分制度があったため、現代日本より格段に成り上がるのが難しかったです。
義務教育や奨学金制度がある程度整っており、安価or無料でネットを使える我々は、車胤や孫康より工夫しやすでしょう

【例文】
貧困家庭に生まれたAさんであったが、若い頃の蛍雪の功が成って、今では会社経営者として活躍している。

【類似語】
苦学力行(くがくりきこう)/悪戦苦闘(あくせんくとう)

6、不撓不屈(ふとうふくつ) 何があっても強い気持ちで立ち向かう

【意味】
強い意志を持ち、どのような困難や苦労にもくじけないさま。

【字ごとの意味と書き下し】
不撓不屈撓(くじ)けず屈さず

【由来・解説】
出典→『漢書』叙伝

意志って弱くなりがちで折れやすいですよね。「1日○時間勉強する」「節制して痩せる」「○○円節約する」と目標を立てても、実際に継続できるケースは少ないでしょう。だからこそ、この「不撓不屈」という言葉を胸に刻めば、継続して努力できるかもしれません。

【例文】
不撓不屈の精神で臨めば、大概のことは成し遂げることは可能である。

【類似語】
百折不撓(ひゃくせつふとう)/捲土重来(けんどちょうらい)

7、臥薪嘗胆(がしんしょうたん) 負けを忘れずリベンジのために牙を研ぐ

【意味】
リベンジを果たすために苦労に耐えること。

【字ごとの意味と書き下し】
臥薪嘗胆→薪に臥(ふ)す 胆を嘗(な)む

【由来・解説】

かつて、呉(ご)の夫差(ふさ)が父の仇を忘れないために堅い薪をベットとして寝て結果的に仇を屈服させ、越(えつ)の句践(こうせん)が夫差に敗れた悔しさを忘れないように吊した苦い肝を舐めて、リベンジを果たしたエピソードから生まれた語。

負けたときの悔しさや怒りといった感情は強いものですが、継続するのが難しいです。年がら年中悔しがって怒っている人はまれでしょう。だからこそ、何かしらの動作によって、敗北・失敗の悔しさを忘れないようにするのは大切です。

ちなみに私は、失敗した直後の気持ちをメモして、定期的に見返すようにしています。現代版の臥薪嘗胆ですね。さすがに肝を嘗めたり薪の上には寝られないです笑

【例文】

(例文)高校受験に失敗したA君は、臥薪嘗胆の思いでその失敗を忘れず、大学受験で成功することができた。

【類似語】
捲土重来(けんどちょうらい)/七転八起(しちてんはっき)

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