『梨花の下で 李白・杜甫物語』を読んで中国における詩の役割を理解しよう

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ポイント

  • マンガは漢文読解に有効!
  • 中国における詩は非常に重要視された。
  • 中国における詩は政治と密接な関わりがある。
  • 『梨花の下で 李白・杜甫物語』を読めば、「中国における詩とは何か?」「李白と杜甫の人生と性格」が分かり、漢詩が読みやすくなる!

1、マンガが漢文読解に役立つ?

こんにちは!本日はマンガという観点から、背景知識について学んでいきましょう!

先生こんにちは。私はマンガ好きなので楽しみです!でも、本当にマンガで背景知識が学べるんですか?💦

学べるマンガはありますよ!まず、漢文を読解する上で背景知識を学ぶことは大切です。

背景知識が分かれば、話のオチが予想できたり、うまく補足できたりできるですよね?

その通りです。漢文を書いた人と、現代日本の我々とでは、価値観や考え方が大きく異なる場合があります。それを埋めるのが背景知識です
そして、今回伝えたいのは、「背景知識は勉強だけではなく、マンガからでも学ぶことができる」ということです。

今回は、1つのマンガを具体例として、どのように漢文読解に必要な背景知識を学んでいきましょう!

2、 中国における詩とは?

先生オススメのマンガとして、杜康 潤『梨花の下で 李白・杜甫物語』(全1巻)を紹介させて下さい。

あの詩人で有名な李白と杜甫が出てくるマンガですか?

そうです。これを読めば、「中国における詩とは何か?」「李白と杜甫の人生と性格」が分かります。この2つは、非常に有効な背景知識です。

「中国における詩とは何か?」ってどういうことですか?

ご説明します。まず、ナナさんは現代日本で「詩(ポエム)」はどんな人が書いて、社会的にどのように認識されていると思いますか?

詩を書く人は…思春期の人とか、感受性が特別豊かな人ってイメージがありますね。(実は私もポエム書いてるのは秘密…💦)

あと、社会的には「音楽や絵描きと同じ芸術系の趣味の1つ」って感じかなぁ…?

なるほど💡ありがとうございます。しかし、漢文世界における「詩」とは、色んな意味で現代日本とは違っていました。

漢文世界における詩は、「政治家なら当然作れるべきもの」で「政治において非常に重要なもの」です。

??? なんで詩が政治に関係あるんですか?意味が分かりません…

中国における詩は、昔から「民衆が間接的に政治的な不満を伝える手段」であり、「他者の気持ちを学んで道徳的になるための手段」だったため、政治において重要視されました

??

「民衆が間接的に政治的な不満を伝える手段」 とは、例えば民衆の兵役が重かった場合、中国ではその歌が作られ、流行することがあります。いわゆる社会風刺の歌ですね。

社会風刺の歌?

社会の不安や不満を歌に乗せて伝えているものですね。現代日本だと、Mr.Childrenなどがよく行っているイメージです。あと、最近だと森山直太朗「最悪な春」が、コロナ禍における社会を風刺していますね。

なるほど… 「最悪な春」 を聞いてみましたが、コロナ禍で思うように過ごせない人々の気持ちが描かれていますね。
詩=「民衆が間接的に政治的な不満を伝える手段」 の意味が良く分かりました。詩や音楽と政治って関係あるんですね💡

まぁ今だと詩と政治の関係はそこまで強くないですけどね。中国では民衆の間で流行っている詩歌を聞くことで、政治の方針を決めることができるため、重要視すべしという価値観がありました。

つまり、中国では世論を新聞やネットの調査ではなく、流行している詩歌から知ろうとしていたってことですね💡

あと1つの詩=「他者の気持ちを学んで道徳的になるための手段」とは、「詩とは感情の発露であり、詩を理解できる=他者の気持ちを理解できる」ということです。

もう少しかみ砕くと、「詩とは作者の感情が爆発した結果産み落とされたものだから、それが分かれば、その技術で対面でも他者に対し道徳的に振る舞うことができる」ということです💡

なるほど…つまり、詩は他人の気持ちを理解する能力を高めるための大切な要素ってことですか?

その理解でOKです!まぁ実際、詩が味わえれば道徳的になるかは分かりませんが…

つまり、このような背景があって、中国で詩はめちゃくちゃ重要視されてきた訳です。

分かりました。これまで漢詩を何となく読んできたけど、そんな背景があって作られていたんですね💡漢詩を見る目が根本的に変わった気がします。

3、李白と杜甫の人生と性格

次に、『梨花の下で 李白・杜甫物語』を読むメリットその2である「李白と杜甫の人生と性格が分かる」について解説させて下さい。

先生、李白と杜甫の人生と性格が分かると、なんで漢文が読めるようになるんですか?

①中国政治家の生き方・考え方が分かる
②李白・杜甫の詩が読みやすくなる

からです💡

「①中国政治家の生き方・考え方が分かる」については、中国政界の闇 左遷・死刑・自殺・族滅でも触れた通り、中々厳しくて面倒くさい中国の政界を知ることができるということです。
李白・杜甫も政治に携わっていて中々苦労していますが、マンガではそれがよく理解できるようになっています。
中国政界の面倒くささが分かれば、彼らの書く漢詩も理解しやすくなります。

「②李白・杜甫の詩が読みやすくなる」については、そのままの意味です。詩は、作者の性格や境遇が強く反映されます。例えば、李白は「天才肌で自由奔放」、杜甫は「真面目で秀才」という性格です。実際、李白の作品は、「表現が非常にきらびやかで華があり、かつ分かりやすい」という特徴があり、杜甫は「固くて分かりづらいけど、真摯に自分や社会と向き合っている」という特徴があります

また、2人は唐の低迷期に生きた人であり、様々な社会問題や反乱が起こっていました。杜甫の「春望」も、安史の乱という大反乱が影響して生まれた作品です。

なるほど。確かに、詩と性格がリンクするのは分かる気がします。あと、春望で「烽火三月に連なり」って戦争の話が出てきていたと思うけど、そういうことだったんですね!
有名な漢詩の作者の性格や人生は知っておいたほうがよいと分かりました💡

「中国における詩とは何か?」「李白と杜甫の人生と性格」がいかに漢文(詩)の読解に大切か説明してきましたが、実際にマンガをご覧になってもらえると、より分かりやすいと思います。絵柄も見やすいですし、1巻だけですので、よかったらどうぞ✨

また、李白と杜甫の人生・性格については、以下のページにまとめてあるので、よかったらご覧になってみて下さい。

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