論語(孔子)の道徳にまつわる名言を紹介! 読んで実践すれば人間関係が良好に?

   もくじ

1、外面ばかり取り繕う人は中身がペラペラ? 巧言令色(こうげんれいしょく)、鮮し仁

【現代語訳】
孔子がおっしゃるには、「言葉が巧みで外面を飾って人に媚びへつらう人間は、仁(=まごころ)が少ない。意志が強く口下手な人間は、まごころのある存在に近い。」と。

【原文】
子曰、「巧言令色、鮮矣仁。剛毅朴訥、近仁。」

【書き下し】
子曰く、「巧言令色(こうげんれいしょく)、鮮し仁。剛毅朴訥、仁に近し。」と。

【解説】

・外面(=言葉や容姿)より内面(=人格や優しさ)を重視すべきという言葉。

・あなたの周りに、「ごますりだけは上手いけど、人格や実力は大したことのない人物」はいますか?今も昔もそのような人は一定数います。アニメだと「どらえもん」のスネ夫のような人です。孔子は口ばかりうまく中身が伴わない人を批判的に捉えます。

・人はついつい目に見えて分かりやすい部分(外見・言葉)のみに重点を置きますが、それは本当に正しいのでしょうか?「人は見た目が9割」なんて言葉もありますが、そもそも人を外見のみで判断すること自体に問題があるのかもしれません。(一方、「中身と外見はリンクする」という考え方もあります。)

・言葉遣いや見た目を磨くことが悪いことではありませんが、人格を磨くことをおろそかにしていませんか?外見は中身を伴ってこそ輝くものでは?

2、「自分はどれだけ努力しても認められない」という考え方は視野が狭い? 人の己を知らざるを患えず、人を知らざるを患う

【現代語訳】
先生がおっしゃるには、「他人が己(の価値)を知らないのを憂うのではなく、他人(の価値)を知らないことを憂う(べきである)。」と。

【原文】
子曰、「不患人之不己知、患己不知人也。」

【書き下し】
子曰く。「人の己を知らざるを患えず、人を知らざるを患う。」と。

【解説】

・あなたは、「どうして私の頑張りを誰も認めてくれないの?」と考えたことがありますか?そのような人は多いのではないでしょうか。しかし、それは本当に周りより努力した結果起こったことなのだでしょうか?視野が狭くなって独りよがりになっていませんか?
→自分の頑張りを認めて欲しい気持ちが強すぎて、他者の気遣いや頑張りを見つけて評価できていないことがないですか?人は視野が狭くなり、自分のことばかりを見てしまうことがあります。

・自分が周りに認められたいのなら、まずは自分が周りの実力や努力を認める必要があるのでは?

3、自分がされたくないことを他者にしない! 己の欲せざる所、人に施す勿れ 

【現代語訳】
子貢が孔子に質問した。「死ぬまで行うべきことを一言で表すなら、どのように表せますか?」と。孔子はこう答えた。「それは「(じょ)」だね。自分がされたくないことを他者にしないようにすることだ。」と。

【原文】
子貢問曰、「有一言而可以終身行之者乎。」子曰、「其恕乎。己所不欲、勿施於人。」

【書き下し】
子貢 問いて曰く、「一言にして以て終身 之を行うべき者有るか。」と。子曰く、「其れ恕か。己の欲せざる所、人に施すこと勿れ。」と。

【解説】
・非常にシンプルながらも実践が難しい内容の言葉。あなたは、「自分がされたくないことを他者にしてしまった経験」はありますか?機嫌が悪くて八つ当たりしたり、愚痴を言ったり、傷付けたり、他者からの優しさに感謝しなかったり…大概の人はあるのではないでしょうか。

・中々完璧に行うのは難しいですが、常に心がけておくと、少しは自分がされたくないことを他人にしてしまう機会が減るのでは?

4、優しい人には必ず味方が現れる! 徳は孤ならず

【現代語訳】
先生がおっしゃるには、「道徳的な人物は孤立することがない。必ず理解者や協力者が現れるものである。」と。

【原文】
子曰。徳不孤。必有鄰。

【書き下し】
徳は孤ならず。必ず隣(となり)あり。

【解説】
・正論を吐く人間や道徳的な人間は、しばしば「偽善者」「自己中」のように批判されて孤立することがありますが、恐らく孔子はこのような背景を踏まえ、あえて「道徳的な人間は孤立しない!」と述べた可能性があります。

・今も昔も正論がまかり通らず、ズルい人間が幅をきかせることがあります。しかし一方で、分かってくれる人は分かってくれるはずです。独善的になるのは避けるべきですが、自分の正義や道徳心を貫くことも大切です。

5、立派な人は調和はするが迎合はしない! 君子は和して同ぜず

【現代語訳】
先生がおっしゃるには、「立派な人物は、調和するが迎合はしない。未熟な人物は、迎合はするが調和はしない。」と。

【原文】
子曰、「君子和而不同、小人同而不和。」

【書き下し】
子曰く、「君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず。」と。

【解説】

・自分で考えず、他者の言うことに何でも賛成する態度が「同(迎合)」であり、主体性を持って自分の意見を述べつつ、別の意見ともすりあわせて協調するのが「和(調和)」である。

・あなたは、親や先生、友人、恋人、上司の意見に迎合していませんか?特に立場が上の人に対しては、迎合せざるを得ない場面が出てくると思います。ただし、少しでも相手の言い分をしっかりと聴いた上で話し合い、調和する姿勢が必要なのかもしれません。

6、人間関係で大切な5つのこととは? 能く五つの者を天下に行なうを仁と為す

【現代語訳】
子張(しちょう)が仁について尋ねた。 孔子がおっしゃるには、「五つのことを世の中で行うことができたら、 仁と言える。」と。(さらに孔子に五者について)お訊ねすると、(孔子がおっしゃるには、)「礼儀正しく丁寧であること、大らかなこと、 誠のあること、 気が利くことと恵み深いことだ。 礼儀正しく丁寧であれば侮られず、 おおらかであれば人望が得られ、 誠実であれば人から頼りにされ、 気が利けば仕事ができ、 恵み深ければ巧く人が使えるものだ。」と。

【原文】
子張問仁於孔子。孔子対曰、「能行五者於天下爲仁矣。」「請問之。」曰、「恭・寬・信・敏・恵。恭則不侮、寬則得衆、信則人任焉、敏則有功、恵則足以使人。」

【書き下し】
子張、仁を孔子に問う。孔子曰く、「能く五つの者を天下に行なうを仁と為す。」「之を請い問う。」曰く、「恭・寛・信・敏・恵なり。恭なれば則ち侮られず、寛なれば則ち衆を得、信なれば則ち人任じ、敏なれば則ち功あり、恵なれば則ち以て人を使うに足る。」と。

【解説】
・仁(=まごころ)とは、「恭(=礼儀正しく丁寧であること)・寬(=大らかなこと)・信(=誠実であること)・敏(=気が利くこと)・恵(=恵み深いこと)」であるという言葉。

・どれも現代でも大切にされている要素か。逆に言えば、「無礼でがさつであること」「他人の言動に厳しい」「自分本位である」「鈍感」「ケチ」である人は、立派な人物とは言えないことになります。あなたは当てはまりますか?

7、優しさの根本は親への親愛の情! 孝弟なる者は、其れ仁の本為るか

【現代語訳】
有子(ゆうし)(孔子の弟子の一人)がおっしゃるには、「人となりが「孝弟(こうてい。孝は父母によく仕えること、弟は良く年長の兄弟に仕えること)」である人物は、殆ど目上の人に逆らわない。目上の人に逆らうことを好まない(者の中で)反乱を起こしたものはいない。君子とは、物事の根本を大切にしている人である。根本が確立すると道(正しい生き方)が分かる。「孝弟」は「仁」を得るための根本である。

【原文】
有子曰、「其人為也、孝弟而好犯上者、鮮矣。不好犯上而好作乱者、未之有也。君子務本、本立而道生、孝弟也者、其為仁之本与。」

【書き下し】
有子曰く、「其の人と為りや孝弟にして、上を犯すを好む者は鮮(すく)なし。上を犯すことを好まずして、乱を作(おこ)すを好む者は、未だ之れ有らざるなり。君子は本を務む。本立ちて道生ず。孝弟なる者は、其れ仁の本為るか。」と。

【解説】

・「まずは親へ孝行を尽くすことが道徳の出発点という発言。

・この発言からは、全ての人間がまず孝(父母によく仕えること=家族道徳)を身に付け、それを次第に他の人間関係にも広げていけば、世の中は平和になる、という考え方を読み取ることができる。
→あなたは、両親(家族)を大切にできていますか?恩返しできていますか?

・逆に、現代において犯罪を行う未成年は、家庭に問題があるケースが多いので、この点では説得力があるか…

8、自分の利益ばかりを追い求めると怨みを買う? 利に放(よ)りて行えば怨み多し

【現代語訳】
先生がおっしゃるには、「自分の利益ばかりを考えて行動していると、多くの人々から恨まれてしまう。」と。

【原文】
子曰、「放於利而行、多怨。」

【書き下し】
子曰く、「利に放(よ)りて行なば、怨み多し。

【解説】

・自分本位で利己的(=自分の利益を考えて行動する)な気持ちが大きすぎると、多くの周りの人の怨みを買ってしまうという発言。

・人間は元来、利己的な生き物ですが、人間誰しも自己中で利己的な人間は嫌いなものです。利益を得たいのなら、まずは周りに優しくして利益を与えてあげることが大切です。そうすれば、いずれ利益を得られるでしょう。

9、やりすぎは逆効果? ぎたるはおよばざるがごとし

【現代語訳】
子貢(しこう)が孔子に質問した。「子張(しちょう)と子夏(しか)では、どちらが優れていますか。」と。
先生がおっしゃった。「子張は(勉強や仕事などを行う量が)過剰である。(逆に)子夏は不足している。」と。
「それでは子張が優れているのですか。」
「いや、そうではない。やり過ぎはやり足りないのと同じくらいいけない。(何事も程々が大事である。)」と。

【原文】
子貢問、「師与商也孰賢。」子曰、「師也過。商也不及。」曰、「然則師愈與。」子曰、「過猶不及。」

【書き下し】
子貢問う、「師と商とは孰れか賢(まさ)れる。」と。子曰く、「師や過ぎたり。商や及ばず。」と。曰く、「然らば即ち師は愈(まさ)れるか。」と。子曰く、「過ぎたるは猶お及ばざるがごとし。」と。

【解説】

・孔子が頑張りすぎる弟子と頑張りが足りない弟子とを批評して、不足していることだけでなく、やり過ぎることも戒めた言葉。

・頑張ること、真面目であること、優しいこと、誠実であること…どれも人間の美徳であり、理想とされています。ただし、頑張り過ぎたり真面目過ぎると、精神を壊してうつ病や適応障害になったり、不道徳な他者に利用されるかもしれません。自分の心身を第1に生きましょう!

10、他者に完璧を求めない! 備わらんことを一人(いちにん)に求むる無かれ

【現代語訳】
周公は魯(ろ)の君主(となる息子)にこう訓戒された。「立派な人物は、親族を忘れないものである。大臣に対しては上手く用いて恨みを買わないようにしなさい。昔からの知人は、大罪を犯していないのなら見棄ててはならない。一人に対して完璧を求めてはならない。」と。

※周公…魯を建国した人物。孔子が理想とした。

【原文】

周公謂魯公曰、「君子不施其親、不使大臣怨乎不以、故旧無大故、則不棄也、無求備於一人。」

【書き下し】
周公 魯公に謂いて曰く、「君子は其の親(しん)を施(す)てず。大臣をして以(もち)いざるに怨みしめず。故旧(こきゅう) 大故(たいこ)無ければ、則ち棄てざるなり。備わらんことを一人いちにんに求むる無かれ。」と。

【解説】

・他者にあれこれ完璧を求めることを戒める言葉。

・人は、ついつい他人の欠点や至らない所ばかりに目を向け、批判的になりがちです。特に親や教師、上司という立場ならなおさらです。しかし、完璧な人間など存在しませんし、悪い所ばかりの人間も存在しません。
→視野を広く持ち、寛容に他者と接すれば、人間関係がうまくいくかもしれません。

11、誰からでも学ぶ姿勢が大切! 三人行えば、必ず我が師有り

【現代語訳】
孔子がおっしゃるには、「三人が行動をともにすれば、必ず自分の先生となる人がいる。(そのうち、見習うべき)善良な人を選んでその人を見習い、(見習うべきではない)不善良な人を見て(その人を反面教師として)改める。」と。

【原文】
子曰、「三人行、必有我師焉。択其善者而従之、其不善者而改之。」

【書き下し】
子曰く、「三人行えば、必ず我が師有り。其の善き者を択びて之に従い、其の善からざる者にして之を改む。」と。

【解説】

・そばにいる他者から、良い部分も悪い部分も積極的に学ぶべきという言葉。

・特に尊敬に値しないような人物に対する姿勢に注目したい。そのような人物の悪い所をしっかりと分析し、「自分はこうはならないように」と戒めることができれば、その分人間として成長できる機会が増える。
→このように考えれば、「他人は全員自分の先生」と考えることができるか。

12、あなたは失敗したとき言い訳していませんか? 過てば則ち改むるに憚(はばか)ること勿かれ

【現代語訳】
先生はおっしゃるには、「立派な人物は、重厚な態度を取らなければ、威厳が出ない。学問をすれば考え方が柔軟になる。忠と信の心を大切にして、自分よりレベルの低い者を友としてはいけない。過ちがあったのなら、それを改めることをためらってはいけない。」と。

【原文】
子曰、「君子不重則不威。学則不個。主忠信、無友不如己者、過則勿憚改。」

【書き下し】
子曰く、「君子、重からざれば則ち威あらず。学べば則ち固ならず。忠信を主とし、己に如かざる者を友とすること勿かれ。過てば則ち改むるに憚(はばか)ること勿かれ。」と。

【解説】

・自分の犯した過ちに対し、目をそらしたり言い訳したりせずに、しっかりと向き合って改めるべきという言葉。

・あなたは、自分の欠点や過ちとしっかり向き合えていますか?「自分は悪くない。他人が悪い。」などと言い訳して、目をそらしてはいませんか?それでは永遠に自分を成長させることはできません。
自分の欠点や過ちと正面から向き合うことが成長の第一歩です。

13、勇気なくして正義の心は発揮できない! 義を見て為(せ)ざるは、勇無きなり

【現代語訳】
孔子がおっしゃるには、「(自分の)祖先の霊でもないのにそれを祭るのは、媚びへつらっているからである。正義を行うべきなのを知っているのに実行できないのは、勇気がないからである。」と。

【原文】
子曰、「非其鬼而祭之、諂也。見義不為、無勇也。」

【書き下し】
子曰く、「其の鬼(き)に非ずして之を祭るは、諂(へつら)うなり。義を見て為(せ)ざるは、勇無きなり。」と。

【解説】
・正義の心があっても勇気がなければ、中々実行できないという言葉。

・いじめやポイ捨て、悪口、サボりなどを見て、止めるべきだと思っても、その人から嫌われたり批判されたりするのが嫌で、言えなかった経験はありますか?そういう経験がある方は、「義を見て為(せ)ざるは、勇無きなり」の意味がよく分かると思います。
空気を読んであえて言わないのも処世訓としてはありですが、自分が正しいと思うことを貫き通すのは立派なことだと思います。

14、あなたの道徳心はお金で成り立っていませんか? 富みて驕ること無きは易(やす)し

【現代語訳】
先生がおっしゃるには、「貧しい境遇で(他人や世の中を)恨まないようにするのは難しい(一方)、金持ちで驕りたかぶらないようにするのは(余裕がある状態なので)簡単である。」と。

【原文】
子曰、「貧而無怨難、富而無驕易。」

【書き下し】
子曰く、「貧しくして怨むこと無きは難く、富みて驕ること無きは易し。」と。

【解説】

・貧富が道徳心に与える影響について述べた言葉。
→「恒産無くして恒心無し」「金持ちケンカせず」という言葉にも通じる。

・逆に言えば、貧乏でありながら、周りを恨まずに前を向いて生きていける人間は、非常に高い道徳心を持っているということになります。

・あるいは、道徳心を身につけるためには、一定の財産や地位が必要という格言とも捉えられます。

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